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2. インストール手順

注意:

() で括った数字は、私の 1.2 GB のハードドライブ上に占める MB 数です。

それでは、順番にインストール作業を行いましょう。
  1. Linux Slackware CD 上にある view.exe を実行して、 Linux Boot フロッピーと Root フロッピーを作成します。ある種の事情で、 Linux のブートプログラムは Root ディスクを Ramdisk フロッピーと 呼んでいます。著者もこれ以降は、Ramdisk (Root) フロッピーと呼びます。
  2. 保存が必要な情報はすべてテープ (もしくは、 その他の手持ちのメディア) にバックアップを取ります。
  3. OS 付属の MSDOS フロッピー、 disk 1 でマシンを起動します。
  4. "Starting MSDOS" メッセージが出たとき、F5 キーを押して config.sysautoexec.bat を読み込まないようにします。
  5. a\fdisk.exe を実行します。
  6. パーティションをすべて削除します(その際、次のような警告が 出ます)。
    DELETING / MODIFYING OF ANY PARTITION
    WILL RESULT IN THE LOSS OF ALL DATA ON THE DISK!
    ** 削除あるいはパーティションを変更するとディスク
       からすべてのデータが失われます。**
    
  7. MSDOS 基本パーティションを追加します。(11MB)
  8. そのパーティションを format します。
  9. a:\setup.exe を実行して、そのパーティションに MSDOS を インストールします。
  10. OS/2 を起動します。
  11. 「拡張インストール」を選択します。
  12. FDISK を実行します (これは、OS/2 のインストール過程で 必ずポップアップ表示として現れます)。
  13. MSDOS のパーティションの後に、基本パーティションを 1 つ作成します。 これが Windows 95 のパーティションになります。(349MB)
  14. さらに次の基本パーティションにブートマネジャーを追加します。(2MB)
  15. 拡張パーティションを追加します。
  16. 拡張パーティションに論理ドライブを追加作成します。これが MSDOS システムの データ領域になります。(511MB)
  17. 拡張パーティションにもうひとつ論理ドライブを追加します。これが OS2 の HPFS (High Performance File System) パーティションになります。(127MB)
  18. さらにドライブの残りのスペースを使って最後の論理パーティションを 作成します。これは後ほど Linux 用のふたつのパーティション (swap パーティションと本体用 (native) パーティション) となる領域です。OS/2 や DOS ではひとつのパーティションに最大 6 つのパーティション (3 つの基本 パーティションと、ひとつの拡張パーティション内の 3 つの拡張パーティション) しか作成でず、この段階ではあとひとつしか論理パーティションを作成できない ので、その最後のひとつを作成したわけです。
    ただ、この領域をそのままにしておいたのでは、あとから Linux を使って 2 つの パーティションに分割することができません。OS/2 の FDISK の仕組み上、 拡張パーティションに作成した最後の論理ドライブは、拡張パーティションの 最後のドライブとしてマークされます。そして、このマーク以降にパーティションを 作成することができなくなるからです。それゆえ、別の言い方をすると、この 最後の論理ドライブは Linux 用のスペース確保の目的で作成しておいて、あとから これを一旦削除して、そこに 2 つの領域を再度作成するわけです。
  19. パーティション 1, 2, 5 をブートマネージャに追加します。
  20. パーティション 5 をインストール可能にします。 FDIS 画面は次のようになるはずです (だいたいこれに似た状態に なるでしょう)。
                                   FDISK
    
    Disk 1
    ___________________________________________________________________________
    
    パーティション   状況
    の名前                         アクセス     ファイルシステム    MBytes
    ___________________________________________________________________________
    
    MSDOS           ブート可能     C: Primary      FAT              11
    WIN 95          ブート可能      : Primary      FAT             350
                    始動可能        : Primary   ブートマネジャ       2
                    なし           D: Logical   未フォーマット     511
    OS/2         インストール可能  E: Logical      FAT             127
                    なし           F: Logical    未フォーマット    219
    ---------------------------------------------------------------------------
    
