マップインストーラ(/sbin/lilo)が出力するメッセージの殆どは、自己弁明的な ものです。共通のエラーであることを指し示すいくつかのメッセージを以下に記載 します。それらは、致命的なエラーと警告(致命的でないエラー)に分類されます。
Boot sector of <デバイス名> doesn't have a boot signature Boot sector of <デバイス名> doesn't have a LILO signature |
LILO がアンインストールされるべきセクターが、LILO のブートセクターでは ないようです。
Can't put the boot sector on logical partition <数値> |
論理領域にあるルートファイルシステムパーティションに、LILO のブート セクターを置こうとしています。これは通常は、期待するような結果が得られ ません。なぜなら一般の MBR は基本領域しか起動できないからです。この検査 は、-b オプションか、BOOT 変数を設定して、明示的にブートパーティションを 指定することによって、回避することができます。
Checksum error |
マップファイルのディスクリプターテーブルに無効なチェックサムがあります。 直ちに、マップファイルを更新してください。
Device 0x<数値>: Configured as inaccessible. |
BIOS からアクセスできないデバイスを指している DISK セクションのエントリ があります。起動時に LILO がアクセスしようとするすべてのファイルが正しい デバイス上に存在するか、注意深くチェックするべきです。
Device 0x<数値>: Got bad geometry <セクター>/<ヘッド>/<シリンダー> |
SCSI コントローラのデバイスドライバがジオメトリの探知をサポートしていま せん。ジオメトリを明示的に指定する必要があります(ディスクジオメトリ セクションを参照してください)。
Device 0x<数値>: Invalid partition table, entry <数値> |
指定されたパーティションの最初のセクターの3次元アドレスとリニアアドレス が一致しません。これは大抵、パーティションの作成の際、パーティションを トラック毎に割り当てないようなプログラムを使用した後で、そのディスク上で、 PC/MS-DOS や OS/2 を使うと起こります。LILO はこの問題の修復を試みること ができます。一般のイメージ毎のオプション セクションを参照してください。
Device 0x<数値>: Partition type 0x<数値> does not seem suitable for a LILO boot sector |
LILO のブートセクターが置かれるべき場所が適当でないようです。(ディスク構成セクションも参照してください) 現実の利用を反映したパーティション タイプに調整するか、別のパーティションにブートセクターを置く必要があり ます。もし IGNORE-TABLE オプションが指定されていた場合、この整合性検査は 警告を発するだけで、LILO の動作は継続します。
<デバイス名> is not a valid partition device |
指定されたデバイスは、そもそもデバイスでないか、ディスク全体を指している か、そのエントリに指定されたものとは違うディスクのパーティションを指して いるかのいずれかです。
<デバイス名> is not a whole disk device |
ディスク全体のジオメトリ (例えば /dev/hda, /dev/sdb, など)だけが、DISK セクションに再定義されています。
DISKTAB and DISK are mutually exclusive |
ディスクタブファイルとディスクジオメトリ定義は、同時に同一の設定ファイル で使うことはできません。/etc/disktab は下位互換性のためにデフォルトで有効 になっているので、たまたま使用してしまったのでしょう。DISK セクションに 変換定義を正しく記述したら、/etc/disktab は削除したほうがいいでしょう。
Duplicate entry in partition table |
あるパーティションテーブルエントリが重複して定義されています。fdisk を 使って、パーティションテーブルを修正すべきです。
Duplicate geometry definition for <デバイス名> |
設定ファイル内で、同じデバイスに対して、重複してディスク、またはパーティ ションのジオメトリの定義がされています。ディスク全体に対して、決してパー ティションセクションを記述してはいけないことに注意してください。その先頭 セクターは、常にディスクの最初のセクターだからです。
First sector of <デバイス> doesn't have a valid boot signature |
指定されたデバイスの先頭セクターは有効なブートセクターではないようです。 指定デバイス名を間違えていると思われます。 [1]
geo_comp_addr: Cylinder <数値> beyond end of media (<数値>) |
ファイルブロックが最後のシリンダーを越えた位置にあるようです。それは ディスクジオメトリの記述に誤りがあるか(ディスクジオメトリセクション を参照してください)、ファイルシステムが壊れていることを意味します。
geo_comp_addr: Cylinder number is too big (<数値> > 1023) |
