ウェブサイト「日本の Linux 情報」を制作/管理している ボランティアプロジェクト「Webmasters」とは どういう人々の集団なのでしょう?
Webmasters に関する簡単な紹介が, Webmasters 自己紹介 にありますが, このコラムは, そのような公的な紹介を目的とするのではなく, Webmasters というコミュニティの持つ雰囲気, また, 作業しているメンバーについて, もうすこし具体的なイメージを 持ってもらうことを第一の目的としています. そのために, ここでは少し突っ込んだ質問として メンバーの具体的な計算機環境や, ネットワーク生活に関して, さらにはコミュニティーとの関係の捉え方や そこで使われる Jargon に対する各自の解釈などを調査してみました.
この記事にはもう一つの目的があります. それは広報です. すなわち, Linux 関連のコミュニティの雰囲気を掴むことにより, オープンソース関連プロジェクトへ参加するということについて 興味を持ってほしい. できれば参加してほしい, ということです.
調査は 6 月末から 7月8日にかけて, Webmasters メーリングリストに 次のような質問項目を投稿し, 回答してもらうことで行いました. 実働メンバーのほとんどがアンケートに参加してくれましたが, なにぶんにも回答数が 23 通ですから, アンケート結果の統計的な処理などは 半ば以上冗談として流してもらうしかありません. また, 質問項目も私が短時間で適当に考えたものなので, 今振り返ってみると内輪ウケ狙いが見えたりして あまり適切とはいえないところもあります. このように, いろいろと不備もあろうかと思いますが, この記事によって, 日本のオープンソース関連プロジェクトの一つである Webmasters の現在について 多少なりとも把握してもらえたらならば幸いです.
以下が質問項目と, その簡単な解説です.
コラム「Webmasters にききました」 の取材です.
それぞれの項目は, 複数回答が適切だと思われる場合は そのように回答していただいて構いません. また, コメントなども添えていただけると, たいへん嬉しく思います.
質問は以上のとおりです. それでは皆さんの回答と, その分析に行きましょう.
最高18時間 (2人) - ひゃー. マジですか? 失礼ですけど, ご飯食べてます? 風呂入ってます?
最低2時間 (1人) - おおぉ. ストイック.
平均は, 10.5時間. 思ったよりも長かったですか? それとも, 意外と短い? 普通に活動している時間を 14時間前後と考えると, ちょっと長いかも しれませんね.
会社員 56% 学生 17%, 研究, 教育関係者 13%, それに 会社役員と理事長, 無職が 4% ずつでした. 社会人は, コンピュータ関連の仕事をしている人が多いですね. また, 学生は全員が理工系の大学院生です. ここまでで「日本の Linux 情報」というのは, 一日平均 10時間コンピュータに向かう, 理工系の人が作るサイトということになるでしょうか.
最高 | 100% (6名) - おおお. Windows 全盛のこの時代に, Linux 以外は使わない, という人がこんなに. |
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最低 | 3% (1名) - サーバとして寡黙に動き続ける Linux. 普段の仕事は Windows これは比較的一般的とされる構図ですね. |
Webmasters 全体の平均利用率は約 82% です. 予想と比べてどうでしたか? さきの コンピュータ使用時間と利用率から, なんとなく Linux の平均使用時間を計算してみました.
最高 | 約 18時間 |
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最低 | 約 25分 |
平均 | 約 8.5 時間 |
もっとも, この数値はかなりデタラメです. 「80% の仕事をする」 といっても 80% の時間を Linux を使って費しているとは限らないからです. ひょっとすると, ほとんどの仕事を Perl なんかが cron と一緒に 自動で行っているかも知れませんからね. unix 系 OS は非常に柔軟な使い方ができるので, 「どれくらい使っているか」 を定量化するのは, そう考えるとあまり意味の無いことかもしれません. とはいえ, 先のコンピュータ使用時間の結果を考え併せると, 皆さん, 一日のうち相当の時間を Linux に費していると結論しても, 極端な誤りというわけではなさそうです.
Linux 以外に使われている OS には, Windows 一族(73%) FreeBSD(17%) の他に, MacOS (13%), それから Solaris (13%), HP-UX (4%) NEWS-OS (4%) などの商用 UNIX, それに MS-DOS(4%), B-TRON (4%), x68k (4%) などがありました.
