7.3. ユーザ空間のツール

下記のツールを使うと、openMosix クラスタの管理が楽になります。
migrate :プロセスにマイグレートするように指示を出します。
                書式: 
                        migrate [PID] [openMosix_ID]

mon             :ncurses ベースの端末タイプのモニター。棒グラフを表示して
                  現在の状況についての情報を表示します。

mosctl          :は、openMosix のメインの設定ユーティリティです。
                書式:
                        mosctl  [stay|nostay]
                                [lstay|nolstay]
                                [block|noblock]
                                [quiet|noquiet]
                                [nomfs|mfs]
                                [expel|bring]
                                [gettune|getyard|getdecay]

                        mosctl  whois   [openMosix_ID|IP-address|hostname]

                        mosctl  [getload|getspeed|status|isup|getmem|getfree|getutil]   [openMosix_ID]

                        mosctl  setyard [Processor-Type|openMosix_ID||this]

                        mosctl  setspeed        interger-value

                        mosctl  setdecay interval       [slow fast]


Table 7-6. 詳細

stay 自動的にプロセスをマイグレートしません。
nostay 自動的にプロセスをマイグレートします(デフォルト)。
lstay ローカルプロセスのままにしておきます。
nolstay ローカルプロセスをマイグレートします。
block ゲストプロセスの受け入れを拒否します。
noblock ゲストプロセスを受け入れます。
quiet 負荷分散情報の収集を無効にします。
noquiet 負荷分散情報の収集を有効にします。
nomfs MFS を無効にします。
mfs MFS を有効にします。
expel ゲストプロセスを送り出します。
bring マイグレートしたプロセスをすべてホームノードに持ってきます。
gettune 現状のオーバーヘッドパラメタを表示します。
getyard 現在の基準を表示します。
getdecay 現在の分散パラメタを表示します。
whois クラスタの openMosix ID、IP アドレス、ホスト名
getload (openMosix)の負荷を表示します。
getspeed (openMosix)の速度を表示します。
status 現在の状況と設定を表示します。
isup ノードの稼動・停止(openMosix の ping のようなもの)
getmem 論理メモリの空きを表示します。
getfree 物理メモリの空きを表示します。
getutil 稼働率を表示します。
setyard 新しい基準値を設定します。
setspeed 新しい(openMosix)の速度を設定します。
setdecay 分散間隔を設定します。


mosrun          選択したノードで設定コマンドを動かします。
                書式:
                        mosrun  [-h|openMosix_ID| list_of_openMosix_IDs] command [arguments]

mosrun コマンドは、コマンドラインのオプションをさらにいくつか付けて実行 できます。 簡単に実行できるように、設定済みの起動スクリプトがあります。設定用途別に (openMosix)ジョブを実行します。


Table 7-7. mosrun の追加オプション

nomig マイグレートして欲しくないプロセスのコマンドを実行します。
runhome ホームノードにロックされるコマンドを実行します。
runon あるノードにすぐマイグレートし、そこにロックされるコマンドを実行します。
cpujob openMosix クラスタにプロセスが CPU 固定であることを 通知します。
iojob openMosix クラスタにプロセスが IO 固定である ことを伝えます。
nodecay コマンドを実行し、クラスタに負荷分散の状態をリフレッシュするように通知します。
slowdecay 分散間隔を遅くしてコマンドを実行し、負荷分散の 状態を収集します。
fastdecay 分散間隔を速くしてコマンドを実行し、負荷分散の 状態を収集します。


setpe           マニュアルでノードを設定するユーティリティ。
                書式:
                        setpe   -w -f   [hpc_map]
                        setpe   -r [-f  [hpc_map]]
                        setpe   -off
-w ファイルから openMosix の設定ファイルを読み込みます(通常は /etc/hpc.map)。
-r 現在の openMosix の設定をファイルに書き込みます(通常は /etc/hpc.map)。
-off 現状の openMosix 設定を無効にすします。

tune            openMosix の調整と最適化用ユーティリティ。
                (詳しい情報は、tune の man を見てください)

/proc インタフェースとコマンドラインベースの openMosix ユーティリティ (/proc インタフェースを利用する)に加えて、パッチを当てた「ps」と「top」が 利用できます(「mps」と「mtop」と呼ばれています)。これは、openMosix のノード ID が列に加わります。特定のプロセスが現在どこで演算されているのか見つける のに便利です。

コマンドラインで使うツールを手短に説明してきましたが、openMosixview も 見ておきましょう。よく使う管理作業向けに GUI を利用したツールです。 この後の章で論じるつもりです。