1.1. はじめに

このドライバは、Linux 上で MicroTek ScanMaker SCSI スキャナを使用できるよう にします。 画像をスキャンし、標準出力(または指定したファイル)に PBM / PGM / PPM フォー マットで出力するためのシンプルなコマンドラインのプログラムです。 WINDOWS の TWAIN ドライバや、 Macintosh のスキャニング・プラグインのような flashy なグラフィカルインタフェース(私はこれで仕事していますが)はありません が、ちゃんと動作します。

出力に変換するために pbm パッケージを使用できます。 例えば、GIF の画像ファイルを作成するには、次のようにします。

  mtekscan -f 0 0 2 2 -r 72 -c | ppmquant 256 | ppmtogif > scan.gif

あるいは、スキャンした画像を xv で直接表示するには下記のようにします。

  mtekscan -f 1 0 4.6 2.4 -r 150 -g | xv -

コマンドラインのオプションやスイッチの説明は、 man page をご覧下さい。 あるいは、

  mtekscan -h

でも良いです。

これはベータ版のプログラムです

このプログラムの保証は全くありません。あなたのコンピュータやスキャナが爆発し ても、あるいはあなたのシステムがクラッシュしても私は責任を持ちません。 開発中には、何回か私のシステムがクラッシュしましたが、現在のところ "私のシス テムでは" 安定して動いています。

あなたが私と異なる設定、例えば異なる SCSI ホストアダプタ、異なるカーネル/ ローレベルの SCSI ドライバ、あるいは異なるスキャナの場合、何が起こるか予言 することはできません。

SCSI ハードウェアと通信するために使われるカーネル内の汎用 SCSIドライバは、 誤操作への対策はされていません。

誤りのあるプログラムは、カーネルのパニック [1] や silent lockup [2] を引き起 こす可能性があります。このプログラムはあなた自身の責任で御使用ください。 データを失うことのリスクを減らすために、ハードディスクのバックアップをとる とか、少なくともプログラムをテストする前にハードディスクのキャッシュが ディスクにフラッシュ(書き込み)されるように 'sync' を実行するというのは良い 考えです。

このプログラムは、Linux 1.2.13 と 2.0.26 が走る Pentium 100 マシンにスキャナ 附属の Adaptec AVA-1502E SCSI アダプタを使って ScanMaker E6 を接続して開発 しました。

SCSI-HOWTO では言及していませんが AVA-1502E は、AHA152x ローレベルカーネル ドライバで動作します。

(これが100%互換性があるかどうか確信はありませんが、私の経験ではもしそう でないとしても、少し変わったふるまいをする程度に過ぎないだろうと思います) 私のスキャナは SCSI チェーンの中で唯一のデバイスとして接続され、しかも他に SCSI アダプタはインストールされていません。

従って、SCSI バスの lockup やカーネルパニック、あるいはその類の問題が出た 場合、可能ならばスキャナだけを唯一のデバイスとして接続してから、このドライ バを試してみて下さい。

Notes

[1]

【訳注1】カーネルパニックについては、JF の SCSI-HOWTO を panic で検索し 「3.2 panic()の位置を特定する」 とか、 「5.2.4.「kernel panic : cannot mount root device」というメッセージ が出る」 をご覧下さい

[2]

【訳注2】ロックアップについては、JF の SCSI-HOWTO「2.8 SCSI システムがロックアップする」 をご覧下さい。