11.1. 用語

RS-232 はもともと、端末をモデムにつなぐためのものでした。 この端末は正式にはデータ端末装置という名前で、略して DTE といいます。 モデムは正式にはデータ通信装置という名前で、 略して DCE といいます。

標準の RS-232 ケーブルには、 DTE に接続する 25 ピン D タイプのソケットと、 DCE に接続する 25 ピン D タイプのプラグがあります。 そして、プラグの 1 番ピンはソケットの 1 番ピンと結線しており、 プラグの 2 番ピンはソケットの 2 番ピンと結線されている、 などのように、25 本のピンは全結線になっています。 ケーブルのシールドは、ソケット上の金属のカバーに取り付けられています。

RS-232 の信号伝送は、 他の多くの通信規格を使った信号伝送よりもずっと頑丈です。 ピンの中にはショートしてもかまわないピンもあるし、 つながなくてもいいピンもあります。 あるいは複数の出力を駆動できるピンもあります。

信号の名前はデータ端末装置側から見た場合の名前になっています。ですから、 DTE 上の "Transmit Data" は DCE 上の "Transmit Data" につながっています。 DTE 上の "Transmit Data" ピンは、 実際にデータを伝送します。ところが DCE 上の "Transmit Data" ピンは、 実際はデータを受け取るんです。