変換するファイル形式によって利用するコマンドやコマンドに与える引数 が異なります。
本章では、HOWTO や faq を含む文書の変換方法を説明します。
ポストスクリプト(PS)ファイルへの変換を行うには、sgml2latex
を使います。
sgml2latex -p ファイル名.sgml
sgml2latex -a -p ファイル名.sgml
なお、-a オプションは原版 Linuxdoc-SGML では A4 サイズの用紙の指定 となっていますが、日本語版では用紙サイズは A4 がデフォルトなので、 かわりに -u オプションで US letter を指定できるようになっており、 -a はASCII 文字の使用を指定することになります。なお、日本語の文書 を変換する場合は必ず A4 (デフォルト) で使用してください。
DVI ファイルへの変換を行うには、sgml2latex
を使います。
sgml2latex -d ファイル名.sgml
sgml2latex -a -d ファイル名.sgml
sgml2latex ファイル名.sgml
-d
オプションを付けると ファイル名.dvi が作成され、
オプションを付けないと ファイル名.tex が作成されます。作成
された ファイル名.dvi は xdvi 等の dvi ファイルのビューワ
で見る事ができます。
プレーンテキストファイルへの変換を行うには、sgml2txt
を使います。
sgml2txt -f ファイル名.sgml
sgml2txt -f -a ファイル名.sgml
-f
オプションを付けないと、more
や less
で見た
ときにはボールド体で強調された文字が表示される状態になります。これはこれで
見やすいのですが、mule
やvi
などで見るとみにくくなります。
roff で出力された強調文字をなくすには、-f
オプションを付けて
実行します。HTML ファイルへの変換を行うには、sgml2html を使います。
sgml2html ファイル名.sgml
sgml2html -a ファイル名.sgml
HTML ファイルは章ごとにひとつずつ ファイル名-章番号.html という名前で作られ、さらにインデックス用に ファイル名.html というファイルが作られます。これらのファイルは Netscape や Mosaic 等の WWW ブラウザを使って見ることができます。
man ページの変換を行うには sgml2txt
を使います。
sgml2txt -man ファイル名.sgml
sgml2txt -cat ファイル名.sgml
いずれの場合も、ファイル名.man というファイルが作られます。 roff 形式のファイルは、従来の man ページに使われている形式で
groff -man -Tnippon ファイル名.man | less
とすることで、man
コマンドを使って見る場合と同じように読む
ことができます。このように roff を通した結果を cat 形式 と言います。
roff 形式の man ページファイルは、ファイル名.章番号 という名前にして
/usr/man/ja_JP.ujis/man章番号
というディレクトリ
にコピーします(linuxの場合)。cat 形式の man ページファイルは、同じく
ファイル名.章番号 という名前にして /usr/man/ja_JP.ujis/cat章番号
というディレクトリにコピーします。
GNU info 形式のファイルへの変換を行うには、sgml2info
を使います。
残念ながらまだ日本語には対応していません。makeinfo の日本語版に
関する情報がありましたらご連絡ください。
sgml2info ファイル名.sgml
とすると、ファイル名.info というファイルが作成されます。
GNU info 形式のファイルは、emacs
の info モードや info
コマンドを使って見ることができます。
LyX とは LaTeX のインターフェイスとなって WYSIWYG を実現する一種の
ワープロです。残念ながら LyX の日本語版はありません。
LyX 形式のファイルへの変換を行なうには、sgml2lyx
を使います。
筆者の不勉強のため、これが何者なのか全くわかっていません。
RTF についての情報がありましたらご連絡ください。
RTF 形式ファイルへの変換は、sgml2rtf
を使って行ないます。
SGML の構文チェックを行うには、sgmlcheck
を使います。
sgmlcheck ファイル名.sgml
ここでは、DTD に即した構文になっているかをチェックしているだけなので、 正しい変換が行なわれているかどうかは出力結果を見て自分でチェックする 必要があります。
原版の Linuxdoc-SGML では ISO 8859-1 (latin1) 文字セット についても、
プレーンテキストと LaTeX、HTML、LyX、RTF で利用可能となっています。
日本語版でも利用可能なはずですが試していません。もし問題があったと
しても、若干の修正で利用できるはずです。
ISO 8859-1 文字セットを利用するには、-l オプションを付けて、各種の
コマンドを実行します。