株式会社オーム社 様のご厚意により,
書籍 "今日から Debian GNU/Linux 2.2" を
ブックレビューコーナー にご献本いただきました.
この本のレビューをして頂くべく,
Linux Users ML
や本サイトにおいて
公募
を行い,
これにご希望頂いた方々より感想などをレビュー記事にまとめていただきました.
ここに, レビューアの方々から寄せられたレビュー記事を公開します. (原稿到着順)
株式会社オーム社 様および レビューアの皆様のご厚意に感謝いたします.
この書籍に関する, 著者による追加情報のページ が公開されています. あわせてご覧ください.
なお, 以下のレビューは初版を対象としています.
見た目は薄く, この本が 3,200 円というのは少し高いのではと思っていたのだが, 内容を一通りみてみるとそのような考えは一気に吹き飛んでしまった. かなり内容が濃く, 密度が高いとでもいうのだろうか. 表現しがたい良さをこの本は持っている.
まずはこの本に書いてあるとおりに Debian をインストールしてみたところ, ちゃんとインストールすることができた. 初心者向けのインストール本としてはかなりいいと思う. だが, 人間が書く以上当然のことかもしれないが, 問題点もあった.
一つ目に詰まったのは LILO の設定だ.
この本では他のブートローダーを使う場合は mbr をインストールするかという質問に No と答えればいいと書いてあり,
それだけでブートはできるようなことが書いてあったのだが,
その通りにしてみたところ, ブートできなかったのだ.
私はブートローダーに「GAG」を使っているのだが,
これでエラーが出てしまった. 後で lilo.conf
を見直してみたところ,
ルートパーティションが /dev/hdb5
で, そこにブートローダーを入れたいのに,
間違って /dev/hdb1
に入ってしまっていた. これはバグかもしれないが,
注意書きとして書いておかないと初心者の方などは詰まってしまうかもしれない.
フロッピーから起動してあとから lilo.conf
をいじればいいかもしれないが,
さらにその後の LILO の設定を説明しているところで,
boot=/dev/hda
というところでブートするハードディスクというように書かれていた.
LILO を置くパーティションとした方が分かりやすいと思う.
以降はこの本に沿ってインストールしていくだけで問題なく Debian をインストールすることができた.
二つ目は, これ以降の dselect
に関してで,
この本ではパッケージセレクションを設定して
あとは Select をスキップして一気にインストールに進めばいいとあったのだが,
その通りにインストールして,
後からまた dselect
を実行して Select を選択して開くと,
また新たに数十のパッケージが選択されているのだ.
私はこのことは分かっていたから一度何もせず終了し,
Install でそのパッケージを入れてしまったのだが,
これも初心者がみたら疑問に思って混乱してしまうかもしれない.
事実私はこの本の前版で混乱していた.
以上, 悪いことばかりを上げてしまったが, 逆に言えば, これだけしか悪い点が無いのである. これだけの点を人に聞くなりメーリングリストで質問するなりして克服してしまえば, あとは Debian を存分に楽しむことができると思う. 本を一通り読んでしまってから気になるところ, 必要なところを拾い読みしていってその通りにしていけば次第にコマンドなど操作も覚えられ, Linux の扱いに慣れていけるのではないだろうか.
前版とは違い, TeX の使い方の所に例もあるし, 最近話題の GNOME の使い方も詳しく説明されている. さらに ALSA の使い方も分かりやすい. 私はこれのおかげで一週間以上苦労していた ALSA の設定が一日で終わってしまった. さらに, Emacs のマクロの使い方もいろいろ書かれていて, ある程度 Debian を含め Linux を使い込んだ方々にも参考になることはあるのではないだろうか.
Debian ならではのカーネルの再構築や, deb パッケージの作り方などもあった. これは Debian ならではのことなので, 初心者向けだから説明しなくてもいいという物ではないだろう. これをちゃんと説明してあることはすばらしいと思う.
買いである. Linux 中級者にとっても買いだと私は思う. Linux 初心者に当たっては, 集中的にこれで勉強しても半年はこの本一冊で十分ではないだろうか. それ以降は当然この本ですべて網羅するということは不可能だろうから, あとは必要に応じた分野の専門書を買うなりメーリングリストを利用するなりしてステップアップしていけばいい.
今回本書のレビューをできる機会を与えていただいた関係者のみなさまにはとても感謝しています. どうもありがとうございました.
Debian GNU/Linux 2.2 (potato) の解説書として現在出版されているのは, この「今日から Debian GNU/Linux 2.2」と, 「改訂版 Debian GNU/Linux 徹底入門 - Potato 対応 -」の 2 つである. ブックレビューの読者には, おそらくこの両者を比較して, どちらを選択しようかと迷っている人も いることだろう.
そこで, 私の感じたこの本の特徴を「徹底入門」との比較に 重点を置いて書いてみると
といったところになる.