  21. OS/2 インストールの作業を続行します。
  22. 再起動し、ブートマネージャからパーティション 2 (Windows 95) を選択 します。
  23. 画面に「オペレーティングシステムがない (missing operationg system)」という 意味のエラーが表示されたときは、MSDOS のインストールディスクで起動して ください。このパーティション (2) を選んだのは、MSDOS パーティションを「隠す」 ためです。というのも、OS/2 のブートマネージャはちょっと変わっていて、 ブート可能なパーティション (この場合は、MSDOS と OS/2) のうち、ブート時に 認識するのはどちらかひとつだけです。すなわち、例えば MSDOS パーティションを ブートしたとすると、もうひとつのパーティション (Win95) は認識されなくなって しまうのです。MSDOS パーティションと Win95 パーティションはドライブ名を 「共有」するようになっているのです。それゆえ、上記の表の「アクセス」の 状態だと、MSDOS がドライブ C というドライブ名を持ち、Win95 はドライブ名を 持たなくなります。その場合、MSDOS はドライブ C という名前で認識しますが、 Win95 はドライブ名がなく認識されません。Win95 がブートされる場合は、 ちょうどこれが逆になります。MSDOS はドライブ名なしで見えなくなり、 Win95 はドライブ名 C として認識されます。見えないドライブには全く アクセスすることができません。

    もしふたつのドライブ間でファイルをコピーしたい場合は、片方のドライブしか 認識されないので、起動ドライブとは別の共有ドライブを使ってファイルを 交換しなければなりません。本書での設定の場合だと、DOS/Win95 兼用の データドライブ (上記の表では、ドライブ D, 511MB) がその共有ドライブと なります。「いつになったら Linux をブートできるのか?」と思っている 方もいらっしゃるでしょう。これは、後ほど説明します。まだその段階に 至っていないだけです。

  24. パーティション 2 に MSDOS をインストールします (これは、Windows 95 を インストールするために必要です。)
  25. パーティション 2 を起動します。
  26. このパーティションに Windows 95 をインストールします (Win95 のアッ プグレード版を使っているなら、Win3.1 のインストールディスク 1 を入れる 準備をしておかないといけないかもしれません。)
  27. パーティション 1 を起動します。
  28. パーティション 4 をフォーマットします。
  29. (必要なら) テープ等から DOS データをパーティション 1 と 4 に 戻します。
  30. Linux ブートフロッピーで起動します。
  31. 次に Linux Ramdisk (Root) フロッピーを入れます。
  32. root でログインし # プロンプトが出たら、fdisk と入力してエンターキーを押します。
  33. 最後のパーティションを削除します (ステップ 18 で作成したパーティション です)。
  34. 16MB のパーティションを作成し、このパーティションのファイルシステム タイプを Linux Swap とします。(17MB)
  35. ディスク上の残りのシリンダ全部を使って最後のパーティションを作成し、 ファイルシステムタイプを Linux native とします。
  36. 変更をブートセクタに書き込んで、再起動します。
  37. 再度 # プロンプトが表示されたら、setup を実行します。
  38. Linux を最後のパーティションにインストールします。
  39. LILO をインストールするときは、必ず最後のパーティションのルートファイル システム上にインストールしてください (MBR ではありません。もし MBR に インストールすると、ここまでやってきた作業が全部無駄になってしまいます)。 LILO には最後のパーティションだけを登録し、タイマーは 0 に設定してください。 こうすることで、OS/2 ブートマネージャから Linux を選択した際に、LILO が 拡張パーティションの論理ドライブ上にある Linux をアクティブし、起動する ようになります。LILO からアクティブにできるパーティションを Linux パーティションだけにしているので、タイマーによる待ち時間調整は不要です (ロードしたいカーネルが複数ある場合は、タイマーの起動待ち時間を 0 秒以外 に設定してください)。
  40. Linux swap パーティションを有効にします (詳しくは、Matt Welsh のマニュアル「Linux Installation and Getting Started」 をご覧ください)。
  41. OS/2 を起動します。
  42. FDISK を実行します。
  43. ブートマネージャに Linux NATIVE パーティションを追加します (ファイルシステムタイプ 83 の方です。82 ではない ので注意してください)。

FDISK の画面は、以下のように (あるいはこれに似たものに) なる はずです。

                               FDISK

Disk 1
---------------------------------------------------------------------------
パーティション   状況
の名前                         アクセス     ファイルシステム    MBytes
___________________________________________________________________________

MSDOS          ブート可能        C: Primary      FAT              11
WIN 95         ブート可能         : Primary      FAT             350
               始動可能           : Primary    ブートマネジャー    2
               なし              D: Logical      FAT             511
OS/2           ブート可能        E: Logical      HPFS            127
               なし               : Logical      Type 82          17
Linux          ブート可能         : Logical      Type 83         198

以上で、完成です!

コメント・提案は、r3mdh@raex.com までお送りください。 (苦情は、どうしても上手くいかない場合だけにしてください)

Mike Harlan, 11 NOV 1997


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