10.1. Linux カーネルのバージョン 2.5

カーネルのバージョン 2.5 は現在活発な開発途上にあるものですから、 このセクションの内容は古くなっているかも知れません。 バージョン 2.5 では、 USB ドングルに取り付けたシリアルポートに、 コンソールが接続できるようになっています。 バージョン 2.5 のカーネルに対する -dj パッチは、コンソールレイヤーを書き直したものです。 しかしこの書き直したレイヤーが、 シリアルコンソールをユーザー空間で使用する場合にも効果があるかどうかは不明です。

カーネルを設定する場合は、 次のパラメータを設定してください。

Figure 10-1. make menuconfig を使ったシリアルコンソール用カーネル設定

Character devices  --->
 [*] Virtual terminal
  [*]   Support for console on virtual terminal
 <*> Standard/generic (8250/16550 and compatible UARTs) serial support
  [*]   Support for console on serial port

こうすると /usr/src/linux/.config に次のパラメータが設定されるはずです。

Figure 10-2. .config を用いた、シリアルコンソールのカーネル構成

CONFIG_VT=y
CONFIG_VT_CONSOLE=y
CONFIG_SERIAL=y
CONFIG_SERIAL_CONSOLE=y

USB バスに取り付けたシリアルポートを使いたい場合は、通常の USB の設定に加えて、 USB のコンソールドライバ、 および USB シリアルドングルのうち一つをロードするように、 カーネルを設定してください。 (ここの例では、汎用シリアルドングルを使っています)。

Figure 10-3. make menuconfig を使った USB ドングルのシリアルコンソール用カーネル設定

USB Serial Converter support --->
 <M> USB Serial Converter support
 [M] USB Serial Console device support
 [M] USB Generic Serial Driver

こうすると、/usr/src/linux/.config に次のパラメータが設定されるはずです。

Figure 10-4. .config を使った USB デバイスのシリアルコンソール用カーネル設定

CONFIG_USB_SERIAL=m
CONFIG_USB_SERIAL_CONSOLE=m
CONFIG_USB_SERIAL_GENERIC=m

Section 9.9で説明したように、 マジック SysRq キーを使わないようにカーネルを設定することも必要です。