gpm
は、マウスをコンソールモードで利用するためのプログラムです。
このプログラムは通常 Linux ディストリビューションに同梱されているので、
コマンドラインや初期化スクリプト /etc/rc.d/rc.local
を利用して
始動させることができます。ディストリビューションによっては、必ずしも
最新バージョン(この文書の執筆時で 1.13)が入っているわけではないことに
注意してください。最新版は、sunsite.unc.edu のミラーサイトで取得できます。
gpm でのシリアルマウス用の主要モードには、次のものがあります。
gpm -t ms : Microsoft モード
gpm -t msc : MouseSystems モード
gpm -t help : ヘルプモード
上記コマンドを使用して、Microsoft モードと MouseSystems モードを切り替え
たり、もしくはマウスを検出してその種類を表示させたりすることができます。
MouseSystems モードで gpm を起動させるには、-3
フラグが
必要になるかもしれません。場合によっては、DTR オプションも必要になるので、
そのときは -o dtr
フラグを使います。
gpm -3 -o dtr -t msc
gpm
を使うと、Microsoft モードのときでも、3 つあるすべての
マウスボタンをたいてい認識させることができます。新しいバージョン (
1.0 またはそれ以降 (?)) では、認識したその情報を他のプログラムに
渡すこともできます。他のプログラムに情報を渡すには、次のように -R
オプションを付けて gpm を起動する必要があります。
gpm -R -t ms
こうすることで、gpm は、/dev/gpmdata
というデバイスファイ
ルを作成してマウスのデータをエクスポートします。このデバイスファイル
は、他のプログラムからはひとつのマウスだと認識されます。ただ、この
デバイスファイルは、必ず MouseSystems プロトコルを使うようになっている
ことに注意してください。このようにしておくと、下記に示すように Xconfig
の設定によって、/dev/mouse
の代わりにこの /dev/gpmdata
を使うことができます。ただ、X を使う際に、必ず gpm が実行されている
ことを確認するようにしてください。このテクニックを使っても X がマウスの
中央のボタンを正しく認識しないという報告をする人もしますが、これは
おそらくその人の設定に問題があるのだと思われます。
X と gmp でのマウスボタンのマッピングを同一にするには (gustafso@math.utah.edu)
gpm でのマウスボタンのマッピングのデフォルト設定は、X でのマッピングとは 異なっている場合があります。gpm と X を同一マシン上で使っていると、 この違いは紛らわしいかもしれません。gpm での選択とペーストのボタン操作を X 上でも同様に行えるようにするには、次の X コマンドを使います。
xmodmap -e "pointer = 1 3 2"
これは、2 ボタンか 3 ボタンかに関係なく、左ボタンで選択を、右ボタンで
ペーストを行うようにするものです。gpm で X の標準ボタンマッピングを
使えるようにするには、gpm の起動の際に、以下のように -B
オプションを付けてください。
gpm -t msc -B 132