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4. 設定とテスト

4.1 基本設定

/usr/lib/festival/lib/voices.scm に1行追加します:

[ 訳注: RedHat 6.1 用の RPM では /usr/lib/festival/ を /usr/share/festival/ と読み替える ]

        (defvar default-voice-priority-list
          '(rab_mbrola                     ; <= この行を追加
            rab_diphone                    ; (もちろん
            ked_diphone                    ;  セミコロンはいりません)

さてできました。これで Festival は最初に MBROLA を使おうとします。

このように festival を走らせると、設定をテストできます:

        bash$ festival
        festival> (SayText "Type any text here.  Sounds cool?")
        festival> (quit)

いろいろなファイル形式、たとえば HTML をもっと「読みやす く」するために、ファイルを前処理するように Festival を設定できます。 どのように設定するかは /usr/doc/festdoc-1.2.0/festival/festival.info にある festival のドキュ メントを見てください。 "Text modes" のセクションに書いてあります。

自分では、代わりにテキストを前処理する、古き良き sed スクリプトを書く ことしました。

ファイルを指定して festival をテキスト読み上げモードで走らせることができ ます:

        festival --tts <filename>

またはストリームを処理することもできます:

        lynx -dump <URL> | tee /tmp/x | festival --tts & sleep 1; less /tmp/x

もしこれで満足できて、役にたっているなら、ここでやめてかまいません。 が、ちょっと工夫した使い方があるので興味があれば先へどうぞ :)

4.2 音声スタイルのサポート

このセクションでは、ピッチや話す速さの調節をどうやって決め、 選択するか述べます。

音声「スタイル」を扱うのに必要な構文生成を定義するために、 付録 A.1 のテキストを /usr/lib/festival/lib/siteinit.scm という名前の 新規ファイルに保存してください。システム全般のスタイルを定義するために、 付録 A.2 を /etc/festival.conf に保存してください。

次に、以下の1行を /usr/lib/festival/lib/init.scm の終わりの方に挿 入します:

        ;;; Default voice (have to do something cute
        ;;; so autoloads still work)
        (eval (list voice_default))
        (Style style_default)           ; <= この行を追加
        (provide 'init)

このように $HOME/.festivalrc に追加すると、デフォルト以外にユーザー 定義の「スタイル」も指定できます:

        ;; ユーザー定義スタイル
        (NewStyle 'my_slow      100 24 1.0) ; ゆっくりしたバリトンの声
        (NewStyle 'my_fast      140 50 0.8) ; 速いテナーの声

        (set! style_default 'my_slow)       ; デフォルトのスタイル

最初の数字はピッチ(Hz)を意味します。 2番目の数字はピッチの標準偏差(それとも分散?)で、 3番目の数字はスケール要素で、小さい数字ほど速くなります。

4.3 スクリプトの中で音声の質を変える

festival をスクリプトからバッチモードで使っている場合、現在の「スタイル」 をスクリプトの中でこんなふうに変えることができます:

        (Style 'male_faster)

たとえば付録 A.3 のスクリプトを見てください。 このスクリプトは festival のテキスト読み上げのコマンドライン・インター フェイスに、スタイルを選択するサポートを追加します。 もしこれを変更してほかの機能を追加したら、ぜひ私に教えてください!

4.4 音声出力装置の選択

人によっては、MP3 をサウンド・ハードウェアで聴きながら同時に festival が 使えるように NCD のネットワーク音響システム(NAS)を使うことを選ぶでしょ う。

そのためには、以下の行を /etc/festival.conf に挿入してください:

        ;;; ===================
        ;;; Audio Output Method
        ;;; ===================
        
        (Parameter.set 'Audio_Method 'Audio_Command)
        (Parameter.set 'Audio_Required_Rate 16000)
        (Parameter.set 'Audio_Required_Format 'snd)
        (Parameter.set 'Audio_Command "/usr/X11R6/bin/auplay -volume 100 $FILE")

4.5 ガーベージ コレクション メッセージの音を消す

対話的な設定を使い、ウェッブ・ページを lynx に読み上げさせて いるような場合(lynx.cfg の中で指定できます)は、ガーベージ コレクショ ン メッセージの音を消すと便利です。

ガーベージ コレクション メッセージの音を消すには、/etc/festival.conf か $USER/.festivalrc のどちらかに以下の行を追加します:

        (gc-status nil)

4.6 質問と貢献

もし festival を動かすときに問題がおきたり、この mini-HOWTO に何か貢 献できることがあれば、この文書の著者に接触してもかまいません:

 Rhandeev Singh                   http://www.comp.nus.edu.sg/~rhandeev
 Linux User Group                 http://linux.comp.nus.edu.sg
 National University of Singapore


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