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2. ユーザー設定説明

2.1 ユーザー設定概要

Linux にユーザーを登録する場合の手順について説明します。

Linux は、マルチユーザ OS ですので、複数の人間(ユーザー)が、 Linux をインストールしたマシンにログインし、 それぞれ作業をすることが可能です。従って、例え一人しかその Linux マシンを使わないとしても、その人間(=あなた)に対して、 ユーザーアカウント(使用権限)を発行する必要があります。

Linux を初めとする、多くの UNIX システムには、 そのマシンの管理者として、``root'' (るーと)というユーザーが存在しますが、 root は、システムの設定時などにログインし、 通常の作業では root でログインしないように心がけてください。

普段は root で作業せず、例え一人しか使う人間がいない場合でも、必ず ユーザー登録を行い、登録したユーザーでログインし、作業してください。

ユーザー登録や、削除といった作業は、root でログインし行います。 また、X Window System についても、基本的な設定は、root でログインし、 設定する場合があります。

2.2 ユーザー設定方法

ユーザー設定方法は、同じ Linux でも、各ディストリビューションにより 方法が異なります。ここでは、RedHat Linux 5.2 と Vine Linux、 また Plamo Linux についてのユーザー設定方法を説明します。

RedHat Linux 5.2 では、GUI でのシステム設定ツールとして、 ``linuxconf'' が導入されています。 Vine Linux も、RedHat Linux 5.2 がベースですから、 同じように linuxconf を利用する事が可能です。Plamo Linux の場合は、 コマンドラインレベルでユーザー設定を行います。

2.3 linuxconf を使用したユーザー管理 (Vine Linux/RedHat Linux 5.2)

Vine Linux 及び、RedHat Linux 5.2 は、システム管理ツールとして、 ``linuxconf'' ユーティリティが導入されています。 このユーティリティを使って、ユーザー管理(ユーザーアカウント作成)を 行うことができます。

linuxconf を使用したユーザ管理方法を説明します。ここでは、 Linux をインストールした直後で、まだ X Window System を 設定していない場合について説明します。

linuxconf を使用するには、root でログインし、 ``linuxconf'' とタイプします。

上の図では、``linuxconf --text --mono'' と入力していますが、 インストール直後では、``linuxconf'' と入力するだけで良いです。

linuxconf が起動されます。

起動画面から、``Config'' → ``User accounts'' → ``Normal'' → ``User accounts'' に進みます。 各項目は、リターンキーを押すと、そこから1段下のレベルに進むことができます。

``User accounts'' の所でリターンキーを押すと、 現在登録中のユーザー一覧が表示されます(下図参照)。 インストール直後は、システムに関係する「疑似」ユーザーのみ登録されています。

Linux をインストールした直後では、まだ実際にログインできるユーザーは 登録されていませんから、ユーザーを追加しなければなりません。 ユーザーを追加するには、タブキーを押して、[Add]の位置を反転させ、 リターンキーを押します。ユーザー登録画面になります。

ユーザー登録時は、以下の項目については、最低限入力する必要があります。

Login name

ユーザー名(3文字から8文字の英数字)

Full name

ユーザー名本名を、ローマ字で入れてください。

他にも、グループ名や、ホームディレクトリ、ログインシェル等も入力できますが、 ここでは割愛します。特に意識しなくても、linuxconf が、 システムポリシーに従い、自動的に設定します。

ユーザー名と、ユーザー名本名を入れたら、タブキーを押して、 [Accept] の位置を反転させ、リターンキーを押してください。 ユーザーが追加されます。

ユーザーが追加されると、パスワードの入力処理に移りますので、 パスワードを入力してください。ただし、実際に文字を入力しても、 表示はされません(MS-Windows と違って、`*' も表示させません。)が、 文字自身は入力されていますので、キーボードだけをたよりに、 間違いの無いように入力してください。

Linux を始めとする、ほとんどの UNIX システムでは、パスワード入力で、 文字が表示されることはありません(`*'が表示されることもありません。)が、 文字自身は入力できていますから、注意してください。

パスワードを入力すると、確認で、再度パスワード入力画面になりますので、 キーボードをたよりに、もう一度同じパスワードを入力してください。

パスワードの再入力を行うと、ユーザーが登録されます。 一度ログアウトして、登録したユーザーでログインできるか確認してください。

X Window System を起動した状態で、linuxconf を起動すると、 GUI にて上記の設定をすることができます。基本的な方法は、 上記で述べたのと、ほとんど変わりません。カーソルキーやリターンキーで 選択を進めた部分が、マウスで選択できるようになります。ここでは、 X Window System 起動時の、linuxconf の起動画面を参考として示します。

