JF より:この文書は、1996年10月以来、更新されていません。 現在とは事情が異なる場合があるので、ご注意ください。
Iomega の Jaz ドライブは、容量 1021 MB のリムーバブルディスクドライブです。 現在のところ SCSI の内蔵・外づけの物が利用できます。Iomega では IDE の内蔵 型を製品化する予定です。
この文書には、Linux で Jaz ドライブを使う方法が記されています。このドライブ はSCSI なので、Drew Eckhadt の SCSI HOWTO を読むことも重要です。
情報を提供して下さった
各氏の寄与に感謝いたします。
コメント、提言、修正すべき点がありましたら、Bob Willmot、bwillmot@cnct.com にお送り下さい。
[訳注:日本語版への感想や、おかしな点がありましたら、(もちろん) 鴨澤眞夫 JCD00743@niftyserve.or.jp にメールを下さい。おねがい。]
Jaz のディスク(カートリッジ)は 3.5 インチのフロッピーを3枚重ねたような感 じです。これに 1GB のデータが入ります。
ドライブにはイジェクト機構が付いており、イジェクトボタンでもソフトウエアで もイジェクトできます( 5. の jaztools Linux というソフトについての情報を参照のこと)
Iomega は Jaz Jet という名前で SCSI ホストアダプタを売っています。
現在このボードには、 SCSI チップセットの異なる2つのバージョンが存在するこ とが判っています。
片方は Adaptec の 7800 ファミリーのアダプタが元なので、2930/2940 と互換性が あります。Linux 2.0 では aic7xxx ドライバが使えます。(このドライバはカーネ ル 1.3.? で取り込まれた物です。)
もう片方は Advanced Systems のチップセットを使っており、
Jaz Jet PCI SCSI adapter Copyright Advanced Systems 1996
の様にメッセージを出します。カーネルのコンパイル時、"AdvanSys SCSI support"
に 'y' と答えてください
Linux で Jaz ドライブを使うには、お持ちの SCSI アダプタに合わせてカーネルを 設定する必要があります。
カーネルの構築に関する情報は、/usr/src/linux/README
にあります。
2.x のカーネルをお使いなら、/usr/src/linux/Documentation/
にあります。
Brian Ward の Kernel-HOWTO も見て下さい。
ブート時に、アダプタおよびドライブに入っているディスクに関するメッセージが 出るはずです。
ブートメッセージは SCSI アダプタによって異なります。また、メッセージは
/var/log/messages
(または /var/adm/messages
)という
ファイルに保存され、dmesg
コマンドでコマンドプロンプトから「再
生」できます。
[訳注:いまさらですが、Linux の仮想コンソールは
Shift + PageUp or PageDown
でスクロールできますので、
dmesg
を使わなくてもブート後に見ることが出来ます]
これは Adaptec 2940 コントローラが 1 枚付けてあるマシンで、カーネル 2.0.10 が出したメッセージです。
aic7xxx: BurstLen = 8 DWDs, Latency Timer = 64 PCLKS
aic7xxx: AHA-2940 Ultra Rev B.
aic7xxx: devconfig = 0x580.
aic7xxx: Reading SEEPROM...done.
aic7xxx: Extended translation enabled.
aic7xxx: Using 16 SCB's after checking for SCB memory.
AHA-2940 Ultra (PCI-bus):
irq 11
bus release time 40 bclks
data fifo threshold 100%
SCSI CHANNEL A:
scsi id 7
scsi selection timeout 256 ms
scsi bus reset at power-on enabled
scsi bus parity enabled
scsi bus termination (low byte) enabled
aic7xxx: Downloading sequencer code...done.
aic7xxx: Resetting the SCSI bus...done.
scsi0 : Adaptec AHA274x/284x/294x (EISA/VLB/PCI-Fast SCSI) 3.2/3.1/3.0
scsi : 1 host.
aic7xxx: Scanning channel A for devices.
aic7xxx: Target 4, channel A, now synchronous at 10.0MHz, offset(0xf).
Vendor: iomega Model: jaz 1GB Rev: G.60
Type: Direct-Access ANSI SCSI revision: 02
Detected scsi removable disk sda at scsi0, channel 0, id 4, lun 0
scsi : detected 1 SCSI disk total.