しかし, 例えば IP マスカレードの設定や DNS, DHCP, Web や News の サーバー設定については触れていないし, 各項目について, その背景知識から 詳細に解説するといったことはしていない. この点で例えば Debian システムを サーバーとして利用したい人や, 既に Debian や Linux/Unix についてある程度 経験があり, さらに知識を深めたいといった人には物足りなさを感じさせるかも しれない.
それでも, 初めて試してみようという人, とりあえず使ってみたいという人には, この本の持つ「簡潔さ」と「楽しさ」がきっと役に立つだろう.
「Debian で Rock'n'Roll」や「Debian GNU/Linux で MP3」を読んで, 私も ひさしぶりに PC から音を出してみたくなった.
表紙には大きな氷山の頂から海面に向かってジャンプするペンギンの写真, そして裏には氷山の上で翼を後に広げ, これから飛び込もうと海面を 見つめているペンギンの写真.
この 2 つの写真から, 著者が本書に込めたメッセージが伝わってくるようだ. おそらくそれは, Debian あるいは GNU/Linux に興味を持ちながら, なかなか 試してみるきっかけをつかめない人々に向けた「思いきってやってみようよ!」 という呼びかけだと思う.
(ちなみに debian-users ML ではこの表紙写真から「飛び込み本」という 愛称が提案されていた. 「改訂版徹底入門」は「腹本」だそうである).
表紙にはまた Debian のオープンロゴと並んで, Adobe Acrobat や Netscape Communicator のロゴが印刷されている. これらはどちらもバイナリのみ 提供されているソフトウェアであり, かつ Netscape Communicator は 直接許可を得なければ勝手に再配布できないことから, 公式な Debian システムである main アーカイブには含まれないものだが, 優れた機能を 持つことから開発者の中にも利用している人は多い. 附属 CD-ROM の 3 枚目にはこの他にも tgif, xanim, mpg123, lha, xv, fdclone, mnews, platex など, 商用目的での再配布について個別に許可を 得ることが必要なソフトウェアなども含まれているが, これらについては すべて事前に許可を確認済みのはずだ.
これらのソフトウェアは通信販売の CD-ROM 集などに収録されていない ことが多いため, 高速なネットワークを利用できない場合には特に嬉しい だろう. このように多くのソフトウェアを収録して利用者の便宜を図る ためには, 各著作権者から個別に許可を得るという地道な作業も必要と されていることを, この本を手に取って読まれる方々にも是非知って 頂きたいと思う.
もちろん, 世の中に完璧なものは無く, この本の中にも単純なミスと
思われる間違いや, 既に古くなった記述などが存在する. 前者の例は
p.101 の "ls -l
" (正解は p.122 の "ls -a
") や
p.180 の "dpkg -purge
"
(正解は "dpkg --purge
", ハイフン 2 つ) にあるし, 後者の例は
p.311 の「Linux に関する情報」にある「Japan Linux ユーザーグループ
www.linux.or.jp」(現在は「日本の Linux 情報」となっている)
「JF プロジェクト jf.linux.or.jp」(現在は http://www.linux.or.jp/JF/ が
公式 URI) だ. その他にも tasksel パッケージの説明や Contents ファイルを
使ってファイル名からパッケージを検索する方法は是非入れて欲しかったし,
「Debian パッケージの分類」にある contrib の説明はちょっと誤解されやすい
ような気もする. まだ他にも気のついた点はいくつかあるが, すべてをここに
書くことはスペースの都合上できないので, 別の場所
(http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/1232/br42note.html)
にまとめておいた. なお, 著者には既にメールで連絡済みである.
最初に書いたように, 自分だけが使う個人環境として初めて Debian を 試してみようという人, とりあえず使ってみたいという人にはこの本を 薦めたい.
「初心者にはカーネル再構築やパッケージ作成などの説明は不要では」という 意見もあるようだが, Debian 2.2 (potato) の場合, RedHat 系のような initrd に よるドライバーモジュールの利用は標準になっていないため, ハードウェア構成に よってはカーネル再構築が必要な場合はあり得ると思うし, 自分でカーネルを 再構築することは初心者にとっても良い経験だと思うので, 一回だけでもやってみる べきと思う.
また, パッケージ作成についても, 自分で make のできる人ならこの本で 説明されているレベルのことはけして難しいものではないと思うし, また これだけでもやってみると重複ファイルの検出や一発アンインストールなど パッケージシステムの恩恵を受けることができるので, 試してみる価値は あるはずだ.
そして, ある程度中身がわかってきたら, そのまま楽しく使い続けるも良し, 「徹底入門」などで背景も含めたより詳しい知識を得るも良し.
いずれにしろ, これから「未知の世界」へ飛び込もうとする人には, きっと 頼りになる道案内となってくれることだろう.
