Linux ベースの MIDI システムへの関心が高まるにつれて、このリストは 入手可能な MIDI ソフトウェアの正確な数をたぶん反映しなくなっていくでしょう。 でも、アプリケーションの妥当な選択にはなっているはずです。 もしあなたが他の、ここにリストアップされていない MIDI アプリケーションを 開発している、もしくはご存知ならば、著者にメールをください。
Advanced Linux Sound Architecture は、いくつかの部分で構成されています。 まず第一に挙げられるのは完全にモジュール化されたサウンドドライバで、 モジュールの自動ロード、devfs、isapnp の自動設定をサポートし、 オーディオハードウェアのアナログオーディオ、デジタルオーディオ、 コントロール、ミキサー、シンセサイザ、DSP、MIDI、 タイマーといった各部分への完全なアクセスができるようになります。 また、完全なカーネルレベルでのシーケンサ、OSS/Free アプリケーションの ための完全な互換性を提供するレイヤ、ALSA カーネルドライバのアプリケーション 向けの機能 (クライアント/サーバ、プラグイン、PCM シェアリング/マルチプレクシング, PCM メータリングなど) をカバーし強化するオブジェクト指向の C ライブラリ、 ドライバを対話的に設定するプログラム、 基本的な管理を行なういくつかのシンプルなユーティリティ も含まれています。
OSS は Linux と FreeBSD でたいていの一般的なサウンドカード向けの サウンドカードドライバを提供します。ドライバは、サウンドカードの デジタルオーディオ、MIDI、シンセサイザ、ミキサーの機能を サポートします。サウンドドライバは Open Sound System API の仕様書に 完全準拠します。OSS はサウンドドライバのインストールやサウンドカードの 設定がとても簡単になるユーザフレンドリーな GUI を提供します。 200 を超える種類のサウンドカードをサポートし、サウンドカードの 自動検出、プラグアンドプレイ、PCI オーディオサウンドカード、 フルデュープレックスオーディオのサポートが提供されています。
Notemidi はノートブック/ラップトップコンピュータの RS-232 シリアルポートを 経由して MIDI を出力するためのデバイスドライバです。 Notemidi は MIDIator MS-124W インタフェース、 Roland Sound Canvas サウンドモジュール、 Yamaha MU-x シリーズサウンドモジュールで使用できます。
http://www.michaelminn.com/linux/notemidi
KMid は、Linux と FreeBSD に対応した X11 / KDE ベースの MIDI プレイヤーです。 カラオケファイルの歌詞を表示する際、演奏されている箇所の色が変化するので、 曲が簡単に追えます。KMid は、/dev/sequencer を外部シンセサイザ、 AWE、FM、GUS カードをサポートする出力デバイスとして使います。
http://perso.wanadoo.es/antlarr/kmid.html
Pmidi は、ALSA シーケンサ経由で MIDI ファイルを演奏する簡単なコマンドラインの プログラムです。
http://www.parabola.demon.co.uk/alsa/pmidi.html
TiMidity は MIDI から WAVE へのコンバータです。 一般的な MIDI ファイルからデジタルオーディオデータを 生成するのに Gravis Ultrasound シリーズ互換のパッチファイルを使います。 生成されたオーディオデータは、任意のサウンドデバイス経由での演奏や ディスクへの保存が可能です。速いマシンだと、リアルタイムで演奏できます。
http://www.onicos.com/staff/iz/timidity/
Brahms はシーケンサ兼楽譜作成プログラムです。現時点で、スコア、ピアノロール、 ドラム、マスタートラックエディタを含む様々な編集方法を備えています。 C++ プログラマであれば、一般的なエディタクラスを借用してさらなるエディタを 実装するのは簡単です。MIDI のインポートとエキスポートも実装されています。 aRts-0.3.4 と組み合わせると、wave ファイルの再生が可能になり、 MIDI イベントをソフトウェアシンセに送信するのに aRts の MIDI バスが使用できるようになります。
以前は KooBase という名前で知られていました。
http://brahms.sourceforge.net/
Anthem は先進的なオープンソースの MIDI シーケンサです。Anthem では、洗練された 評価の高いオブジェクト指向の技術を使って、音楽の録音、編集、再生が 可能です。
http://anthem.sourceforge.net/
JAZZ++ は完全な、オーディオ対応の MIDI シーケンサです。 Linux と Windows に対応しています。
