1. 始めに

プログラム開発をしていると複数の Linux ディストリビューション向けにプログラムの作成やテストをする羽目に陥ることもあるでしょう。この mini-howto で概説する方法を使えば、巧妙な chroot トリックを使うことにより、テストや開発を複数の Linux ディストリビューションで行う度に再起動するのをほぼ避けられます。

簡単に言えば、「トリック」のネタは、ある Linux ディストリビューション固有のファイルを一個のディレクトリ内に収めて、プログラムの開発・テスト・デバッグに際しては chroot でそのディレクトリをルートに設定する点にあります。この方法を実現するには以下の条件があります―

  1. 使用する「メイン」あるいは「プライマリ」のディストリビューションのカーネルが「セカンダリ」または chroot されるディストリビューションと(最低限何らかの)互換性があること、及び

  2. 対象のアプリケーションが本来ユーザースペースのものであり(カーネルモジュールなどではなく)、特定のカーネルの機能に強く依存したりしていないこと(例えば /proc の振る舞いに依存しない)

1.1. 著作権及び使用許諾

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