最近のディストリビューションでは、viの実体が多様化しているようです。 特に、libcのglibc-2.x系への移行に伴って、 日本語が通らないものがパッケージ化されているようです。
実際にはすべてのディストリビューションの調査はできませんので、 一部推測も入っています。ご了承下さい。
/bin/vi
は日本語が通らず、
/usr/bin/vi(実体はvimやnvi)
は日本語が通るパターンが多そう。ユーザー環境での日本語入力を伴う文書編集作業はemacs系のエディタ、 日本語編集の不要な管理者作業用のエディタはvi、 というような棲み分けが暗黙に行われているのかも知れません。
なお、Debianのviに関しては、JF-MLで佐野さんから以下のような情報をいただきましたので、 ここでご紹介します。佐野さんありがとうございました。
Debian の場合、alternatives という仕組があって、複数の候補の中から システム管理者が「標準の vi」を選択できます。
ただし、/bin/vi はありません。
「軽いエディタ」としては /bin/ae という vi 風にも emacs 風にも なるというフルスクリーンエディタが用意されています。
vi は /usr/bin/vi として用意されていて、実態はシステム管理者の 設定次第で vim/nvi/elvis/jvim/nvi-m17n などのどれにでもできます。
最小インストールだと m17n でない nvi がインストールされますが、 task-japanese をインストールすれば jvim-canna と nvi-m17n-canna が インストールされるので、たぶんこの状態なら nvi-m17n-canna が標準の vi になっているだろうと思います。
今現在の私の環境はKondara MNU/Linuxですので、標準vimでも日本語は使えることは使えますが、 それでもjvimを自分でmakeして使っています。その理由はjvimでは、
[Ctrl]+r
で再表示する必要があるという既知のバグがあります)。
jvimは完全に日本語ローカライズされたプログラムなので、 Kondaraの目指すシングルバイナリでの国際化とは思想が異なります。 よって、jvimがKondaraにそのまま入ることはないでしょう。