あるファイルのブロックが、ハードディスクの 1024 シリンダーを超えた位置 にあります。BIOS がシリンダー数の範囲を、0 から 1023 の範囲に制限している ので、LILO はそのようなファイルにアクセスできせまん。それらのファイルを 別の場所、もしできれば、全体がディスクの先頭から 1024 以内にあるような パーティションに移動してみてください。
Hole found in map file (<場所>) |
マップインストーラがディスクの構成において混乱しています。このエラーに ついては、作者に連絡してください。
<項目> doesn't have a valid LILO signature |
指定された項目は存在はしていますが、LILO の一部ではありません。
<項目> has an invalid stage code (<数値>) |
指定された項目は、たぶん壊れています。LILO を再作成してください。
<項目> is version <数値>. Expecting version <数値>. |
指定されたものが、古過ぎるか、新らし過ぎます。LILO の全ての構成物(マップ インストーラ、ブートローダ、及びチェーンローダ)が同じ配布物のものか確認 してください。 [2]
Kernel <名称> is too big |
カーネルイメージ(セットアップコード以外の)が、512 kbytes(LARGE_EDBA でビルドされていた場合、448 kbytes)より大きいです。LILO はそのような カーネルをロードする時、自分自身を上書きします。この制限は、0x1000 以下 にロードされる古いカーネル(たとえば``Image''や``zImage'')の場合のみ 適用されます。``bzImage''でカーネルをビルドしてください。もしそれをしたく ない場合は、使っていないドライバを削除して、カーネルをコンパイルしてくだ さい。またカーネルが壊れていたり、たとえば完全なブートフロッピーをハード ディスクにコピーしたためにカーネルがごみを含んでいるような場合にもこの エラーが起こることがあります。
LOCK and FALLBACK are mutually exclusive |
LOCK と FALLBACK は共にデフォルトコマンドラインを変更するので、当然共に 用いることはできません。
Map <パス> is not a regular file. |
このエラーが出るのは、たぶん -m /dev/null などと指定して、マップファイル の書き込みを省略したためです。これを行うには、-t オプションを指定するべき です。
Must specify SECTORS and HEADS together |
``変な''セクター数を持ったディスクは、同時に``変な''ヘッド数を持っている ものです。それゆえ、両方指定するか、いずれも指定しないかしか許されません。
No geometry variables allowed if INACCESSIBLE |
あるデバイスが、INACCESSIBLE(ジオメトリの指定 セクションを参照して ください)として指定されているのに、DISK セクションにジオメトリ関連の変数 がありません。
No image <イメージ> is defined |
-R オプションや FALLBACK 変数に指定されたコマンドラインに有効なイメージ の名称がありません。マップファイル内に含まれていない任意のイメージは、 有効なものと見なされないので、注意してください。
Partition entry not found |
他のオペレーティングシステムが起動されるべきパーティションが、指定された パーティションテーブルにありません。これは誤ったパーティションテーブルを 指定したか、論理パーティションから起動しようとしています。後者は通常は、 動作しません。このチェックを避けるには、パーティションテーブルの指定を 省略してください(つまり TABLE 変数を省略する)。
Single-key clash: "<名称>" vs. "<名称>" |
指定したイメージのラベルとエイリアスが、それらのいずれかが1文字で、 SINGLE-KEY オプションが指定されていて、かつ他にその文字で始まるものが 存在しているため、衝突しています。
Sorry, don't know how to handle device <数値> |
LILO がディスクジオメトリを容易に決定できないようなデバイス上のファイル を使っています。そのようなデバイスは明示的に指定されなければいけません。 ディスクジオメトリ セクションを参照 してください。
This LILO is compiled READONLY and doesn't support ... |
LILO が起動時のディスクへの書き込みを許されていない場合(ビルド時の設定 セクションを参照)、 LOCK や FALLBACK のようなオプションは利用でき ません。
This LILO is compiled without REWRITE_TABLE and doesn't support ... |
LILO が起動時にパーティションテーブルの書き換えを許されていない場合は (パーティションテーブルの書き換えセクションを参照)、ACTIVATE や SET(CHANGE セクション内)オプションは利用できません。READONLY を有効に して、LILO をコンパイルした時もこのエラーが表示されることがあります。
Timestamp in boot sector of <デバイス> differs from date of <ファイル> |