最高 | 9年 (1名) |
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最低 | 1.3年 (1名) |
平均 | 約 5年 |
9年の使用歴を誇るのは, JLA 理事長です B). それ以外にも, それこそカーネルバージョン 0.x 時代からのユーザが ゴロゴロ. また, unix 系 OS の使用歴が 10年単位という人もけっこう居ます. 初の商業誌 Linux Japan の創刊が 1996年 11月, Linux が今のように注目を集めはじめたのが 1998年 ですが, 多くのメンバーはそれ以前から使っているということになります. webmasters の仕事にはコンテンツの制作だけではなく, サーバの維持管理も含まれます. そういった仕事を行うのは, コンテンツの編集権限をもった大勢のメンバーではなく, その中の一部, サーバホストのシェルアカウントを持っているメンバーです. これらベテランユーザの確かな仕事によって, 「日本の Linux 情報」のサーバは日々安全, 確実に運用されているのです.
とはいえ, そういったベテランだけで Webmasters が構成されているわけでは ありません. 非常に活発に活動しているメンバーには 使用歴 2年未満の人も 居ます. 初心者だからといって, 遠慮する必要は全くありませんし, やることが無いわけでもありません. html が書け, CVSが使えれば, Linux ユーザでなくとも Webmasters として 「日本の Linux 情報」で 記事を書く道は開かれています.
どうやら Webmasters の多くは相当コンピュータ 及び, Linux を使い込んでいる, と結論してもよさそうですね. ある意味で, それを裏付けるのが 次のデータ. すなわち,使っている, もしくは管理しているコンピュータの台数についての調査です.
最高 | 約 100台 (1名) ← 絶句...... |
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最低 | 1台 (2名) |
平均 | 約 12台 |
私物のコンピュータが 2台以上というのは, 数年以上コンピュータを使っていると 比較的一般的といえる状態ですが, それにしても管理しているホストが 平均で 約 12台というのは, いやはや. どこでもサーバやネットワークの管理者が不足していると聞きますが, その影響でしょうか. Webmasters の多くは本業の他に「日本の Linux 情報」の 運営, そして会社や学校のネットワーク管理も任されているわけです. それにしても 100 台も面倒をみている g 様って一体......
さて, どうやら(手前味噌で言いにくいのですが)いわゆる ベテランユーザ が多くを占める Webmasters ですが, 実際にどんなコンピュータを使っているのでしょうか? Linux は比較的 (何に比較して? :-) 強力でないマシンでも 良好なパフォーマンスを発揮すると言われていますが, それを頼りに古いマシンを使い回しているのでしょうか? それとも, 強力な新しいプロセッサと巨大なメモリを搭載した パワフルなマシンを使っているのでしょうか? 次のデータはメインで使っているマシンの CPUクロックに関するものです. 単位は MHz です.
最高 | 600x2 MHz (1名) |
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最低 | 60MHz |
x2 というのは, SMP 構成ということです. Linux カーネルではバージョン 2.2 から 本格的に SMP 対応が始まりました. それを活用したマシンをメインにしているメンバーが 3人居ます. 400MHz 以下のプロセッサをメインに使っているメンバーは全体の僅か 1/3 にしかすぎません. 多くのメンバーは, 現在手に入る最高性能の PC を使っていると言えるでしょう.
これはひょっとすると, Linux というのは使い方によっては かなり CPU パワーを必要とする OS だからかもしれません. その使い方とは, プログラミングです. ソースコードをコンパイルし, 不具合を調べるためにデバッガの制御下で プログラムを実行する. そういう使い方をする場合には, CPU はたとえ僅かでも 速い方がありがたいからです. 現に, 「よく使うアプリケーション」として gcc を挙げた人が 3人居ます.
平均クロック数は, 500MHz の 2個 SMP を 1GHz として計算 (笑) した場合, なんと 485MHz に及びます. この数値は冗談ですから本気にしないでね.
メモリやドライブも比較的気合いが入っています. RAID をメインで 使っている人も居ます. メモリは 最高 256MBytes (5人), ドライブは 最高 76GBytes (1人) それぞれの平均は約 167MBytes 及び 約 19GBytes でした.
Linux は比較的, 性能の良くない古いマシンでも良いパフォーマンスを出すと 言われますが, Webmasters のみんなは, 比較的高性能なコンピュータで Linux を使っているようですね.