SCSI device sda: hdwr sector= 512 bytes. Sectors= 2091050 [1021 MB] [1.0 GB]
sda: Write Protect is off
上のログ中、生の SCSI デバイス名 (sda
、sdb
など)に
注意して下さい。後でディスクにアクセスするとき必要です。
この行が無い場合、ハードウエアかカーネルの設定が何か間違っています。
scsi0:
という行が無い場合、ホストアダプタとドライバの設定ができて
ません。何が悪いのか、ヒントを出してくれるドライバもあります。
ドライブが検出されない場合、ケーブルが悪いのかもしれません
[訳注:ドライブ本体が悪い可能性もあるし、
電源が入っていない可能性さえも]。
ドライブ名が割り当てられない場合、カーネルの構築時に SCSI ディスクサポートを
入れ忘れたかも。
あとは drivers/scsi
にある README ファイル群と SCSI HOWTO
をチェックして下さい。
Jaz のドライブ名が判ったら準備完了です。fdisk
、mke2fs
、
mount
といった、Linux の標準的なディスク取り扱いコマンドが使えます。
各コマンドのマニュアルを参照して下さい。
出荷時に Iomega がフォーマットしたディスクには、単一のパーティションが 切ってあります。(どういうわけか、第 4 パーティションです)
このようなディスクは以下のコマンドでマウントできます。ここでは Jaz ディス
クを sda
と仮定しています。
mkdir /jaz
mount -t msdos /dev/sda4 /jaz
また、2.0 のカーネルを Win95 の VFAT をサポートするようにコンパイルした物を お使いなら、
mkdir /jaz
mount -t vfat /dev/sda4 /jaz
とします。
これでロングファイルネームの読み書きができます。)
ディスクに入っているファイルが /jaz
の中にあらわれます。ディスクがマウント
されているあいだ、イジェクトはできません。
ディスクのアンマウントには
umount /dev/sda4
とします。
マウントポイント /jaz
は、一度作ればよいものです。
(ドライブを umount
するときは、自分が /jaz
の中に居な
いのも確認してください。)
Jaz ディスクの中身を消去して、Linux 固有のファイルシステムを作りたい場合、
ディスク全体に fdisk
をかけます:
fdisk /dev/sda
既存のパーティションを d
コマンドで削除し、n
コマンド
で新しいパーティション を作ります。基本 (primary) パーティションの1番
を使って下さい。次に w
コマンドでパーティションテーブルを
ディスクに書き込み、q
で抜けて下さい。
パーティションのフォーマット
mke2fs /dev/sda1
これでマウントできるようになりました(1
は fdisk
で
与えたパーティションの番号です)。
mount -t ext2 /dev/sda1 /jaz
(前に作ったマウントポイントを使っています。)
Jaz ドライブ付属のディスクは出荷時にソフトウエアによるライトプロテクトを掛 けてあります。ですからこのディスクを使うには、もう一働きしてください。普通 は Linux で使ってみる前に DOS でアンロックするようです。Linux はロックされ たディスクにアクセスできませんから、Iomega のツールでロックを外しておかねば なりません。
Iomega の特殊機能(ソフトウエアからのイジェクト、ライトプロテクトなど)をサ ポートする Linux のプログラムが
にあります。
jaztools
は間もなく GUI を使った新バージョンが出ます。
新バージョンはドライブのスキャンと、ディスクのオートマウント・
オートアンマウントをサポートしています。
カーネル 1.2 や初期の 1.3 を使っている人々から、Jaz ディスクが回転停止する とシステムがロックされる、あるいは SCSI エラーメッセージが出るという報告が ありました。
私は 2.0.x を使っていますが、今まで問題が起きたことはありません。回転停止も 経験していません。何か問題があるなら、 http://sunsite.unc.edu/pub/Linux/kernel/v2.0/ から最新版の 2.0.x を取って きて、試してみて下さい。
[訳注:日本では ftp.tut.ac.jp:/Linux/Kernel/v2.0 あたりでしょうか。非常に 大きなファイル(パッチを含めると 6MB以上)なので、archie などしてネット ワーク的に近い所から取ってきましょう。]
SCSI ホストアダプタによります。ホストアダプタにターゲット 5 か 6 からブート できる BIOS ROM が載っていれば、Jaz ドライブからブートできます。
わっかりっません。手がかりあります?
/etc/fstab
ファイルに一行加えるだけです。例えばあなたがいつも
DOS のディスクを入れてブートするなら、fstab
に
/dev/sda4 /jaz msdos defaults 0 0
を加えます。配布パッケージによっては、初期化スクリプトが fstab
に入れてあるパーティションを fsck
しようとするかもしれません。
この場合、ブート時におかしなディスクが入っていたり、ディスクが入って
いなかったりすると、問題が起きるかもしれません。ご注意を。
カーネルはパーティションテーブルを読もうとしますが、(結局は)タイムアウト になります。
ディスクを交換するたびに fsck
してパーティション構成をチェックするのも
良いでしょう。
SCSI ホストアダプタの BIOS には、ブート時にディスクのパーティションテーブル を読もうとする物があります。このチェックを外せない場合、いつもディスクを入 れたままブートせざるを得ないでしょう。
この mini-HOWTO の最新版は:
Iomega の web ページは
にあります。