2.4 コマンドラインを使用したユーザー管理 (Plamo Linux / RedHat Linux 5.2 / Vine Linux)

linuxconfを使用したユーザー管理 で説明した、 linuxconf が利用できないディストリビューションでは、 コマンドラインによりユーザー管理を行います。 なお、RedHat Linux 5.2 や、Vine Linux でも、linuxconf を使わず、 コマンドラインを利用したユーザー管理を行なうことができますので、 状況に応じて使い分けるのが良いでしょう。

ユーザー登録(useradd)

ユーザー登録(追加)を行うには、``useradd''コマンドを使います。 useradd コマンドの使用方法は以下の通りです。

useradd [オプション] 追加ユーザー名

[オプション]

-c コメント

コメント(通常は本名)を指定します。 空白を含めたい場合は、"Linux user" のように全体を "(ダブルクォーテーション)でくくって指定します。

-d ディレクトリ

当ユーザのホームディレクトリを指定します。 省略時はシステムポリシーに従って、自動的に設定されます。 (通常は/home/[ユーザー名]になります)

-G グループ ID

-g で指定したグループ ID も含め、他にも所属させたいグループがある場合に 指定します。複数のグループを指定したい場合は、`,'(カンマ)で区切って指定します。

-g グループ ID (またはグループ名)

追加するユーザーが属するグループ ID を指定します。 グループ ID の代わりにグループ名も指定できます。

-s シェル

ログインシェルの絶対パス名を指定します。省略値は/bin/bashです。

-u ユーザ ID

ユーザー ID を指定します。0 〜 499 はシステムで予約されていて使用できません。 (RedHat Linux/Vine Linuxの場合。) このオプションを省略すると、 現在使用されている最大のユーザ ID に1を加えたものを割り当てられます。

追加ユーザー名

追加したいユーザー名を、3文字から8文字の間で指定してください。

ユーザー情報修正(usermod)

useradd コマンドで追加したユーザー情報を修正するには、 ``usermod'' コマンドを使います。usermod コマンドの使用方法は 以下の通りです。

usermod [オプション] 修正ユーザー名

[オプション]

-l 新ユーザー名

新ユーザー名を指定します。

その他にも、-c、-d、-G、-g、-s、-u を指定することができます。 これらのオプションは、useradd と同機能です。

修正ユーザー名

修正したいユーザー名を指定します。

ユーザー削除(userdel)

登録しているユーザーを削除するには、``userdel'' コマンドを使います。 userdelコマンドの使用方法は以下の通りです。

userdel [オプション] 削除ユーザー名

[オプション]

-r

ユーザのホームディレクトリを削除します。

削除ユーザー名

削除したいユーザー名を指定します。

パスワードの変更(passwd)

登録されているユーザーのパスワードを変更するには、 ``passwd'' コマンドを指定します。passwd コマンドは、 root 以外のユーザーでも実行できますので、定期的にパスワードを 変更しておくのが良いでしょう。

passwd [ユーザー名]

ユーザー名を指定できるのは、root のみです。 root のみが、他のユーザーのパスワードを変更できます。 他の(一般の)ユーザーは、単に ``passwd'' のみタイプしてパスワードを変更します。

passwd コマンドを実行すると、対話形式で、新しいパスワードと、 新しいパスワードの再入力を聞いてきますので、それぞれ入力すれば、 新しいパスワードが登録できます。

2.5 ユーザー設定諸注意

ユーザー登録時の注意事項を記載します。

  1. ユーザー名に漢字を含めることはできません。
  2. RedHat Linux 5.1 以前のシステムには、linuxconf は標準でありませんので、 control-panel から usercfg を起動する必要があります。
  3. RedHat Linux 及び、Vine Linux では、UPG スキームが導入されており、 ユーザー削除の後、同じユーザー名を再度登録しようとすると、 エラーになる場合があります。その場合、``groupdel ユーザー名'' を 実行し、再度ユーザーの登録を行ってください。
  4. パスワードになる文字列には、以下の制限があります。 (RedHat Linux / Vine Linux の場合。)


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