ブートセクターのバックアップが、現在のブートセクターのバックアップでは ないようです。もしブートセクターが絶対正しいと確信が持てるなら、-u の 変わりに、-U を使うことで、このチェックを回避することができます。
Trying to map files from unnamed device 0x<数値> (NFS ?) |
これはたぶん、下記のものと同じ問題で、ただルートファイルシステムが、NFS 上にあるという違いだけでしょう。
Trying to map files from your RAM disk. Please check -r option or ROOT environment variable. |
あなたか、インストールスクリプトが、RAM ディスク上のファイルをアクセス しなければならないような方法で、LILO を作成しようとしています。もし違う ルートディレクトリに対して LILO を作成するなら、ROOT 環境変数は、有効な ルートデバイスのマウントポイントが設定されていなければなりません。 マップの作成、または更新 と 初期インストール の セクションも参照してください。
VGA mode presetting is not supported by your kernel. |
カーネルソースが非常に古い(93年?)ようです。VGA オプションを削除すれば 動作するかもしれません。 write <項目>: <エラー理由> ディスクが一杯か、書き込み不可でマウントされています。
``Warning''というラベルの付いたメッセージは、NOWARN オプションを用いることで 表示しないようにすることができます。
FIGETBSZ <ファイル名>: <エラー理由> |
マップインストーラは、ファイルシステムのブロックサイズを決定することが できません。2 セクター(1kB)だと仮定します。
Ignoring entry '<変数名>' |
指定された変数と同じものがコマンドラインで指定されましたので、設定 ファイルのエントリは無視されます。
Setting DELAY to 20 (2 seconds) |
ローカルのディスプレイから実行されないシステム上で、もし誤ったカーネルや 他のオペレーティングシステムが起動されると、非常に面倒なことになるので、 もし SERIAL 変数が設定されいる場合は、DELAY を、2 秒に設定します。
(temp) <項目>: <エラー理由> |
表示された理由により、一時ファイルの削除に失敗しました。
Warning: BIOS drive 0x<数値> may not be accessible |
殆どのバージョンの BIOS は、2 つのフロッピーと 2 つのハードディスクしか サポートしないので、増設ディスクに置いたファイルはアクセスできません。 この警告は、いくつかのカーネル、いや全システムさえ起動不能になるかもしれ ないことを示しています。
Warning: COMPACT may conflict with LINEAR on some systems |
その他の問題セクションのこの問題 についての説明を参照してください。
Warning: <設定ファイル> should be owned by root |
一般ユーザによるシステムの破壊を防ぐために、設定ファイルはルートオナー にして、他のすべてのユーザが書き込めないようにすべきです。
Warning: <設定ファイル> should be readable only for root if using PASSWORD |
PASSWORD オプションを利用しているときは、一般ユーザには設定ファイルの 読み込み権限も与えるべきではありません。なぜならパスワードは暗号化され ないからです。
Warning: <設定ファイル> should be writable only for root |
Warning: <設定ファイル> should be owned by root を参照してください。
Warning: device 0x<数値> exceeds 1024 cylinder limit |
ディスク、またはパーティションが、BIOS による 1024 シリンダーの制限を 越えています。これは現在のインストールの実行や後のインストールの実行の 致命的なエラーの原因になります。詳細は、geo_comp_addr: Cylinder number is too big (<数値> > 1023) を参照してください。
Warning: <デバイス> is not on the first disk |
指定されたパーティションが第 1 ディスクにないようです。特別なブート マネージャを使わない限り、LILO のブートセクターは、第 1 ディスクからしか 起動することはできません。
WARNING: The system is unbootable ! |
以前のインストール手順の一つが失敗しました。この警告は通常は、この問題 を説明する致命的エラーが後に続きます。
[1] | 異なったパーティションプログラムは、異なった順序でパーティションを表示 しますから、あなたが先頭のパーティションだと思っているパーティションは、 /dev/hda1 などではない可能性があります。パーティションの中身を確認する 最もいい方法は、そのパーティションをマウントしてみることです。 |
[2] | ファイルのバージョン番号は、ファイルのフォーマットが変わったときにしか 変わらないので、期待したバージョンと、LILO のパッケージのバージョンとが 異なっている場合があります。 |