2.3. 稼動中の openMosix の例

openMosix クラスタの構成はいろいろです。これを明らかにするために、ある 仮定をします。あなたが学生で、寄宿舎で金持ちのコンピュータサイエンス おたくと同居しており、彼とは openMosix クラスタを構成するコンピュータと してリンクしているとします。そしてあなたは今、国が認めている私的利用目的 で CD から音楽ファイルを Ogg Vorbis に変換しているとします。ルームメート は C++ を使ったプロジェクトで活動しており、このプロジェクトは世界に平和 をもたらすと言っているとします。しかしこの瞬間彼はバスルームで口に出せ ないような行為をしているとすると、彼のコンピュータは暇なのです。

そこであなたは bladeenc のようなプログラムを動かして、Bach の XXX を .wav フォーマットから .ogg に変換すると、あなたのコンピュータ上の openMosix ルーチンは両ノードの負荷を比較します。そしてあなたの Pentium-233 から彼の Athlon XP にプロセスを送れば、より早く処理が終わると判断します。 これは自動的に行われます。スタンドアローンのマシンでしているのと同様に、 ただあなたはコマンドを入力するか、クリックするかのどちらかだけです。 2 つ以上エンコードをすると、ことが運ぶのが大変早くなり、反応時間も遅く ならないことに気づくだけです。

あなたが、まだ XXXX と入力している間にルームメートが戻ってきました。 カフェテリアの食事に出るレッドチリペッパーについて何かぶつぶつ言い ながら。彼は「pmake」と呼ばれる「make」に並列実行の最適化をほどこした プログラムを使ってテストを再開します。彼が何をしても CPU 時間を食い 潰すので、openMosix はあなたのマシンにサブプロセスを送り込み、負荷の バランスを取ります。

この設定は、「single-pool」と呼ばれています。すべてのコンピュータ は 1 つのクラスタとして利用されます。あなたのコンピュータが共同体(pool) の一部であるということが、長所にもなり短所にもなります。あなたの処理は 他のコンピュータで実行され、他の処理があなたのコンピュータで動きます。