2. 基本概念

2.1. 何を書いているか

この文書は、'thin-client' コンピュータを提供するために、Linux を利用し、X 端末と X サーバを管理するために XDM (the X display manager) を利用する際の、基本概念を述べています。

X (もしくは 'X ウィンドウシステム') は、ウィンドウ機能で、Unix シス テムのために選択されたグラフィック環境です。その独特な長所 (および、 この文書が、関与するキービット) は、実行するアプリケーション (ウェブ ブラウザ、ワードプロセッサなど) が、実際のグラフィックスクリーンと入 力装置 (マウス、キーボードなど) から、ネットワーク通信の仕組みを経て、 分離していることです。

その本質は、あるマシン上でアプリケーションを実行し、その入力と出力を ネットワークを経て、別のマシンにリダイレクトできることです。これは、 X 端末を可能とさせる重要な特色です。

この文書は、Linux のネットワークもしくは X、のインストールもしくは設 定は扱いません。それらの詳細は、Linux Documentation Project にある適 切な HOWTO 文書を参照してください (Section 7 を参照 のこと)。

この文書は、'XDM を起動させるために' という文書として扱えるはずです。 それは、XDM と X 端末を利用するための基本的な用語と概念を述べ、最小 限の安全性を提供する簡単な例を示しているからです。

文書内の基本的な機能を理解していないなら、文書の最後で紹介したリソー スのリストを参考にしてください - この文書の例は、最低限の安全モード での操作を利用したので、特に '認証' とセキュリティの設定を調査すべき です。

注意 - この文書内の情報は、Debian 2.1, SuSE 6.4, Mandrake 7.0 および、 RedHat 6.0 を実行しているシステムから入手しました。

この文書は、X 端末のための Linux のインストールと設定の方法の記述を しません。この情報に関しては、'thin-client' HOWTO 文書を参照してくだ さい。Linux Documentation Project か、Linux Terminal Server Project から入手できます (Section 7 を参照のこと)。

2.2. この文書について

私のメインの Linux box の X 端末として、486 PC 上で Linux を動かす実 験をしたかったことから、この文書ができました。

XDM と X 端末に関する man ページや仕様書、その当時の HOWTO 文書を読 んだら、かえって、どこで XDM が動くべきなのか、XDM サーバと、X サー バや類似 X サーバの違いは何なのかが分からなくなってしまい、一二晩の 実験の末、この文書が生まれました。

いったん、基本的な技術用語を整理すると、XDM の文書とサンプルファイル 自身が含んでいるコメントなどの情報や仕様が良く分かるようになりました - 私が作業を始めた時は、その基本概念の簡単な手引きを見つけられません でした。この文書が、私と似た状況にある方々への適した手引きになること を願います。

16 MB RAM 搭載の 486dx2/66 が、立派な X 端末になるなんて、あー、なん て不思議なことでしょう。