6.42. Groff-1.20.1

Groff パッケージはテキストを処理して整形するプログラムを提供します。

概算ビルド時間: 0.7 SBU
必要ディスク容量: 66 MB

6.42.1. Groff のインストール

Groff はデフォルトの用紙サイズを設定する環境変数 PAGE を参照します。 米国のユーザーであれば PAGE=letter と設定するのが適当です。 その他のユーザーなら PAGE=A4 とするのが良いかもしれません。 このデフォルト用紙サイズはコンパイルにあたって設定されます。 「A4」 なり 「letter」 なりの値は /etc/papersize ファイルにて設定することも可能です。

Groff をコンパイルするための準備をします。

PAGE=<paper_size> ./configure --prefix=/usr

パッケージをコンパイルします。

make

このパッケージにテストスイートはありません。

パッケージをインストールします。

make docdir=/usr/share/doc/groff-1.20.1 install

xman のようなドキュメント関連プログラムが正しく動作するように、以下のようなシンボリックリンクを作成します。

ln -sv eqn /usr/bin/geqn
ln -sv tbl /usr/bin/gtbl

6.42.2. Groff の構成

インストールプログラム: addftinfo, afmtodit, chem, eqn, eqn2graph, gdiffmk, geqn (eqn へのリンク), grap2graph, grn, grodvi, groff, groffer, grog, grolbp, grolj4, grops, grotty, gtbl (tbl へのリンク), hpftodit, indxbib, lkbib, lookbib, mmroff, neqn, nroff, pdfroff, pfbtops, pic, pic2graph, post-grohtml, preconv, pre-grohtml, refer, roff2dvi, roff2html, roff2pdf, roff2ps, roff2text, roff2x, soelim, tbl, tfmtodit, troff

概略説明

addftinfo

troff のフォントファイルを読み込んで groff システムが利用する付加的なフォントメトリック情報を追加します。

afmtodit

groffgrops が利用するフォントファイルを生成します。

chem

化学構造図 (chemical structure diagrams) を生成するための Groff プロセッサ。

eqn

troff の入力ファイル内に埋め込まれている記述式をコンパイルして troff が解釈できるコマンドとして変換します。

eqn2graph

troff の EQN (数式) を、刈り込んだ (crop した) イメージに変換します。

gdiffmk

groff、nroff、troff の入力ファイルを比較して、その差異を出力します。

geqn

eqn へのリンク。

grap2graph

grap ダイアグラムを、刈り込んだ (crop した) ビットマップイメージに変換します。

grn

gremlin 図を表すファイルを処理するための groff プリプロセッサ。

grodvi

TeX の dvi フォーマットを生成するための groff ドライバプログラム。

groff

groff 文書整形システムのためのフロントエンド。 通常は troff プログラムを起動し、指定されたデバイスに適合したポストプロセッサを呼び出します。

groffer

groff ファイルや man ページを X 上や TTY 端末上に表示します。

grog

入力ファイルを読み込んで、印刷時には groff コマンドオプションのどれが必要かを推定します。 コマンドオプションは -e-man-me-mm-ms-p-s のいずれかです。 そしてそのオプションを含んだ groff コマンドを表示します。

grolbp

Canon CAPSL プリンタ (LBP-4 または LBP-8 シリーズのレーザープリンタ) に対する groff ドライバプログラム。

grolj4

HP LaserJet 4 プリンタにて利用される PCL5 フォーマットの出力を生成する groff のドライバプログラム。

grops

GNU troff の出力を PostScript に変換します。

grotty

GNU troff の出力を、タイプライタ風のデバイスに適した形式に変換します。

gtbl

tbl へのリンク。

hpftodit

HP のタグ付けが行われたフォントメトリックファイルから、 groff -Tlj4 コマンドにて利用されるフォントファイルを生成します。

indxbib

指定されたファイル内に示される参考文献データベース (bibliographic database) に対しての逆引きインデックス (inverted index) を生成します。 これは referlookbiblkbib といったコマンドが利用します。

lkbib

指定されたキーを用いて参考文献データベースを検索し、合致したすべての情報を表示します。

lookbib

(標準入力が端末であれば) 標準エラー出力にプロンプトを表示して、標準入力から複数のキーワードを含んだ一行を読み込みます。 そして指定されたファイルにて示される参考文献データベース内に、そのキーワードが含まれるかどうかを検索します。 キーワードが含まれるものを標準出力に出力します。入力がなくなるまでこれを繰り返します。

mmroff

groff 用の単純なプリプロセッサ。

neqn

数式を ASCII (American Standard Code for Information Interchange) 形式で出力します。

nroff

groff を利用して nroff コマンドをエミュレートするスクリプト。

pdfroff

groff を利用して pdf 文書ファイルを生成します。

pfbtops

.pfb フォーマットの PostScript フォントを ASCII フォーマットに変換します。

pic

troff または TeX の入力ファイル内に埋め込まれた図の記述を、 troff または TeX が処理できるコマンドの形式に変換します。

pic2graph

PIC ダイアグラムを、刈り込んだ (crop した) イメージに変換します。

post-grohtml

GNU troff の出力を HTML に変換します。

preconv

入力ファイルのエンコーディングを GNU troff が取り扱うものに変換します。

pre-grohtml

GNU troff の出力を HTML に変換します。

refer

ファイル内容を読み込んで、そのコピーを標準出力へ出力します。 ただし引用文を表す .[.] で囲まれた行、および引用文をどのように処理するかを示したコマンドを意味する .R1.R2 で囲まれた行は、コピーの対象としません。

roff2dvi

roff ファイルを DVI フォーマットに変換します。

roff2html

roff ファイルを HTML フォーマットに変換します。

roff2pdf

roff ファイルを PDF フォーマットに変換します。

roff2ps

roff ファイルを ps ファイルに変換します。

roff2text

roff ファイルをテキストファイルに変換します。

roff2x

roff ファイルを他のフォーマットに変換します。

soelim

入力ファイルを読み込んで .so ファイル の形式で記述されている行を、記述されている ファイル だけに置き換えます。

tbl

troff 入力ファイル内に埋め込まれた表の記述を troff が処理できるコマンドの形式に変換します。

tfmtodit

コマンド groff -Tdvi を使ってフォントファイルを生成します。

troff

Unix の troff コマンドと高い互換性を持ちます。 通常は groff コマンドを用いて本コマンドが起動されます。 groff コマンドは、プリプロセッサ、ポストプロセッサを、適切な順で適切なオプションをつけて起動します。