次はディストリビューション/エディタ/シェル/ブラウザなど 利用しているプログラム に関する調査です. まずは ディストリビューションの調査結果から.
Debian | 56% |
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Kondara | 26% |
Vine | 13% |
Slackware | 4% |
コミュニティ色が強いディストリビューションが圧倒的なシェア (といっても 20名ちょっとの集団ですけどね) を誇っています. 特に, Debian と Kondara は圧倒的ですね. これに対して, Turbolinux, Red Hat などのビッグネーム(?) を使っている人はゼロです. Webmasters には, それぞれのディストリビューションに 深く関わっている人が何人か居ますが, やはり知っている人が作っているディストリビューションが安心できるという 事なのでしょうか? 残念ながら, 選択のポイントまでコメントを書いてくれた人が 居なかったので, ちょっと具体的な理由までは判らないのですが, ディストリビューションの特色を考えるとそういう解釈も成り立つ気がします. カーネルのバージョンは 2.2.13-15 がほとんどですが 2.0 系を使っている人が 2人, 2.4 を使っている人が 1人居ます. ちなみに 2.4 を使っているのはカーネル開発者 g 様です.
emacs系 をメインに使っている人が 74% 以上. 残るは 26% は vi 系か, あるいは Windows のエディタでした. emacs系のうちわけは, XEmacs が 21% で, 残る 53% が GNU Emacs と その派生 (mule-2.3 など) です. shell を含めて, あらゆるものを emacs から使わないと気が済まないという人も居ます. やはり emacs 系の人気は, 豊富な lisp パッケージに支えられて 高いようですね. もっとも, emacs 系と vi 系を場合によって使い分ける人もかなり見られました. 私もその一人で, 小さな設定ファイルの簡単な修正には専ら vi を使います. 「root の時は vi しか使わない」と答えた人も居ました.
bash | 47% |
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tcsh | 26% |
zsh | 26% |
Webmasters の宴会でも「bash と tcsh はどっちが良いか」 というような議論になることがたまにあります (笑). 手に馴染んだシェルは乗り換えるのが億劫なので, 多くの Linux ディストリビューションで デフォルトの login shell となっている bash の人気が高いのはうなずけますが, tcsh ユーザが多いのはどういう理由でしょうか? また, 高機能で知られる zsh のユーザもけっこう居ますね.
tcsh, zsh ともにデフォルトの login shell ではありませんから, それらユーザは bash から移行したか, あるいは Linux を使う以前からそれらの シェル, もしくは類縁関係にあるものを使っていたということになります.
「ブラウザ戦争」なんて言葉もありましたね. Webmasters にとっても, ブラウザは重要なプログラムですが, 何を使っているのでしょう? 「日本の Linux 情報」は CSS1 を使っているので, CSS を解釈できる ブラウザを使わないと, すくなくとも自分の書いた記事のチェックができないわけですが... 一方, 手に馴染めば非常に優れた使い勝手を発揮するテキストベースのブラウザにも 優れたプログラムが幾つかあります. こちらは起動も動作も軽快です. Webmasters の使っているブラウザは果して?
Netscape Navigator | 73% |
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w3m | 13% |
Internet Explorer | 4% |
やはり Netscape Navigator が圧倒的なシェアを持っていますね. テキストブラウザ w3m は テーブルのレンダリングもでき, ssl もマウスも使える優れもので, これが Netscape Navigator に続いていますが, 全体からみればごく僅かです.
ただ, これは主に Linux 上に限定した場合です. Windows 上でもブラウザを使う人は Webmasters にもけっこう多いので, 実際にはもう少し Internet Explorer の ユーザが居るかもしれません.
これは大きく票が分かれました. Webmasters らしく cvs と答えた人がけっこう多く, 2割強. その他に, IRC クライアントを挙げる人, apt-get, メーラとして Mew, cur, Wanderlust 等, プレゼンテーションツールの magicpoint, 更には gphoto, TeX, GIMP, Xnest とバラエティに富んだ答えが 返って来ました. Linux で使えるアプリケーションプログラムが それだけ豊かになっていると言えるでしょう.
学校や職場で専用線が使えるという人がほとんどですが, 専用線を自宅にも引いているという人が 17%. 自宅は ISDN という人が 35% 自宅は ダイアルアップというひとは 22% です. また, 自宅は ケーブルテレビ接続という人も 2名居ました. その一方で, 接続手段がダイアルアップのみ, という人も 1割強含まれています. なお, Webmasters の作業にはそれほど高速なネットワークや 常時接続環境は必要ありませんから, 普通のダイアルアップ接続でも 実作業には, 何の問題もありません.
