皆さんの BIOS に、リモート操作のサポートを追加してくれて感謝します。 2、3 改善すれば、これをサポートしている利点が最大になります。 そのほとんどは、Section F.1 に載せてあります。
ユーザーインタフェースは、単純なままにしておいて下さい。 派手なカーソルで指し示すような端末を、サポートする必要はありません。 見栄えの良い機能を付けても、 使える端末エミュレータクライアントの数を、制限するだけです。 驚くほど多数の端末エミュレータが、 非常にバグが多い DEC VT100 を実装しています。
低速をサポートする他に、 データ転送量が少ない場合の、ユーザーインタフェースも試験して下さい。
あまりやり過ぎないで下さい。 Linux では、 ブートローダーとオペレーティングシステムの両方が、 シリアルコンソールを明示的にサポートしています。 ですから BIOS に必要なのは、 BIOS 自身のシリアルインタフェースをサポートすることだけです。 Linux は、汎用のシリアルリダイレクション機能を、サポートする必要はありません。 どうしても他のオペレーティングシステム用に、そういった機能を用意する場合は、 ぜひシステムブート後に、その機能を無効にできるようにして下さい。
ラインノイズのせいで、コンピュータがブートできなくなるようにはしないで下さい。 BIOS の設定画面に入るのに、必要なキー入力が一つしかない、 ということは止めて下さい。 dell や hp あるいは ibm のようにフレーズを使って、 ユーザーや営業部門の人たちをハッピーにして下さい。 lifetime のアイデアは、 Section F.1からコピーして下さい。
首尾一貫したプロンプトを表示して下さい。 500 台の PC を、スーパーコンピュータアレイにして使っているユーザーを想像してみてください。 自分でも BIOS のパラメータを変えたいしょう。 Expect が、そのパラメータを設定しやすいようにして下さい。
Linux のユーティリティが動作することを保証して下さい。 Linux の nvram デバイスドライバが、 CMOS の内容をすべて返すかどうか確認して下さい。 そうすれば、大量のマシンで簡単に、同じ内容の CMOS 設定ができます。 Figure F-2 と Figure F-3 にあるコマンドが、 あるマシンから別のマシンへ、 BIOS の設定をコピーするように動作するはずです。 ここでいうマシンの型、モデル、および BIOS のバージョンは同一です。
Figure F-1. /dev/nvram を設定して、CMOS の設定にアクセスする
bash# /dev/MAKEDEV nvram bash# vi /etc/modules.conf |
alias char-major-10-144 nvram |
bash# depmod -a |
Figure F-2. CMOS の設定を得る
bash# cat /dev/nvram > /etc/nvram.bin |
Figure F-3. CMOS の内容を設定する
bash# cat /etc/nvram.bin > /dev/nvram |
Linux から動かせる、フラッシュ BIOS のアップグレードプログラムを用意して下さい。 そしてそのソースコードが利用できるようにして下さい。 あるいは、仕様を公開して下さってもかまいません。 そうすれば、そういうプログラムは書けます。
フラッシュ BIOS のアップデートプログラムは、 その多くがマイクロソフトの MS-DOS のブートディスクから起動します。 そのアップデートプログラムが、 同じような FreeDOS でも動作するかどうか、ぜひ調べて下さい。 Linux コンピュータの多くは、マイクロソフトのオペレーティングシステム ソフトウェアのライセンスを持っていません。 ですから、法律上は、 MS-DOS のブート ディスク作成が不可能です。
BIOS が備えているシリアルサービスについて、 ドキュメントで明らかにして下さい。 ‘シリアルリダイレクション’ 機能を持っている BIOS の中には、 BIOS を普通のテキスト端末にリダイレクトできず、 その代わりに専用のプロトコルを使うようになっているものがあります。 でもこれでは、 Linux のシリアルコンソールユーザーには、ほとんど役に立ちません。