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8. UDMA 汎用

UDMA 汎用のパッチは、Mark Lord が作成した Triton DMA ドライバを Andre Balsa ( andrebalsa@altern.org) が改造したもので、 このパッチにより、以下のチップセットで UDMA の機能を使えるように なります。

また、このパッチは他のチップセットをサポートするための拡張が容易なように 設計されています。 この UDMA 汎用パッチは 2.0.29 から 2.0.33 までのカーネルでうまく動作する ことが確認されていますが、2.0.32 より前のカーネルでは多少設定が必要となる かもしれません。

(また、Grand Unified (大統一) UDMA Patch と呼ばれている、 より多くのチップセットをサポートするパッチのベータテストが 現在行われています。 このパッチが入手できるようになるのは、おそらく 近々リリースされる 2.0.35 カーネルのリリース後になるかと思います。)

現在のカーネル用の UDMA 汎用パッチは http://pobox.com/~brion/linux/udma-generic-latest.tar.gz, からダウンロードすることができます。 使用法については、同梱されている INSTALL と UDMA.txt をお読みください。

以下は作者からの注意点です。

IBM 製の UDMA ドライブと良質のマザーボードの組合せでのデータ転送速度を
測定 (hdparm -t -T として行いました) したところ、最大で約 10MB/s でした。

Intel TX チップセットは、ハードディスクのデータ用の FIFO を 1 つしか持って
おらず、それを 2 つの IDE コントローラで共有するようになっています。そのた
め、2 台の UDMA ドライブを使用した場合には、1 台のドライブのみを使用したと
きのようなパフォーマンスの大幅な向上は望めないでしょう。
それに対し、SiS5598 は完全に独立した 2 つのコントローラを持っており、それ
ぞれ専用の FIFO を備えています。そのため SiS5598 チップを使用したマザーボ
ードでは、md ドライバ (*) と 2 台のドライブを使ってストライピングをするこ
とで、理論的には 66MB/s のバースト転送に挑戦することもできるのです。
SiS5571 は同じアーキテクチャのコントローラだと思います。VIA チップセットに
ついては、私はデータシートを持っていないので何とも申し上げられません。

(訳注: md については、JF の ROOT RAID HOWTO 等を参照してください)

Mark Lord の作成した Linux IDE (U)DMA カーネルドライバは、特にセットアップ
タイム (たとえばデータ転送のレイテンシ) の値が小さくなっています。
これは (Linux ニュースサーバのような) 小さなデータ転送が頻繁に起こるような
環境では効果的です。
場合によっては性能面で SCSI をも上回ることもあるでしょう。


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