http://www.jazzware.com/cgi-bin/Zope.cgi/jazzware/
UltiMusE-LX (the Ultimate Music Editor) は作曲プログラムです。といっても、 あなたのために作曲してくれるわけではありません。音楽向けの「ワープロ」 です。マウスや、コンピュータのキーボードを使って、画面上で楽譜が書けます。 16 パートもしくは 16 声までの音符を、7 つまでの譜表に書き込めます。 たいていの標準的な音楽記号がサポートされています。MIDI 楽器パッチの変更、 MIDI イベント、リアルタイムクロックもサポートされています。
http://hometown.aol.com/knudsenmj/myhomepage/umuselx.htm
Melys は Advanced Linux Sound Architecture (ALSA) 対応の MIDI シーケンサアプリケーションです。 Melys は ALSA のシーケンササポートを使用します。GNOME ライブラリ のおかげでシーケンサをパワフルかつ簡単に操作できます。
http://www.parabola.demon.co.uk/melys/
MidiMountain はスタンダード MIDI ファイルの編集機能があるシーケンサです。 簡単に使えるインタフェースは、MIDI の楽曲(シーケンス)を編集・作成する 初心者の助けになるでしょう。そのうえ MidiMountain は、スタンダード MIDI ファイルや MIDI 転送プロトコルのすべての定義― 簡単なピアノロールの編集からバイナリのシステムエクスクルーシブメッセージ の変更まで― が編集できるように設計されています。
MusE は Qt 2.1 ベースの Linux 向けシーケンサで、編集も録音もできます。 シーケンサの再生中でも、ピアノロールエディタやスコアエディタを使って リアルタイムでイベントを編集できます。記録された MIDI イベントは パートごとにグループ分けすることができ、アレンジエディタで編曲 できます。
Rosegarden は、MIDI シーケンサと楽譜エディタが統合されたソフトウェアです。
http://www.all-day-breakfast.com/rosegarden/
ttrk (tektracker) は、トラッカースタイルのステップエディタを備えた コンソール MIDI シーケンサです。ライブ演奏向けに作られており、 使いやすいトラックミュートボタンとループコントロール機能が あります。ttrk は MIDI クロックパルスの送信と同期の両方を サポートしています。
ShakeTracker は、トラッカーのインタフェースを備えた完全な MIDI シーケンサを目指しています。目下のところ、申し分なく動作する上、 ほとんどのトラッカーのエフェクトをサポートしています。 以前 Impulse トラッカーを使ったことがある方は、なじみのある感じが するでしょう。はじめて使う方には、簡単ながら広範囲にわたる ヘルプシステムが用意されています。 コマンドとショートカットのほとんどは、トラッカーのそれに 似ています。
http://reduz.com.ar/shaketracker/
DrumPatterns はフリーでオープンソースの、web 指向のドラムパターン ジェネレータです。用途はドラムパターンを教える手助けをすることです。 高度なリズムも初歩のリズムも教えることができます。 文字、スコア、MIDI での出力が可能で、何時間ものサンプルが含まれています。
http://www.linux-france.org/prj/drumpatterns/index-en.html
JSynthLib はオープンソースの、様々な環境で使えるシンセサイザパッチエディタ/ ライブラリアンソフトで、Java 言語で書かれています。 サポートされていないシンセ用のドライバやエディタをユーザが開発し プロジェクトに寄贈できるように、そのやり方と技術文書を提供することによって、 最終的には実在するすべてのシンセサイザをサポートすることを このプロジェクトは志しています。
Spiral Synth はポリフォニックアナログシンセサイザを物理モデル化した ソフトウェアです。 ハードウェアアナログシンセによって作られるたぐいの音や、 電子音楽に使われるノイズの作成が可能です。 もっと奇妙な音の作成にも使えます。MIDI がサポートされており、 また、標準的な OSS/Free サウンド出力 (/dev/dsp) を使用します。
http://www.pawfal.org/SpiralSynth/
訳注: 後継の SpiralSynthModular が、現在活発に開発されています。
http://www.pawfal.org/Software/SSM/
UltraMaster Juno-6 は、Roland Juno-6 ポリフォニックシンセサイザを 忠実にソフトウェアで再現したものです。リアルタイム 64 ビット インターナル ULTRANALOG ウェーブシンセシス、80 年代初期スタイルの アルペジエーターとコーラス、利用者自身のカスタムセッティングを 保存するための 100 のパッチが特色です。すべてのパラメータは リアルタイムで、スクリーン上の GUI もしくは 外部の MIDI コントローラ 経由でコントロールできます。
