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6. ハードウェアの必要条件および性能の問題

デジタル音声処理はシステムの処理能力および I/O 能力にとても依存す る、多くの資源を要求する処理です。最低でも Pentium クラスのマシンを強 く推奨します。

ラインあるいはマイクから入力するアナログ音源をエンコードするのなら、 PCI サウンドカードが最良の結果をもたらします。ISA バスカードと PCI バ スカードにおいて I/O 能力の差ははっきりしており、PCI バスには 132 MB/sec 以上の能力があります(PCI-HOWTO からの引用です)。もちろん、 信号 - 雑音比 (訳注 : S/N 比) という点においても、サウンドカードの品質 は良ければ良いほど、MP3 へのエンコードも良い結果となるでしょう。著者は Soundblaster PCI128 を使っていて、ちょうど今 Soundblaster Live Value へ切り替えました。双方とも良いオーディオ性能を持っていますが、Live は 明らかに S/N 比が高く、セミプロ級の仕事にも充分です。データ処理の古く からある格言、「入れたのがゴミなら出てくるのもゴミ(garbage in - garbage out)」を覚えておいてください。

Creative 社は Soundblaster Live! のベータ版ドライバを、 以下の場所で配布しています。

http://developer.soundblaster.com/linux/

ハードディスクにアナログ音声を記録することを、ダイレクトディスク録音あ るいは d2d 録音と一般に呼びます。その際には、ディスクの性能とそのイン ターフェイスが重要です。IDE ベースのシステムを使っているなら、モード 4 あるいは UDMA は問題なくデータを転送できる能力があるので望ましいでしょ う。

理想的なソリューションは SCSI ベースのシステムを使うことです。なぜなら、 ドライブとインターフェイスが SCSI-1 の 5Mbit/s から Ultra-Wide SCSI の 80Mbit/s まで、連続した良い転送能力を持っているからです。IDE でも 8.3 MB/s から Ultra-ATA の 33 MB/s まで到達できますが、この速度はピーク時 のものであり、平均転送速度は若干遅いでしょう。もし AV SCSI ドライブを 見つけられて、そしてそれを買う余裕があるなら、これをぜひ使ってみてくだ さい。AV ドライブは連続するデータ転送に対して、データを読み書きするヘッ ドシステムを最適化しています。通常、他の SCSI および IDE のドライブは 書込みヘッドが熱くなるため、連続したデータを転送できないのです。

[訳注: この段落では原文が若干誤りを含んでいるので、 現在原著者に修正を依頼しています。

正しくは、以下のようになります。

理想的なソリューションは SCSI ベースのシステムを使うことです。なぜなら、 ドライブとインターフェイスが SCSI-1 の 5MB/s から Ultra2-Wide SCSI (LVD Wide)の 80MB/s まで、連続した良い転送能力を持っているからです。最 近は Ultra-160 という規格もあり、160MB/s の転送能力があります。IDE で も 8.3 MB/s から Ultra-ATA の 33 MB/s まで到達できます。更に、 Ultra-ATA は現在 100Mbyte/s まで高速になっています。しかし、この速度は ピーク時のものであり、平均転送速度は若干遅いでしょう。

もし AV SCSI ドライブを見つけられて、そしてそれを買う余裕があるなら、 これをぜひ使ってみてください。AV ドライブは連続するデータ転送に対して、 データを読み書きするヘッドシステムを最適化しています。通常、他の SCSI および IDE のドライブでは、温度変化によって生じるへッド位置のずれを補 正するため、メンテナンスシーク、あるいはキャリブレーションと呼ばれるシー ク動作を定期的に行います。このメンテナンスシーク中はデータの読書きがで きないので、ハードディスクレコーディングなどの連続したデータの読み書き が要求される用途では音 (あるいは映像) が途切れるなど、悪影響が生じるお それがあります。AV SCSI ドライブは、このメンテナンスシークを行わないハー ドディスクです (翻訳者は詳しいことは分かりません)。]

ヘッドが上がったり必要な転送速度を確保できなくなったら、キャッシュがバッ ファとして動作します。従って、キャッシュを持っていないドライブよりも持っ ているドライブの方が確実です。

充分な性能のドライブでないと、信号の記録に失敗した箇所で録音データの脱 落および異常に悩まされるでしょう。ライブなどの一度限りのイベントを録音 するなら、良い SCSI ベースのシステムに投資してください。

システムへの高い負荷もデジタル録音の際のデータ脱落の原因になります。録 音の際に、バックグラウンドタスクはシステムに一時的な不具合を引き起こす ことがあります。特にネットワーク系のサービスは、できる限り少数のバック グラウンドサービスだけを動かすことをお奨めします。ネットワークサービス の設定や起動スクリプトについては、SAG および NAG を参照して ください。

[ 訳注 : SAG: Linux System Administration Guide, NAG: Linux Network Administration Guide. 現在のところ日本語訳はありません。 ]

仮想記憶ページングもデータ欠損を引き起こすので、できるだけ多くの物理メ モリで動作させてください。少なくとも 32MB のメモリを推奨したいのですが、 更に多くのメモリが必要になるかもしれません。

システムから最大限の性能を引き出したいなら、恐らくカーネルを最適化して みるのも悪くないでしょう。

上に挙げたハードウェアを持つシステムは、音声データのエンコード用として はかなり高い能力のものです。だから、手近で使っていて能力の劣る旧式のシ ステムを過小評価しないでください。

システム管理者にとって、優れた結果を出すよう能力の低いシステムを調整す ることは、良い挑戦になるでしょう。そして、最後には恐らく、幸せな Linux Box ができあがることでしょう。

もうひとつの重要な点はオーディオケーブルです。安くて粗末なケーブルやコ ネクタを使うと、録音の品質も貧弱になってしまいます。(RCA コネクタとも 呼ばれる)アナログプレイヤーとアンプを接続するコネクタと同じ形の端子が サウンドカード上にあるなら、それを使ってください。金メッキのコネクタも 音質を維持するためにも役立ちます。相互干渉の危険があるので、オーディオ ケーブルはデータケーブルから遠ざけてください。

最良のオーディオケーブルに大金を費やしても、システムの他の部分が最適化 できていなければ、無駄に終ることを忘れないでください。

CD-ROM から MP3 へエンコードするために、CD-ROM から生データを読み込み ます。その際に必要となる時間は、ドライブの速度や型により決まります。恐 らく、かなり辛抱強い人以外にとって、標準速ドライブは非常に遅いでしょう。

録音中に録音している音楽を聴きたいのなら、CD-ROM の接続に内部コネクタ を用いるか、ヘッドホンをヘッドホン出力へ接続する必要があります。MP3 は CD-ROM のヘッドホン出力では聴けませんが。

サウンドカードの設定に関する詳細な解説書には Sound-HOWTO を読むと 良いでしょう。

[ 訳注 : JF プロジェクトによる日本語訳 Sound-HOWTO があります。]


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