V. 秘密鍵を保護する

ここで一番だいじなセキュリティの要点は,自分の鍵束ファイルを守ることと, それにも増して,自分のパスワードを守ることだ.もしかしたらキミの 秘密鍵が盗まれることだってあるかもしれない.でもパスワードが取られなけれ ば,そんなもの持っていたってほとんど価値はないはずなんだ.

秘密鍵をコピーしておくマシンの台数は制限しておくべきだろう.秘密鍵を運 ぶときにもフロッピディスクとかの物理的な手段でやるべきだ.まわりから盗み 見られる可能性が排除されていると確信できない (たとえば他人がキミのファイ ルにアクセスできるようなコンピュータとか) という環境には,秘密鍵を持ち 込んではいけない.あるいは,職場には「職場用の鍵」とかを別に造っておくと して,「家の鍵」は安全な場所にしまっておかないといけない.

キミの秘密鍵が盗まれるってことは,キミのアイデンティティが盗まれるというこ となんだ.発達してきているデジタル社会においては,キミの秘密鍵はそろそろ 写真付き身分証明と同じ重みを持つようになるだろうし,場合によっては既にそ れ以上ということだってある.