前のページ 次のページ 目次

2. SGML 文書を変換する

変換するファイル形式によって利用するコマンドやコマンドに与える引数 が異なります。

2.1 文書の変換

本章では、HOWTO や faq を含む文書の変換方法を説明します。

ポストスクリプトファイルの作成

ポストスクリプト(PS)ファイルへの変換を行うには、sgml2latex を使います。

日本語の SGML ファイルを PS ファイルに変換する。

sgml2latex -p ファイル名.sgml

英語の SGML ファイルを PS ファイルに変換する。

sgml2latex -a -p ファイル名.sgml

以上により ファイル名.ps が作成されます。作成された ファイル名.ps は ghostview 等ポストスクリプトファイル のビューワーで見る事ができます。

なお、-a オプションは原版 Linuxdoc-SGML では A4 サイズの用紙の指定 となっていますが、日本語版では用紙サイズは A4 がデフォルトなので、 かわりに -u オプションで US letter を指定できるようになっており、 -a はASCII 文字の使用を指定することになります。なお、日本語の文書 を変換する場合は必ず A4 (デフォルト) で使用してください。

DVI ファイルの作成

DVI ファイルへの変換を行うには、sgml2latex を使います。

日本語の SGML ファイルを DVI ファイルに変換する。

sgml2latex -d ファイル名.sgml

英語の SGML ファイルを DVI ファイルに変換する。

sgml2latex -a -d ファイル名.sgml

日本語の SGML ファイルを LaTeX のソースファイルに変換する。

sgml2latex ファイル名.sgml

-d オプションを付けると ファイル名.dvi が作成され、 オプションを付けないと ファイル名.tex が作成されます。作成 された ファイル名.dvi は xdvi 等の dvi ファイルのビューワ で見る事ができます。

プレーンテキストファイルの作成

プレーンテキストファイルへの変換を行うには、sgml2txt を使います。

日本語の SGML ファイルをプレーンテキストファイルに変換する。

sgml2txt -f ファイル名.sgml

英語の SGML ファイルをプレーンテキストファイルに変換する。

sgml2txt -f -a ファイル名.sgml

-f オプションを付けないと、moreless で見た ときにはボールド体で強調された文字が表示される状態になります。これはこれで 見やすいのですが、muleviなどで見るとみにくくなります。 roff で出力された強調文字をなくすには、-fオプションを付けて 実行します。
以上により、ファイル名.txt が作成されます。

HTML ファイルの作成

HTML ファイルへの変換を行うには、sgml2html を使います。

日本語の SGML ファイルを HTML ファイルに変換する

sgml2html ファイル名.sgml

英語の SGML ファイルを HTML ファイルに変換する

sgml2html -a ファイル名.sgml

HTML ファイルは章ごとにひとつずつ ファイル名-章番号.html という名前で作られ、さらにインデックス用に ファイル名.html というファイルが作られます。これらのファイルは Netscape や Mosaic 等の WWW ブラウザを使って見ることができます。

man ページの作成

man ページの変換を行うには sgml2txt を使います。

roff 形式のファイルを作る

sgml2txt -man ファイル名.sgml

cat 形式のファイルを作る

sgml2txt -cat ファイル名.sgml

いずれの場合も、ファイル名.man というファイルが作られます。 roff 形式のファイルは、従来の man ページに使われている形式で

groff -man -Tnippon ファイル名.man | less
とすることで、man コマンドを使って見る場合と同じように読む ことができます。このように roff を通した結果を cat 形式 と言います。

roff 形式の man ページファイルは、ファイル名.章番号 という名前にして /usr/man/ja_JP.ujis/man章番号 というディレクトリ にコピーします(linuxの場合)。cat 形式の man ページファイルは、同じく ファイル名.章番号 という名前にして /usr/man/ja_JP.ujis/cat章番号 というディレクトリにコピーします。

GNU info ファイルへの変換

GNU info 形式のファイルへの変換を行うには、sgml2info を使います。 残念ながらまだ日本語には対応していません。makeinfo の日本語版に 関する情報がありましたらご連絡ください。

sgml2info ファイル名.sgml

とすると、ファイル名.info というファイルが作成されます。 GNU info 形式のファイルは、emacs の info モードや info コマンドを使って見ることができます。

LyX 形式ファイルへの変換

LyX とは LaTeX のインターフェイスとなって WYSIWYG を実現する一種の ワープロです。残念ながら LyX の日本語版はありません。 LyX 形式のファイルへの変換を行なうには、sgml2lyx を使います。

RTF 形式ファイルへの変換

筆者の不勉強のため、これが何者なのか全くわかっていません。 RTF についての情報がありましたらご連絡ください。 RTF 形式ファイルへの変換は、sgml2rtf を使って行ないます。

SGML 構文チェックを行うには

SGML の構文チェックを行うには、sgmlcheck を使います。

sgmlcheck ファイル名.sgml

ここでは、DTD に即した構文になっているかをチェックしているだけなので、 正しい変換が行なわれているかどうかは出力結果を見て自分でチェックする 必要があります。

2.2 ISO 8859-1 文字セットの扱い

原版の Linuxdoc-SGML では ISO 8859-1 (latin1) 文字セット についても、 プレーンテキストと LaTeX、HTML、LyX、RTF で利用可能となっています。 日本語版でも利用可能なはずですが試していません。もし問題があったと しても、若干の修正で利用できるはずです。
ISO 8859-1 文字セットを利用するには、-l オプションを付けて、各種の コマンドを実行します。


前のページ 次のページ 目次