3.15. ドッキングステーションとの接続

Dag Brattli さんによると「 Tekram IRDocking IR-660 との接続についてです。 このデバイスはドッキングステーションで、LAN 接続、プリンタ、マウス、キーボードの各インターフェースを持っています。 内蔵のマウスやキーボードと同時に利用することもできます。 単に gpm -t ps2 /dev/irkbd とすれば、ラップトップは IR-660 との間でキーボードとマウスの接続を作成します。 後は単に gpm が /dev/psaux と /dev/irkbd の両方を読むように直し、X11 が /dev/gpmdata を読むようにして、設定一丁あがりです」

「 ...問題が一つあって、gpm は複数のマウスを扱えますが、Linux は複数の別々のキーボードを扱えません。 このため、私のようにノルウェー語配置のキーボードとリモートの US キーボードを使っている場合は、操作時に混乱します。 この件については Alan Cox さんから、複数のキーボードを実際にサポートしようとしているプロジェクトのヒントを貰ったので、調べてみるつもりです」

「 ...OK。だいたい動くようになりました。/dev/console で TIOCSTI を使って、スキャンコードを直接 tty queue に入れることができます。 これは、ある程度変換・加工済みのキーコードを期待する仮想コンソールにとっては問題となるのですが、X はたまたま生のスキャンコードを望むので、 X を使っているときはとても良好に動作します。 その他の仮想コンソールでは動作しませんが。 まぁ、私にとってはこれで十分なので、単にテキストだけの仮想コンソールで動作させるために、 スキャンコードをキーコードに変換してキーマップに従って振り分けることに多大な時間をつぎ込む気はありません。 見たところ、irkbd ドライバはユーザ空間にうまく持ちこめているようです」

「 ...Tekram IR-660 デバイスは、キーボードとマウスをつける以外に IrTTP を使ったプリンタ接続ができます。IrLPT を使っても印刷はできますが、この場合 IrLMP との排他利用が必要になるので面白くありません。 文書を印刷するだけのためにネットワーク、マウス、キーボードを止めたくはありませんから。 fifo バッファを使った IrTTP プリントができるかどうか試してみるつもりです」

「 ...Tekram はデータチャネル以外にも制御用のチャネルを加えていますので、進行中の通信のステータス情報を多少得ることができます。 Tekram の専用プロトコルの名前は P1248 です。これは "P1248" クラスの "IrDA:TinyTP:LsapSel" LM-IAS エントリとして公開されているので、探してみてください」

「 ...Canon は P1248 プロトコルを使っており、Canon のプリンタモニタプログラム PrintBuddy2 (日本語版) はそのプロトコルを現在使っています。 Canon がデータチャネルを使っていない理由は分かりません。多分 TinyTP を他の方法に加える形でサポートしたかったためではないかと思います。 "IrLPT" クラスの LM-IAS 中の "IrDA:TinyTP:LsapSel" として試したり見たりできますので、探してみてください」