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6. インターネット/イントラネット

Linux はイントラネット/インターネットのサーバ用に使える優れたプラットフォーム です。イントラネットという用語は、組織内部での情報の流通と共有を主眼に インターネット技術を使うという意味です。 Linux ができるインターネットと イントラネットのサービスは、以下の節で概説しますが、 Mail 、 News 、 WWW サーバ その他非常に多数あります。

6.1 Mail

Mail サーバ

Sendmail は Unix プラットフォームでのデファクトスタンダードのメールサーバ ( Mail Transport Agent 、MTA と呼ばれます)です。 Sendmail は頑強で、 スケーラブルで、所要のハードウェアを適切に設定すれば数千の ユーザのメールを間断なく扱えます。 sendmail に替わるものとして設計されている smail とか qmail などのメールサーバもあります。

Mail の HOWTO

メールへのリモートアクセス

企業とか ISP では普通は、ユーザは自分のメールを自分のデスクからリモートに アクセスするでしょう。これをするのに POP ( Post Office Protocol )と IMAP ( Internet Message Access Protocol ) サーバを含め、いくつかの選択肢が Linux には あります。 POP プロトコルはサーバからクライアントへメッセージを転送するのに よく使います。 IMAP は、サーバ中のメッセージを操作したり、サーバ中のフォルダを リモートから作成削除したり、共有メールフォルダへの同時アクセスなどができます。

メール関連の HOWTO

メールユーザエージェント( Mail User Agent )

Linux には多数の MUA ( Mail User Agent )があります。グラフィカルと テキストモードの両方です。最も広く使われるのには、 pine や、 elm 、 mutt 、 Netscape があります。

メーリングリストのソフトウェア

メーリングリストを管理する MLM ( Mail List Management )のプログラムは、 Unix で一般に利用されるものと Linux 独特のものが多くあります。

Fetchmail

fetchmail はメール関連の便利なユーティリティです。これは( SLIP とか PPP 接続 などの)オンデマンドの TCP/IP リンクで使うのが目的で、リモートメールを収集したり フォワードするものです。これはフリーで、多機能で、頑強で、文書がたくさん あります。 fetchmail はインターネットで現在利用されるリモートメールの プロトコル全てをサポートします。 IPv6 と IPSEC さえサポートします。

fetchmail はリモートのメールサーバからメールを集め、 SMTP によってフォワード します。ですからフォワードされた後で mutt とか、 elm 、 BSD Mail などの普通の MUA を使って読めますし、システムの MTA が普通のメールに行うフィルタ、 フォワード、エイリアス機能の全てを同じように使えます。

fetchmail を使って、 ISP のひとつのメールボックスからメールを集め、ヘッダの アドレスに基づいて SMTP でフォワードさせるようにすれば、ひとつの DNS ドメイン 全体での POP/IMAP から SMTP へのゲートウェイになります。

送り出すメールを全部 ISP のひとつのメールボックスに集めておいて、そこから インターネットへ送り、入ってくるメールを同じメールボックスから全部取り出して くるように fetchmail を設定できますので、小企業のメールをひとつのメールボックス に集中させられます。

6.2 Web サーバ

ほとんどの Linux のディストリビューションには Apache ( http://www.apache.org (訳注: JAPACHE HTTP Server Project) ) が入っています。 Apache は http://www.netcraft.co.uk/survey/によればインターネットでのナンバーワン のサーバで、インターネットのサイトの半分以上が Apache かその派生を走らせて います。 Apache はモジュラー化された設計、安定性と速度に優れています。 適したハードウェアを適正に設定すれば Apache は最大限の負荷をこなせます。 Yahoo 、 AltaVista 、 GeoCities 、 Hotmail はこのサーバのカスタマイズ版 を使っています。

Apache はオプションで SSL (安全な送受を可能にします)を使えます。 このサポートは次のところで入手できます。

関連する HOWTO は

6.3 Web ブラウザ

Linux プラットフォーム用の Web ブラウザは一杯あります。 Netscape Navigator は 当初から選ばれてきたもので、間もなく公開される Mozilla ( http://www.mozilla.org ) には Linux 版があるでしょう。もうひとつのよく使われているテキストベースの Web ブラウザは lynx です。こちらはグラフィック環境が使えない場合に高速で 手ごろです。

6.4 FTP サーバとクライアント

FTP とはファイル転送プロトコル( File Transfer Protocol )のことです。 クライアントが FTP サーバに接続してファイルを取り出せます(ダウンロードできます) 。 Linux 用の FTP サーバとクライアントは多数あり、ほとんどの ディストリビューションに普通は入っています。テキストベースのクライアントも GUI ベースのもあります。 Linux 用の FTP 関係のソフトウェア(サーバと クライアント)は http://metalab.unc.edu/pub/Linux/system/network/file-transfer/ (訳注: 国内のサイト) で見つかります。

6.5 News サービス

Usenet ( news としても知られます)は大きな掲示板システム ( bulletin board system )です。あらゆる種類の話題を網羅しており、階層的に 組み立てられています。インターネット上でコンピュータのネットワーク( Usenet ) が記事を交換するのには NNTP プロトコルを使います。 Linux 用の NNTP の実装は いくつかあります。重い負荷のサイト用のも、少数のニュースグループしか受信しない 小さなサイト用のもあります。

6.6 ドメインネームシステム( Domain Name System )

DNS サーバは(人が読める)名前を IP アドレスに翻訳するのが仕事です。 DNS サーバ は世界中の IP アドレス全部は知りませんが、知らないアドレスを別のサーバへ 聞けます。 DNS サーバは、求められた IP アドレスか、テーブル中にその名前が 見あたらないというレポートか、どちらかをユーザに返します。

Unix(とインターネットの圧倒的多数)ではネームサービスは named と呼ばれる プログラムで行われます。これは The Internet Software Consortium の bind パッケージの一部です。

6.7 DHCP 、 bootp

DHCP と bootp は、クライアントが(自分の IP 番号などの)ネットワーク情報をサーバ からもらえるプロトコルです。特に大規模ネットワークとかモバイルユーザを 大勢かかえたネットワークでは、ネットワーク管理が簡単になりますので、 多くの組織でこれを使い始めています。

関連するドキュメント

6.8 NIS

Network Information Service ( NIS )はネットワーク上の情報を探す単純な サービスで、データベースとプロセスで構成されます。ネットワーク全体で知って おくべき情報をネットワーク上の全マシンに提供するのが NIS の目的です。例えば、 NIS を走らせているネットワークでは管理者がネットワーク中のマシン全部に パスワードエントリを追加しておく必要がなくなります。メインのデータベースに パスワードエントリを置くだけで任意のマシンにログインできます。

関連する HOWTO

6.9 認証 ( Authentication )

機種が混在したネットワークでユーザの認証を行う方法も各種あります。


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