JF より:この文書は、1996年11月30日以来、更新されていません。 現在では事情が異なる場合があるので、ご注意ください。
IRC(Internet Relay Chat) とは、Internet 上で世界中の人々と文字を使って おしゃべりできるシステムです。IRC には世界中から何千人もの人が参加して いますが、趣味などによって数人から数十人ずつ位の「チャンネル」に分かれ てチャットを楽しんでいます。IRC を中継しているサーバーは世界中にいくつ もありますが、それらが相互に繋がっているため、ふつ〜の「チャンネル」は どこから入っても共通です。
心配しなくても始めれば分かってきます。他の人に聞けば良いわけですから。:)
まず Internet に IP 接続されているコンピュータを準備してください。:)
日本語が簡単に扱えるので UNIX 系の OS なら Mule から irchat.el を使う のが便利でしょう。(筆者の独断と偏見)
というわけで、この文書では Linux/Mule/irchat.el を使って日本語で話が できるところまでを扱うことにします。IRC を始めてからで十分だと思われる 内容については、あえて説明を割愛している点もありますが、ご了承ください。
irchat パッケージの最新版は ftp://ftp.kyoto.wide.ad.jp/IRC/irchat/ に 置いてあります。
ちなみに、この文書を書いている時点での最新版は irchat-2.4jp23a.tar.gz でした。できるだけ新しいのを入手してください。
irchat-2.4jp23a.tar.gz を取ってきたら、
$ mkdir irchat-2.4jp23a
$ cd irchat-2.4jp23a
$ tar xvfz ../irchat-2.4jp23a.tar.gz
として展開し、Makefile の「EMACS = emacs」の行を「EMACS = mule」になお しておきます。書き換えたら、
$ make
して root で
# install -c -s dcc /usr/local/bin/
# mkdir /usr/local/lib/mule/site-lisp/irchat
# cp *.elc irchat-dcc.el /usr/local/lib/mule/site-lisp/irchat
のようにインストールします。
以下の「書き換えが必要な部分」をなおして、ホームディレクトリの .emacs に 書き加えてください。
;;; IRC
(setq load-path (cons "/usr/local/lib/mule/site-lisp/irchat" load-path))
(autoload 'irchat "irchat" "GNUemacs IRC client." t)
;;; 書き換えが必要な部分
; IRC サーバの指定(次節の「サーバの選び方」を読んで近い所を指定してください)
;(setq irchat-server "irc.tohoku.ac.jp")
;(setq irchat-server "irc.kyutech.ac.jp")
;(setq irchat-server "irc.tokyo.wide.ad.jp")
;(setq irchat-server "irc.kyoto.wide.ad.jp")
;(setq irchat-server "irc.huie.hokudai.ac.jp")
;(setq irchat-server "irc.cc.yamaguchi-u.ac.jp")
;(setq irchat-server "irc.race.u-tokyo.ac.jp")
;(setq irchat-server "irc.karrn.ad.jp")
;(setq irchat-server "irc.kyoto.wide.ad.jp")
(setq irchat-name "自分の名前") ;(例:"KATAYAMA Toshiaki")
(setq irchat-nickname "自分のニックネーム") ;(例:"shackon")
; デフォルトで参加するチャンネルのリスト
; (ここに書いたチャンネルには irchat の起動と同時に参加できます)
(setq irchat-startup-channel-list '("#linuxjp" "#チャンネル名"))
;;; おぷしょん
(setq irchat-global-names nil)
(setq irchat-reconnect-automagic t)
(setq irchat-channel-buffer-mode t)