とはいえ, 上の状況を見る限りは, 皆さん, なかなか強力な接続環境のようですね, そんな環境で, ネットワークをどんな用途に使っているのでしょう? IRC, メール, ウェブ, ニュース, その他として順位を付けてもらいました.
1位にメールを挙げた人が 57% です. 2位まで含めるとじつに 86% がメールを 挙げています. やはりメールの読み書きは非常に時間がかかるということでしょうか. 流量の多いメーリングリストに複数加入した場合, 1週間で数メガバイト溜ってしまう ことも珍しくありません. IRC (Internet Relay Chat) を 1位とした人も 26% にのぼりました. この結果を見る限り, Webmasters にとって, ネットワークを使っている時間とはすなわち, 他の人々との交流の時間と結論して良さそうです. 一方, ニュースにさく時間が最も少ない, あるいは見ない, と答えた人が 80% も居ました.
Webmasters としての作業は記事の執筆/保守とサーバの運用で, プログラムの作成はメインではありませんが, プログラミングの好きなメンバーはけっこう多いようです. 当サイトの運営や記事の作成など, いろいろなところでメンバーが自作した, あるいはパッチをあてたツールが使われています. メンバーの好む言語はどんなものでしょう?
結果は, ここも 「アプリケーション」同様, 票が割れました. 人気の言語は C (22%), Perl (17%), LISP系 (emacs-lisp, scheme) (13%) などポピュラーなもの になっていますが, それ以外に人気があったのが, 近年躍進著しい Ruby(13%) です. 他には, 数値計算に歴史と伝統の Fortran, そして shell script, Java, 更には Visual Basic :) を挙げた人も居ました. また, 複数の言語を目的に応じて使い分けるという人がけっこう居ます. いずれにせよ, この結果は Linux の誇る, 豊かな開発環境を雄弁に物語っていると 解釈できそうですね.
95% が X を使っています. ウィンドマネージャは X の環境の使い勝手とルックスの大きな部分を占めるので, 好みの分かれるところですが....
WindowMaker | 30% |
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sawmill | 21% |
Enlightenment | 17% |
その他, kwm (KDE), IceWM, fvwm2, afterstep, qvwm などに加えて, Webmasters メンバである小松さんのオリジナル, Gtk 製 ウィンドマネージャ amaterus (天照) も入っています.
ここも票が割れていますが, WindowMaker が一番人気なのはどういうわけでしょうかね. じつは私も使っていますが, その理由は, そこそこカッコよくてまあまあ軽く, わりと安定して動く, といったところなのですが, 他の人はどう思っているのでしょうか. 一位といってもたった 3 割ですから, この項目に関して言えば「一番人気」 と断言できるものは事実上存在しません.
ここ1年ほど, 何かと話題になった「デスクトップ環境」ですが, 「使ってない」と答えた人が 35% 居ました. 残る 65% のうち, GNOMEユーザが 56% で, デスクトップ環境としては 圧倒的な使用率です. KDEユーザは 9% でした. また, 特に sawmill ユーザは全員が GNOME を使っています. 一方, WindowMaker ユーザは半分が ウィンドマネージャを素の状態で 使い, デスクトップ環境を利用していません.
デスクトップ環境を使っているユーザと使っていないユーザ, それぞれ CPU クロック数を比較すると, 使っているユーザの平均は 545MHz に対して 使っていないユーザは 389MHz また, 搭載メモリも デスクトップ環境ユーザは 179MBytes に対して そうでないユーザは 140MBytes でした. 母集団が小さいので意味の無い数値でしょうが, 結果だけを見れば 高性能マシンに高機能なデスクトップ環境という組合せとも言えます. ただ, GNOME をインストールはしたものの, 実際にはほとんど使っていない, と答えたひともけっこう居ました.
shell や emacs の方が何かと無理が効き, 動作も速いので, 経験のあるユーザはキャラクタベースのインターフェースを好む傾向がありますが, その割には Webmasters におけるデスクトップ環境の利用率は高いと私は感じました.
最後になりましたが, Webmasters が Linux コミュニティで感じていること に関する項目を分析してみましょう.