http://www.ultramaster.com/juno6/index.html
Pd は pure data の略称です。Pd は音楽やマルチメディアの ライブパフォーマンスのためのリアルタイムソフトウェアシステムです。 Miller Puckette 他によって活発に開発されています。 システムは未完成ですが、高度なプロジェクトにも十分使えます。 すでに Linux, IRIX, 各種 Windows にポートされています。
訳注: 現在では Mac OSX にもポートされています。
Csound はソフトウェア音響合成のプログラムです。でも単なるそれを超えています。 Csound では、他のソフトウェア/ハードウェアシンセサイザに存在するような 制限を受けることがありません。ひとつのプログラムが使用できる オシレータやフィルタの総数に制限がないのです。さらに、Csound は完全なモジュール方式です。ですから、Csound のどの機能も 多種多様なやり方で使用できます。
Bristol はシンセサイザエミュレーションのパッケージです。 Moog Mini, Moog Voyager, Hammond B3, Prophet 5, Juno 6, DX 7 などが含まれています。
http://www.slabexchange.org/index.cgi?DOWNLOAD
xmms (旧名 x11amp) に、(timidity を経由させることによって) MIDI ファイルのサポートを追加します。 そっけないミキサーインタフェースが、設定ダイアログによって提供されます。
http://ban.joh.cam.ac.uk/~cr212/xmms-midi/
Mup はテキストファイルを入力に用いて、楽譜印刷用の PostScript を出力します。 普通の楽譜とタブ譜の両方が扱えます (MIDI での出力も可能です)。
LilyPond は譜面用の植字ソフトです。概要が記述されたファイルを 入力に用いて、美しい譜面を生成します。LilyPond は GNU Project の一部です。
Sfront は MPEG 4 Structured Audio (MP4-SA) のビットストリームを、 実行時にオーディオを生成する効率的な C プログラムにコンパイルします。 MP4-SA とは、規範に従ったアルゴリズミックなサウンド用の規格で、 オーディオシグナル処理言語 (SAOL) とスコア言語 (SASL と旧式の MIDI ファイル形式) を結合したものです。 Linux では、Sfront はリアルタイム、ロウレイテンシな オーディオ入出力、サウンドカードからのローカル MIDI 入力、 RTP と SIP を用いてのネットワーク経由での MIDI 入力をサポートしています。 バークレーのキャンパスでホストされた SIP サーバがセッションを管理します。 この Web サイトには、MP4-SA についてのオンラインブックもあります。
http://www.cs.berkeley.edu/~lazzaro/sa/index.html
jMax を使えば、対話的にデータフロー回路を設計できます。 使用できる基本的なデータタイプは整数、シンボル、リストなどです。 イベントドリブンのシステムで、MIDI の処理に使われていました。 システムの別の部分 (DSP) では、回路に継続的な信号を流すことができます。 これは、PCM サウンド (すなわち、マイク経由の音やサウンドファイルなど) にとって最も有用です。システムはシェアードライブラリの使用によって 拡張可能なので、データプロセッサタイプ、データタイプ、GUI 要素、 デバイスタイプ、その他を追加できます。データプロセッサも回路としての 設計や再利用が可能です。
http://www.ircam.fr/equipes/temps-reel/jmax/
TSE3 は C++ で書かれたパワフルなオープンソースのシーケンサエンジンです。 なぜ「シーケンサエンジン」なのかというと、TSE3 はシーケンサの 実動部分を提供するだけで、ユーザインタフェースのフォームを提供しないからです。 TSE3 ライブラリを使えば、シーケンサアプリケーションや マルチメディアプレゼンテーションパッケージを作成する際、 MIDI シーケンスの扱いが楽になります。
KeyKit はマルチタスクのインタプリタ型プログラム言語です (awk に触発されています)。 リアルタイムかつアルゴリズミックな MIDI の操作に特化して 設計されています。KeyKit の GUI は、アルゴリズミックな 音楽実験用の様々なツールを何ダースも供給します。その中には マルチトラックシーケンサやドラムパターンエディタも含まれています。 GUI とすべてのツールは、完全に KeyKit 言語それ自体で書かれています。 おかげで、ユーザはたとえシステムの動作中でも、存在しているツールに 新たなツールや命令を追加できます。