(setq irchat-display-channel-always t)
(setq irchat-default-freeze-local nil)
(setq irchat-beep-on-bells t)
ここでいう近いとはネットワーク的に近いところという意味なので、目安として
$ ping irc.tohoku.ac.jp
などとして、とりあえず time の数字が一番小さいところを選びましょう。 あとは実際に IRC で話しながら聞いてみるといいです。
準備ができたら話しましょう。Mule を起動して M-x irchat とすればOKです。
基本的な操作は、
C-c j で 『#好きなチャンネル』を指定して参加(例:#linuxjp)
C-c C-p で今しゃべっているチャンネルを抜ける
C-c q で irchat を終る
です。
同時に複数のチャンネルに参加するには、今しゃべっているチャンネルを抜け ずに「C-c j #別のチャンネル」とします。この場合チャンネル間の移動には、
C-c C-a で今のチャンネルと直前のチャンネルをトグルで行き来する
C-c > で(または C-c C-j で)次のチャンネルに移る
C-c < で前のチャンネルに移る
C-c 数 で一番下のモードラインに書いてある番号のチャンネルに移る
などを使います。この他に
C-c n で自分のニックネームを変える
C-c C-n でそのチャンネルに参加している人の一覧を簡易表示
C-c w でそのチャンネルに参加している人の一覧を表示
C-c f で指定したニックネームのユーザ情報を表示
C-c r で画面再描画(画面の割合が崩れたときなどに使う)
C-c C-f で真中のバッファを自動的にはスクロールしなくする(トグル)
C-c SPC で真中のバッファをスクロール
C-c DEL で真中のバッファを逆スクロール(環境によっては C-c BS や C-c C-h)
C-c C-o でバッファを3分割(チャンネル毎)と2分割(全部混在)でトグル
C-c B で会話があったとき beep する(チャンネル毎に指定、トグル)
C-c i で指定したニックネームのユーザを自分のいるチャンネルに呼ぶ
C-c t でそのチャンネルにトピックをつける
なんかを知っておくと便利かもしれません。この他にも色々な機能があります。 M-x help b でキーバインドを見たり、実際に IRC 上で試したり、詳しい人に 聞いたりしてみてください。
私たちもチャンネル #linuxjp でお待ちしています。(C-c j #linuxjp)
irchat には DCC という機能があります。おしゃべりをしながらファイルを送っ たり受け取ったりできるのでとっても便利です。
C-c C-d s で送るファイル名と相手のニックネームを入力する C-c C-d g で送られてきたファイルを受け取る C-c C-d k ファイルの送信を中断したり、拒否する C-c C-d l 自分宛てに送られてきているファイルのリストを見る
バージョン、その他の理由で dcc がうまく動かない場合があります。 そのような時は #linuxjp で聞いてみるといいでしょう。:)
もし IRC サーバへの接続がうまく行かなければ、お使いのコンピュータが DNS に登録されていて逆引きも可能であるかどうかを確認してください。 特に日本国内の IRC サーバは、セキュリティの関係から、逆引きまででき ないと接続を許さないように設定してあるところが多いようです。 逆引きの設定についてはサイトの管理者に相談してください。 ちなみに、海外のサーバでは irc.stealth.net など逆引きができなくても 接続が可能なところもあるようですから、国内のサーバに繋がらない場合は 試してみても良いでしょう。
また、自分が使おうと思っていたのと同じニックネームで IRC に参加してい る人がすでにいた場合、その名前は使えません。その時は別のニックネームを 聞かれますので違うものを指定してください。 その人が抜けるのを待ってから IRC に「常駐」するという手もありますが、 奪い合いをするくらいならユニークなニックネームを考えた方がいいですよね。
IRC で話していると、とつぜん一部の人が一斉にいなくなることがあります。 これは、IRC サーバー間のネットワークがとぎれてしまったためで、自分とは 違う IRC サーバーに接続していた人たちとのおしゃべりが続けられなくなって しまいます。しかし、通常はしばらくすればまた繋がりますから IRC サーバー 管理者さんたちを心の隅で応援しながら復旧を待ちましょう。
チャンネルによって先頭の記号が違うことがありますが、基本的にはその チャンネルに参加できる人の範囲が違います。