Linux コミュニティなどで時々使われる謎の語彙, 「アレゲ」
その意味を Webmasters はどう捉えているのでしょうか.
結果としては, 大きく分けて次のような場合がありました.
意味不明とする | 17% |
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否定的な解釈をあたえる | 30% |
肯定的な解釈をあたえる | 26% |
解釈をあたえるが, 価値判断としては中立 | 34% |
中立的に意味内容を分析した例として, 次のようなものがありました.
これらの意見を無理に一般化して考えるならば, 「はみ出している」という概念が「アレゲ」の 意味の基底にあると言えるかもしれません. 最後は unix コミュニティでよくみかける再帰的定義の例でしょうか.
一方, 否定的なニュアンスを感じとる人がけっこう多かったのも 印象的でした.
これに対して, こちらは若干少なかったのですが 「アレゲ」に積極的な価値を認める人も居ます.
最後のは, 肯定的なのかどうか, やや自信が無いのですが (笑)...
このように, 価値判断が分かれる語彙というのは, 元来は肯定, 否定いずれの価値も担っておらず, そのような判断とは独立な概念を表現している場合がけっこうあります. 例えば ghost と guest は語源を共有し, 「外来の未知なもの」 という意味を持っていたようですが, それが肯定, 否定の二つの価値を付与され, 異なる語彙に分離しました. 「アレゲ」が今後, どのような意味内容をもって使われるようになるのか, 予測するのは困難ですが, 現状をみるかぎり, 元来は, 少なくとも一部は 価値判断的に中立な概念として, 「はみ出ている」「イレギュラーな」 といったものを表現していたのだと思われます.
とはいえ, このように価値判断において対立した解釈が 同時的に存在している語彙を用いるときは, それを自分とは全く異なった 解釈の下に使用する人が居ることに十分気を付ける必要があるかもしれません.
よかったこと | 友達/知り合いが増えた | 52% |
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素敵な作業環境 | 39% | |
楽しい | 17% | |
充実したプログラミング環境 | 13% | |
安い | 8% | |
残念だったこと | 特に無し | 43% |
時間がとられる | 13% | |
悪口を言われる | 8% |
いずれも複数回答です. 良かったこととして, 友達/知り合いが増えたことを挙げた人が半分以上に のぼりました. じつは, 私もその一人です. この世界, 楽しく, しかもスゴい人達が居るので, そういう人々と知り合うことができるのが大変楽しいですね.
unix 系の OS は手に馴染むと素晴らしい生産性を発揮しますが, それを挙げた人も多く居ました. GPL でリリースされているプログラムは自由に改造できるので, ここは充実したプログラミング環境と本質的に重なるところがありますが, 自由と使いやすさという点も, Linux の持つ良いところですね.
一方, マイナス面としては, 特に無し, とした人が 半分ちかくに のぼりました. それ以外には, 時間がとられる, と答えた人が多くなっていますね. 好きこのんでやっていることとはいえ, かなりの時間をつぎこんでしまう ケースも多いので, 本業や家庭とのバランスを取るのはなかなか 大変な場合も多いということでしょうか. また, 悪口を言われる, というのを挙げた人が, 2名 居ました. これについては, 何とも申し上げにくいものがありますね. こういったことがあるのは悲しいことですが, 残念ながら事実でもあります.
アンケート結果の集計と分析には, GNOME プロジェクトで開発された 表計算プログラム 「gnumeric」を使いました. 非力なハードウェアでも軽快に動作し, 日本語も扱え, 十分な機能を備えた優れたプログラムだと思います.
さて, 「Webmasters にききました」はこれで終りです. いかがだったでしょうか. 日本にも, また, 世界中にはそれこそ いろいろなオープンソース関連プロジェクトがあります. プロジェクト毎にそれぞれ違った雰囲気やしきたり, またメンバーの「濃さ」 がありますので一概には言えませんが, この記事がそういったコミュニティの雰囲気を感じとる一助になれば 幸いです.
Linux ユーザとなったからには, ただそれらプロジェクトの成果の 恩恵を受けるというだけではなく, そういったプロジェクトに参加して, 積極的に Linux に関わってみる, というのはいかがでしょう. そうすれば, Linux が持っている別の側面, また, それを作った人々の気配が感じられ, ぐっと面白さが違ってくるはずです.
Webmasters では, そしてもちろんその他のプロジェクトも, 常に新しいメンバーを募集しています!