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11. 追記(Mar. 20, 2001)

最近のディストリビューションでは、viの実体が多様化しているようです。 特に、libcのglibc-2.x系への移行に伴って、 日本語が通らないものがパッケージ化されているようです。

実際にはすべてのディストリビューションの調査はできませんので、 一部推測も入っています。ご了承下さい。

ユーザー環境での日本語入力を伴う文書編集作業はemacs系のエディタ、 日本語編集の不要な管理者作業用のエディタはvi、 というような棲み分けが暗黙に行われているのかも知れません。

なお、Debianのviに関しては、JF-MLで佐野さんから以下のような情報をいただきましたので、 ここでご紹介します。佐野さんありがとうございました。




Debian の場合、alternatives という仕組があって、複数の候補の中から システム管理者が「標準の vi」を選択できます。

ただし、/bin/vi はありません。

「軽いエディタ」としては /bin/ae という vi 風にも emacs 風にも なるというフルスクリーンエディタが用意されています。

vi は /usr/bin/vi として用意されていて、実態はシステム管理者の 設定次第で vim/nvi/elvis/jvim/nvi-m17n などのどれにでもできます。

最小インストールだと m17n でない nvi がインストールされますが、 task-japanese をインストールすれば jvim-canna と nvi-m17n-canna が インストールされるので、たぶんこの状態なら nvi-m17n-canna が標準の vi になっているだろうと思います。




今現在の私の環境はKondara MNU/Linuxですので、標準vimでも日本語は使えることは使えますが、 それでもjvimを自分でmakeして使っています。その理由はjvimでは、

  1. helpが日本語化されていること
  2. JISコード文書の編集も可能なこと
  3. 日本語入力についてはトラブルが皆無であること
等のメリットがあるからです (Kondaraのvimでは改行なしで行をまたいだ日本語入力を行うと表示が壊れてしまい、 [Ctrl]+rで再表示する必要があるという既知のバグがあります)。

jvimは完全に日本語ローカライズされたプログラムなので、 Kondaraの目指すシングルバイナリでの国際化とは思想が異なります。 よって、jvimがKondaraにそのまま入ることはないでしょう。


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