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1. イントロダクション

1.1 なぜ Linux なのか?

あなたは UNIX が難しいと聞いて、VMS からの移行をちゅうちょしていませんか? 御心配なく。洗練された UNIX クローンの一つである Linux は VMS を扱うほど難 しくないし、実際、楽しいものですよ。 熱狂的な VMS ファンは同意しないかもしれないけど、大方の意見は、 Linux のほうがはるかに強力で万能だということです。

Linux と VMS は両者ともすばらしいオペレーティングシステムで、どちらを使っ ても同じ仕事ができますが、Linux には VMS を代替するにたる際だった特徴があります。 その上、VMS ではまだ実現していませんが、Linux は VAX を凌ぐ性能をもつ最 新の Pentium PC で動いています。 新鋭の高性能グラフィックカードを搭載した Linux 機で X11 を利用すれば、高 速グラフィックワークステーションができあがる、というおまけもあります。性 能はほぼ例外なくグラフィックス専用機を凌ぎますから。

あなたは大学の研究者か学生で、VMS を使って次のような仕事をしているんじゃないでしょうか。

次章から、あなたの VMS での経験も踏まえて、こういった仕事を Linux で はどんな風にやるのか説明していきます。

前提条件:

この HOWTO 文書は、Linux について十分説明したものじゃなくて、 最初に知っておくべき最低限の事柄について述べたものです。 従って、Linux を使いこなすためには、さらに学ばなけばなりません (高度な bash の特徴、プログラミング、正規表現 など...)。これ以降、 「詳細については man ページを参照のこと」という意味で、RMP(please Read the Man Pages for further details) というマークを使います。

この ftp サイ トから入手可能な Linux Documentation Project の文書が重要な情報源となるでしょう。 初心者向けとして、Larry Greenfield の「 Linux User Guide 」をお薦めします。

さあ、はじめましょう

1.2 コマンドやファイル操作の比較

これは、VMS と Linux でよく使うコマンドの比較表です。 文法がかなり異なっています。 − 詳細は次章以降を御覧ください。

VMS                             Linux                   Notes
------------------------------------------------------------------------------

@COMMAND                        command                 実行ファイルであること
COPY file1 file2                cp file1 file2
CREATE/DIR [.dirname]           mkdir dirname           一度に一回実行
CREATE/DIR [.dir1.dir2]         mkdirhier dir/name
DELETE filename                 rm filename
DIFF file1 file2                diff -c file1 file2
DIRECTORY                       ls
DIRECTORY [...]file             find . -name file
DIRECTORY/FULL                  ls -al
EDIT filename                   vi filename,            多分気に入らないでしょう
                                emacs filename,         EDT 互換
                                jed filename            同上--  私のお気に入り
FORTRAN prog.for                g77 prog.f,             LINK の実行は不要
                                f77 prog.f,
                                fort77 prog.f
HELP command                    man command             「 command 」を指定します
                                info command            同上
LATEX file.tex                  latex file.tex
LOGIN.COM                       .bash_profile,          「隠し」ファイル
                                .bashrc                 同上
LOGOUT.COM                      .bash_logout            同上
MAIL                            mail,                   お粗末
                                elm,                    ずっといい
                                pine                    さらにいい
PRINT file.ps                   lpr file.ps
PRINT/QUEUE=laser file.ps       lpr -Plaser file.ps
PHONE user                      talk user
RENAME file1 file2              mv file1 file2          複数ファイル指定は不可
RUN progname                    progname
SEARCH file "pattern"           grep pattern file
SET DEFAULT [-]                 cd ..
SET DEFAULT [.dir.name]         cd dir/name
SET HOST hostname               telnet hostname,        正確には同じじゃない
                                rlogin hostname
SET FILE/OWNER_UIC=joe          chown joe file          まったく違う
SET NOBROADCAST                 mesg
SET PASSWORD                    passwd
SET PROT=(perm) file            chmod perm file         まったく違う
SET TERMINAL                    export TERM=            文法が違う
SHOW DEFAULT                    pwd
SHOW DEVICE                     du, df
SHOW ENTRY                      lpq
SHOW PROCESS                    ps -ax
SHOW QUEUE                      lpq
SHOW SYSTEM                     top
SHOW TIME                       date
SHOW USERS                      w
STOP                            kill
STOP/QUEUE                      kill,                   プロセス用
                                lprm                    プリンターキュー用
SUBMIT command                  command &
SUBMIT/AFTER=time command       at time command
TEX file.tex                    tex file.tex
TYPE/PAGE file                  more file
                                less file               ずっといい

もちろんコマンド名が違ってるだけじゃありません。続けましょう。


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