SYSLINUX は、MS-DOS のフロッピーディスク上にインストールするブートローダーです。 \SYSLINUX.CFG という設定ファイルが指示する内容にしたがって、 フロッピーディスクからファイルを一つ、 Linux カーネルとしてロードします。
SYSLINUX では簡単なテキストインタフェースを用意しています。 これを使って、設定ファイルに定義してある、予め用意した設定の中から ロードするカーネルが選べるし、 カーネルに与えるパラメータを追加することもできます。
ISOLINUX と PXELINUX は SYSLINUX の変形版で、 CD-ROM と Intel の Preboot Execution Environment で使うものです。
SYSLINUX は、シリアルポートの速度については、幅広くサポートしていますが、 速度以外では、8 ビットデータ、 パリティ無し、1 ストップビットしかサポートしていません。 シリアルポートは、 COM1: から COM4: までをサポートしています。 たいていのブートローダーでもそうですが、 これを 0 から 3 までの数字に割り当てて、 ポート 0 とかポート 3 というように書きます。
SYSLINUX でシリアルポートをサポートする には、以下のコマンドを \SYSLINUX.CFG の 最初の行 に新しく追加します。
この変数で使用している構文は、 Figure 2-7 と Figure 4-2、 さらに Figure 4-12 で使っているものと同じです。
<syslinux_フロー制御> 変数は RS-232 のステータスを管理するもので、 フロー制御信号はオプションです。ご自分のヌルモデムケーブルに ステータス信号やハンドシェーク信号が何も現れない場合は、 この変数を使わないでください。 <syslinux_フロー制御> の値は、 Table 4-1 にリストしてあるフロー制御の動作のうち、 望ましい値を 16 進数で追加すれば計算されます。
正しく結線したヌルモデムケーブルや、 正しい設定のモデムを使用するうえで必要なことは、 表中の “RS-232 の完全準拠に必要か?” の欄で示してあります。 これらの値の合計は 0xab3 になります。
Table 4-1. SYSLINUX のフロー制御ビットマップ
フロー制御の動作 | 16 進数値 | 以下の各信号の制御は RS-232 への完全準拠に必要か? |
---|---|---|
DTR をアサートする | 0x001 | 必要 |
RTS をアサートする | 0x002 | 必要 |
CTS のアサートを待つ | 0x010 | 必要 |
DSR のアサートを待つ | 0x020 | 必要 |
RI のアサートを待つ | 0x040 | 不要 |
DCD のアサートを待つ | 0x080 | 必要 |
CTS がアサートされない限り入力を無視する | 0x100 | 不要 |
DSR がアサートされない限り入力を無視する | 0x200 | 必要 |
RI がアサートされない限り入力を無視する | 0x400 | 不要 |
DCD がアサートされない限り入力を無視する | 0x800 | 必要 |
ここで設定したい、 9600bps, ポート 0, 完全な RS-232 ステータス信号、CTS/RTS のフロー制御といった内容は次のように書きます。
お持ちのヌルモデムケーブルに RS-232 のステータス信号が無く、 無手順なら、以下のコマンドを使って下さい。
忘れないで下さい。 serial は \SYSLINUX.CFG の中の最初の行でなければなりません。