3.13. Linux と Linux の接続

3.13.1. 接続用モジュール

Linux/IrDA で2台の linux マシンを接続するには4とおりの方法があります。

  1. Dag Brattli さんが IrOBEX サポートについて書いています 「目をぱっちり開けているユーザなら、Linux 間でファイルを IrDA で送信できない理由が何かと首を傾げているかもしれません。 実のところ、そんな理由は何もありません (私自身はまだ試していませんが)。 つまり、linux ラップトップ間でファイルを送受する簡単な方法が、 既に手持ちにあるということです。 これはひょっとすると、待ち望まれている "キラーアプリケーション" なのかもしれません。"load_misc irobex" と両側のマシンで実行して、一方の側で "iroabex_app get" とし、他方で irobex put <file> としてください」

  2. Linux/IrDA のネットワーク接続を用いて。多分 irlan_client を一方のマシンで、 irlan_server を他方のマシンでロードする必要があると思います。

  3. IrCOMM サポートを用いた場合、言い換えるとシリアルライン上の場合、minicom や pppd などを使うことになります。 単に IrCOMM だけを二台の Linux マシン間で使う場合、 *一方*のマシンの /etc/conf.modules に以下の行を付け加えてください。

    # set ircomm protocol engine to client-only mode
    options ircomm ircomm_cs=1

    この行を両方のマシンに加えてはいけません。 さもないと、両方とも相手からの通信を受け付けることができなくなります。 またカーネル 2.2.7 以降では /etc/conf.modules に ircomm_cs=1 を加える必要はなくなっています。この指定を使っている場合、削除してください。

  4. IrNET: 次の IrNET リンク 参照。

3.13.2. 圧縮について

この機能はまだ全く実験中のものであることに注意してください。Dag Brattli さんによると「とりあえず圧縮サポートを IrLAP に加えたことをお知らせしま す。ご存じかと思いますが、これは IrDA(TM) 標準の一部では*ありません*が、 Linux 間では通信路で同じ圧縮機能があるかどうかのネゴシエーションを行うことができます。 このため、Win95 や Palm III その他との間では、全く圧縮機能は使えません。 これは私の知る限り Linux のみ、の機能です。 IrDA(TM) 標準では、デバイスは協議用のヘッダの未定義部を無視すべきとなっていますので、この機能は IrDA(TM)『互換』です (未使用のヘッダの値を使っているため)。

圧縮コードを試してみたい (Linux <-> Linux で) 場合、実際に接続を行う前のどこかの時点で irda_deflate モジュールをロードしてください。私は irattach の前に行っています。

ここで加えている圧縮は、RFC (Request for Comments) 1950 から 1952 までで規定された圧縮標準の実装である zlib ライブラリを使っています。 詳細については ftp://ds.internic.net/rfc/rfc1950.txt (zlib フォーマット)、rfc1951.txt (伸張フォーマット)、rfc1952.txt (gzip フォーマット) の各 RFC を参照下さい。

圧縮インターフェースは PPP と似ており、いろいろな圧縮機能を好きなだけインストールできます。 現時点では GZIP のみがサポートされていますが、BSD 圧縮も後で加わるでしょう。とりあえず GZIP 圧縮を 4Mbps で試したところです。 これは大失敗で、フレームの圧縮にあまりにも時間がかかったため、性能は圧縮を使わないときより実際のところ劣化しました。 結論としては、圧縮は SIR 速度でだけ使うべきだ、ということでしょう」