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8. 要求されるメモリ量

カラーディスプレイやグレースケールディスプレイで実現できる解像度は 使用可能なフレームバッファメモリの量に制限されます。この制限は、2 色 (白黒)でグレースケールでないディスプレイの場合は多分関係ありません。

256 色のディスプレイの場合は、ビデオメモリのバイト数は表示されるドット の数だけ必要です。このバイト数は赤緑青から成る集合の点を 1 点とした数 です。必要なメモリ量を得るには、線 1 本当たりに表示される点の数に表示 される線の数を掛けてください。1024x768 の解像度を持つディスプレイの場 合は、ディスプレイに表示する点の数は 1024 x 768 = 786,432 になります。 また、 1 ドットが 1 バイトになるので、アダプタカードに同じバイト数のビ デオメモリが必要です。

したがって、メモリ量は、一般に (HR * VR)/1024 をキロバイト単位に切り上 げた量が必要です(この例ではちょうど 768K になるでしょう)。例を挙げれば、 (936 * 702)/1024 = 642K バイトとなります。したがって、1M バイトのメモ リがあれば、余った分を仮想スクリーンのスクロールに割り当てられます。

ところが、ビデオカードに 512K しかメモリがなければこの解像度は使えませ ん。良いモニタを持っていたとしても、十分なビデオメモリがなければモニタ の性能を活かすことはできません。その逆に、SVGA カードが 1M バイトのメ モリを持っていたとしても、モニタが最高で 800x600 しか表示できないなら ば、これ以上の高解像度はどうやっても無理というものです(可能な対策につ いては インタレースモードを使用するを見てくだ さい)。

必要量よりもメモリがたくさんあっても心配ありません。XFree86 は余った メモリを利用して表示領域をスクロールできるようにします (仮想スクリーン の大きさのパラメータに関する Xconfig ファイルの文書を参照してください)。 また、512K バイトのメモリを搭載したカードには 512,000 バイトではなく、 実は 512 x 1024 =524,288 バイトのメモリが搭載されていることを覚えてお いてください。

S3 カードで X/Inside が動作していて、かつ 16 色(1 ピクセル当たり 4 ビット) の場合、Xconfig ファイルで 深度 4 と設定すれば、カードが扱える解像度を 倍にできます。例えば、S3 カードは通常 1024x768x256(1024x768 の解像度で 256 色)ですが、深度 4 にすれば 1280x1024x16(1280x1024 の解像度で 16 色) が使えるようになります。 [訳注: 深度(depth)とは色数やグレースケールを表現するビット数です。]


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