ブートローダは、3 つのタイプのメッセージを生成します−それがロードされる間の 進行状態とエラーメッセージ、ディスクアクセスエラーを示すメッセージ、そして 誤ったコマンドラインに対するメッセージです。最後のタイプのメッセージは、通常 自己弁明なので、他の2つの種類しか説明しません。
LILO は自分自身をロードする時に、``LILO''という単語を表示します。それぞれの 文字は、特定の動作が遂行される前か後に表示されます。もし LILO がある時点で、 失敗をすると、文字はそれ以上表示されないので、問題の特定に役立ちます。これに ついてのより詳細な内容は、テクニカル概要で説明されています。
もし一時的なディスクの問題が起きた場合、最初の``L''の後に、16 進数の数値が 表示されることあることに注意してください。そこで LILO が止まらない限り、 エラーコードが無限に表示され続けますが、この 16 進数は決して深刻な問題を 示している訳ではありません。
(<何もなし>) |
LILO のどの部分もロードされていません。LILO がインストール されていないか、ブートセクターのあるパーティションがアクティブでないと 考えられます。
L <エラーコード> ... |
第 1 ステージブートローダがロードされ、実行開始され ましたが、第 2 ステージブートローダをロードすることができていません。2 桁 の数値のエラーコードは問題の種類を示しています。(ディスクエラーコード セクションを参照してください) この状態は通常、メディアの故障か、ジオメトリ の不一致 (例えば誤ったディスクパラメータなど。 ディスクジオメトリセク ションを参照してください。) です。
LI |
第 1 ステージブートローダは、第 2 ステージブートローダをロードすること ができましたが、それを実行するのに失敗しました。この原因は、ジオメトリの 不一致か、/boot/boot.b を動かしたにも関わらず、マップインストーラを実行し なかったかのいずれかです。
LIL |
第 2 ステージブートローダが実行開始されましたが、マップファイルから、 ディスクリプターテーブルをロードできませんでした。この原因は、通常メディア の故障か、ジオメトリの不一致です。
LIL? |
第 2 ステージブートローダが、誤った場所にロードされました。この原因 は、通常、僅かなジオメトリの不一致か、/boot/boot.b を動かしたにも関わらず、 マップインストーラを実行しなかったかのいずれかでしょう。
LIL- |
ディスクリプターテーブルが壊れています。この原因は、ジオメトリの 不一致か、/boot/map を動かしたにも関わらず、マップインストーラを実行しな かったかのいずれかです。
LILO |
LILO のすべての部品が正常にロードされました。
LILO がブートイメージをロードしようとした時に、BIOS がエラーを知らせてきた 場合、それぞれのエラーコードが表示されます。以下に既知の BIOS エラーコード を示します。
0x00 "Internal error". (内部エラー) |
このコードは、LILO ブートローダのセクターリード ルーチンが内部の矛盾を見つけたときに生成します。これはファイルが破壊 されたときなどによく起こります。マップファイルを再作成してください。 他の原因としては、LINEAR オプションを使用して、1024 シリンダー以降に アクセスしようとした時です。詳細と問題の解決方法は、BIOS 制限の セクションを参照してください。
0x01 "Illegal command". (誤ったコマンド) |
このエラーは起こらないはずですが、もし起きた のなら、たぶん BIOS でサポートしていないディスクにアクセスしようとした のでしょう。警告 セクションの Warning: BIOS drive 0x<数値> may not be accessible を参照してください。
0x02 "Address mark not found". (アドレスマークが見つかりません) |
このエラーは通常はメディアの 問題を示しています。何度か起動を繰り返してみてください。
0x03 "Write-protected disk". (ディスクが書き込み保護されています) |
これは書き込み操作の時に のみ起こるでしょう。
0x04 "Sector not found". (セクターが見つかりません) |
これは大抵ジオメトリの不一致を示して います。生で書かれたディスクイメージを起動する場合、あなたが使っている ディスクと同じジオメトリでそのイメージが作成されているか確認してください。 もし SCSI ディスクや大容量の IDE ディスクから起動する場合は、カーネルから LILO が正しいジオメトリデータを得ているか、本当のディスクジオメトリに対応 したジオメトリ定義かどうかを検査すべきです。(ディスクジオメトリ の セクションを参照してください)COMPACT オプションの削除も何かの解決になる かもしれません。また LBA32 または LINEAR の追加も同じです。
0x06 "Change line active". (ラインアクティブ変更) |
これは一時的なエラーのはずです。もう一度 起動してみてください。
0x07 "Invalid initialization". (初期化失敗) |
BIOS が正しくディスクコントローラを初期化できません でした。BIOS のセットアップパラメータを調整する必要があります。ウォーム ブート(暖まっている状態での起動)も何かの解決になるかもしれません。
0x08 "DMA overrun". (DMA オーバーラン) |
これは起こりえません。再起動してください。
0x09 "DMA attempt across 64k boundary". (DMA が 64k 境界と跨いでいます) |
これも起こりえないはずですが、 ディスクジオメトリの不一致が起きているかもしれません。COMPACT オプション を省いてみてください。ディスクジオメトリを自分で指定する必要があるかも しれません。
0x0C "Invalid media". (メディア異常) |
これも起こりえないはずですが、メディアに異常が あるかもしれません。再起動をしてみてください。
0x10 "CRC error". (CRC エラー) |
メディアの異常が見つかりました。何度か起動を試みて もう一度マップインストーラを実行(マップファイルを他の物理的な場所に置くか 悪い部分を正しいデータで上書きするため)し、悪いセクターやトラックはマップ されないようにしてください。すべてがうまくいかないようなら、メディアの交換 をしてください。
0x11 "ECC correction successful". (ECC 訂正成功) |
読み込みエラーが起きましたが、訂正されました。 LILO はこのことを認めず、起動処理を中止します。もう一度起動を試みれば、 成功するはずです。
0x20 "Controller error". (コントローラエラー) |
これは起こりえないことです。
0x40 "Seek failure". (シーク失敗) |
これはメディアの問題です。再起動してみてください。
0x80 "Disk timeout". (ディスクタイムアウト) |
ディスクまたはドライブが準備できていま せん。メディアの不良か、ディスクが回っていません。フロッピーから起動しよう としているなら、ドライブの蓋を閉めてないだけかもしれません。そうでないなら 起動し直せば、解決するかもしれません。
0xBB "BIOS error". (BIOS エラー) |
これは起こりえないはずです。もう一度起動をしてみて ください。もし問題が治まらないなら、COMPACT オプションを削除するか、LINEAR オプションや LBA32 オプションを追加/削除をすれば、解決するかもしれません。
書き込み操作の途中で、エラーが起きた場合、エラーコード(2 桁の 16 進数)の前に ``W''が付きます。書き込みエラーは、起動プロセスに影響はないのですが、大抵は、 LILO が誤った場所に書き込もうとしていると考えられるので、深刻な問題を引き起こ す可能性があります。もしシステム上で原因不明の書き込みエラーが起こるようなら、 LILO を読み込み専用に設定するのもいいかもしれません。(ビルド時の設定セク ションを参照してください)
一般に無効なジオメトリや最新の BIOS を使用しないで 2 つ以上のディスクを使用 しようとすると、紛らわしいエラーコードを吐くことがあります。/sbin/lilo が何も 警告を出していない時は、注意深くチェックしてください。それから LINEAR または LBA32 オプションを使ってください。(グローバルオプションセクションを参照 してください。