Linux はイントラネット/インターネットのサーバ用に使える優れたプラットフォーム です。イントラネットという用語は、組織内部での情報の流通と共有を主眼に インターネット技術を使うという意味です。 Linux ができるインターネットと イントラネットのサービスは、以下の節で概説しますが、 Mail 、 News 、 WWW サーバ その他非常に多数あります。
Sendmail は Unix プラットフォームでのデファクトスタンダードのメールサーバ ( Mail Transport Agent 、MTA と呼ばれます)です。 Sendmail は頑強で、 スケーラブルで、所要のハードウェアを適切に設定すれば数千の ユーザのメールを間断なく扱えます。 sendmail に替わるものとして設計されている smail とか qmail などのメールサーバもあります。
Mail の HOWTO
企業とか ISP では普通は、ユーザは自分のメールを自分のデスクからリモートに アクセスするでしょう。これをするのに POP ( Post Office Protocol )と IMAP ( Internet Message Access Protocol ) サーバを含め、いくつかの選択肢が Linux には あります。 POP プロトコルはサーバからクライアントへメッセージを転送するのに よく使います。 IMAP は、サーバ中のメッセージを操作したり、サーバ中のフォルダを リモートから作成削除したり、共有メールフォルダへの同時アクセスなどができます。
メール関連の HOWTO
Linux には多数の MUA ( Mail User Agent )があります。グラフィカルと テキストモードの両方です。最も広く使われるのには、 pine や、 elm 、 mutt 、 Netscape があります。
メーリングリストを管理する MLM ( Mail List Management )のプログラムは、 Unix で一般に利用されるものと Linux 独特のものが多くあります。
fetchmail はメール関連の便利なユーティリティです。これは( SLIP とか PPP 接続 などの)オンデマンドの TCP/IP リンクで使うのが目的で、リモートメールを収集したり フォワードするものです。これはフリーで、多機能で、頑強で、文書がたくさん あります。 fetchmail はインターネットで現在利用されるリモートメールの プロトコル全てをサポートします。 IPv6 と IPSEC さえサポートします。
fetchmail はリモートのメールサーバからメールを集め、 SMTP によってフォワード します。ですからフォワードされた後で mutt とか、 elm 、 BSD Mail などの普通の MUA を使って読めますし、システムの MTA が普通のメールに行うフィルタ、 フォワード、エイリアス機能の全てを同じように使えます。
fetchmail を使って、 ISP のひとつのメールボックスからメールを集め、ヘッダの アドレスに基づいて SMTP でフォワードさせるようにすれば、ひとつの DNS ドメイン 全体での POP/IMAP から SMTP へのゲートウェイになります。
送り出すメールを全部 ISP のひとつのメールボックスに集めておいて、そこから インターネットへ送り、入ってくるメールを同じメールボックスから全部取り出して くるように fetchmail を設定できますので、小企業のメールをひとつのメールボックス に集中させられます。
ほとんどの Linux のディストリビューションには Apache ( http://www.apache.org (訳注: JAPACHE HTTP Server Project) ) が入っています。 Apache は http://www.netcraft.co.uk/survey/によればインターネットでのナンバーワン のサーバで、インターネットのサイトの半分以上が Apache かその派生を走らせて います。 Apache はモジュラー化された設計、安定性と速度に優れています。 適したハードウェアを適正に設定すれば Apache は最大限の負荷をこなせます。 Yahoo 、 AltaVista 、 GeoCities 、 Hotmail はこのサーバのカスタマイズ版 を使っています。
Apache はオプションで SSL (安全な送受を可能にします)を使えます。 このサポートは次のところで入手できます。
関連する HOWTO は
Linux プラットフォーム用の Web ブラウザは一杯あります。 Netscape Navigator は 当初から選ばれてきたもので、間もなく公開される Mozilla ( http://www.mozilla.org ) には Linux 版があるでしょう。もうひとつのよく使われているテキストベースの Web ブラウザは lynx です。こちらはグラフィック環境が使えない場合に高速で 手ごろです。
FTP とはファイル転送プロトコル( File Transfer Protocol )のことです。 クライアントが FTP サーバに接続してファイルを取り出せます(ダウンロードできます) 。 Linux 用の FTP サーバとクライアントは多数あり、ほとんどの ディストリビューションに普通は入っています。テキストベースのクライアントも GUI ベースのもあります。 Linux 用の FTP 関係のソフトウェア(サーバと クライアント)は http://metalab.unc.edu/pub/Linux/system/network/file-transfer/ (訳注: 国内のサイト) で見つかります。
Usenet ( news としても知られます)は大きな掲示板システム ( bulletin board system )です。あらゆる種類の話題を網羅しており、階層的に 組み立てられています。インターネット上でコンピュータのネットワーク( Usenet ) が記事を交換するのには NNTP プロトコルを使います。 Linux 用の NNTP の実装は いくつかあります。重い負荷のサイト用のも、少数のニュースグループしか受信しない 小さなサイト用のもあります。
DNS サーバは(人が読める)名前を IP アドレスに翻訳するのが仕事です。 DNS サーバ は世界中の IP アドレス全部は知りませんが、知らないアドレスを別のサーバへ 聞けます。 DNS サーバは、求められた IP アドレスか、テーブル中にその名前が 見あたらないというレポートか、どちらかをユーザに返します。
Unix(とインターネットの圧倒的多数)ではネームサービスは named と呼ばれる プログラムで行われます。これは The Internet Software Consortium の bind パッケージの一部です。
DHCP と bootp は、クライアントが(自分の IP 番号などの)ネットワーク情報をサーバ からもらえるプロトコルです。特に大規模ネットワークとかモバイルユーザを 大勢かかえたネットワークでは、ネットワーク管理が簡単になりますので、 多くの組織でこれを使い始めています。
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Network Information Service ( NIS )はネットワーク上の情報を探す単純な サービスで、データベースとプロセスで構成されます。ネットワーク全体で知って おくべき情報をネットワーク上の全マシンに提供するのが NIS の目的です。例えば、 NIS を走らせているネットワークでは管理者がネットワーク中のマシン全部に パスワードエントリを追加しておく必要がなくなります。メインのデータベースに パスワードエントリを置くだけで任意のマシンにログインできます。
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機種が混在したネットワークでユーザの認証を行う方法も各種あります。