世界中のサーバで共通の、どこからでも参加できるチャンネルです。
日本(*.jp)のサーバに接続している人しか参加できないチャンネル です。「#チャンネル名:*.jp」と書いても同じ意味になります。
自分が接続している IRC サーバ上にしかないチャンネルです。 他のサーバに接続している人からは見えません。
チャンネルは最初の人が参加すれば自動的に作られ、最後の一人が抜ければ 自動的に消滅します。ですから、誰でも自分の好きな名前のチャンネルを 自由に作ることができるわけです。もし、参加したチャンネルに自分一人 しかいなければ、自分がそのチャンネルに参加したと同時に、新しくその チャンネルを作ったということになりますね。
なるととは、チャンネルオペレータの印である @ マークの形から来ています。 チャンネルオペレータは、そのチャンネルに参加できる人を制限したり、 迷惑な人を排除できるといった権限を持つ人です。 最初にチャンネルを作った人がチャンネルオペレータになりますが、他の人に 「なるとを配る」ことにより、チャンネル内に複数のチャンネルオペレータを 作ることができます。
ぷりぶはプライベートメッセージの略で、特定の人と2人だけで会話する モードです。送られてきたプライベートメッセージは画面を3分割して いるときは一番下のバッファに表示されます。 プライベートメッセージを送るときは一行だけなら C-c p や C-c m を 使うのが簡単で良いでしょう。しばらく話す場合は C-c j でチャンネルの 代わりに話したい相手のニックネームを入力すると、専用のバッファが 使えて便利です。
《その1》 doc-request@irc.kyoto-u.ac.jp へ空メールを送ると簡単な案内が届きます。 最新情報や IRC サーバのリストが載っていますので必ず読みましょう。
《その2》 irchat のパッケージに含まれている FAQ-about-jp??.txt もとても役に立ちま すから必ず読みましょう。
《その3》 irchat-2.4jp19.tar.gz には irchat.info が入っています。
《その4》 RFC1459 には IRC の全てが載っています。 ftp://ftp.join.ad.jp/pub/doc/RFC/rfc1459.txt ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/RFC/rfc1459.txt などあちこちで入手可能です。 http://www.sainet.or.jp/ nonogaki/ 野々垣@早稲田さんによる日本語訳があります。
《その5》 IRC 関連では、以下のようなホームページがありました。
http://www.ces.kyutech.ac.jp/student/r93078ky/IRC/index.html K'z@九工大さんのページです。 より詳しい irchat.el の解説やリンクなどがあります。 http://www.bekkoame.or.jp/ takkey/TakIRCSup/IRCcmd/IRCindex.html Takkey@べっこあめさんのページです。IRC コマンドの解説があります。
この他にも検索エンジンで探せばいくつか見つかると思います。
この文書は、片山俊明(shackon)が作成し、松本庄司(shom)が加筆修正を 加えたものに対して、IRC の #linuxjp チャンネル上で
伊藤 英二さん(aeg) <aeg@agusa.nuie.nagoya-u.ac.jp> 大榎 勝さん(enoki) <xenoki@gakushuin.ac.jp> 小山 裕司さん(koyama) <koyama@ec.tmit.ac.jp> 澁谷 英之さん(sh_hide) <c9402873@cc.mita.keio.ac.jp> 瑞慶覧 辰さん(zu) <shin@ryukyu.ad.jp> 武井 和久さん(kazuniak)<xtakei@gakushuin.ac.jp>
そのほかの方々に校正して頂いたものです。
再配布/翻訳などは自由に行ってください。
改善案は、片山 <katayama@kuicr.kyoto-u.ac.jp> までメールでお願いします。
irchat-micro-howto 1996 (c) KATAYAMA Toshiaki <katayama@kuicr.kyoto-u.ac.jp>, Shoji matumoto <shom@i.h.kyoto-u.ac.jp>
(sgml conversion, y.senda, ysenda@pop01.odn.ne.jp, 2001/09)