私は, Debian 2.1 をインストールはしてみたものの,
dselect
の使い方が理解出来ず 3 日で投げ出してしまった.
理由は簡単で, Debian の参考書を一冊も持っていなかったから,
また, Slackware, Plamo, Vine などを最初に使ったからだ.
本書は, Linux を初めて触る人, 私のように Debian についてほとんど知らない人, または両方に当てはまる人向けの入門書である. Linux (UNIX) についての基礎知識について, また, 通常使うであろうツールについての解説がなされている.
全体的に非常に読みやすく感じた. 各章の流れがいい感じである. 各所に column があり, 通り一遍での解説ではなく「ちょっと突っ込んで説明」という雰囲気が伝わってくる. 「Linux とは何か」から「セキュリティの話」まで, Linux についての必要最低限の基礎知識が記述されている. 専門書への足がかりとなるであろう. Windows ユーザー, Debian (Linux) 初心者をターゲットとしているため, 初心者以外の方にとっては「知識の確認」に留まるだろう.
menuconfig
などの HELP (日本語) を読まないと理解出来ない事が多かった.grep
, find
等は複数の例が欲しい.
なれてきた頃に必ずつまづく所だとおもうのだが.このあたりが充実していれば, いつも手元に置いておきたい一冊となるであろう. ただ, 「今日から Debian...」というタイトルの本書にここまで要求するのは酷というものだろうか.
現在, DOS を知らずに Windows からパソコンを触りはじめたユーザーが多いと思う. それらのユーザーが Debian をインストールし環境設定を行う際のお手本となる一冊には間違いない. Windows においての何々は Linux ではこうなる, との説明が出てくるあたり, 著者もこのあたりを考えているのだろう.
最後に, レビューする機会を頂いた株式会社オーム社, ブックレビュー担当の皆様に感謝致します.
apt-get update;apt-get -f upgrade
ばかり...いきなりですが Debian は初心者向きのディストリビューションでしょうか?
UNIX をある程度経験している人であれば, むしろ Debian の良さに感動する部分があると思いますが, 最初に触る Linux(UNIX) が Debian というのは少々無理があるような気がします. もちろんインストールはだれでも可能だとは思いますが, Linux に慣れるという意味では Vine や Plamo の方が初心者には向いていると思う部分がいくつかあります. 私個人の考え方では Debian は Linux に慣れ, やりたいことが色々出て来た人に最適なディストリビューションであると感じております.
本書はいわゆるインストール本ではなく, Debian に特化した内容を重点的に紹介している書籍です. そのなかでも特に筆者の思い入れが感じられるのが, 他のディストリビューション (Slackware がよく引合いに出されている) と比較した Debian の特徴や, Debian の現状についての紹介です. 筆者がいかに Debian が好きかが伝わる内容が多く, より Debian が魅力的に感じる気がしました. 私もそうですが, なぜ Debian に多くの人が集まるのか, その理由をかいま見れると思います.
また, 上記以外にも技術的紹介をきちっと行いたいという思いが伝わります. 本筋の文章内に column が挿入されていますが, ハードディスクのジオメトリの紹介など, かなり内容が濃いものが多いです. ちょっと多すぎる感もありますが, 内容を正確に伝えたいという筆者の人柄が伺えます. 内容的には役に立つものが多く, 例えば FIPS over 8GB や 大容量 IDE ディスク など今までなんとなく知っていたものが, きちんと説明されており, 非常に役立ちました. これらの情報というのは自分で集める場合, それなりに時間がかかるものであり, やはり書籍として手元にある方が嬉しいものです.
本書は対象読者を Windows ならば触ったことがあるという人から, Debian を使用してサーバを立ち上げて業務に使用したいという上級ユーザまでと幅広く対象としていますが, 内容を読む限り丁度中間の人, つまり先に述べたような他のディストリビューションを使用していて, Debian に興味はあるが移行を躊躇しているような人にうってつけであると感じます. インストールにしても, パッケージの管理方法にしても基礎的な内容以上の物を紹介しており, 特にパッケージングに関しては自身でパッケージを作成できるまでの内容が紹介されています. 他のディストリビューションに慣れている人にとって一番分かりづらいつぼを押えているなと感じさせる内容でした.
但し, 少々気になるのは対象読者層を広くしてしまっているが故に, Windows との比較など, 初心者に寄った内容が幾つかあり, これらの文面と他のレベルの高い文面との間にギャップを感じます. 正直 UNIX のパーミッションを知らない人が Debian を使えるとはとても思えず, 層を広くすることに無理があると感じました. これらの文章に割いたページをむしろもっと Debian の高度な紹介に割いて欲しかったと感じます.
充実している内容ではありますが, 幾つか不満もあります. 対象読者層として Debian を使用してサーバを立ち上げて業務に使用したいという上級ユーザとうたっているのに関して少々内容が薄い気がします. 特にメールサーバや WWW サーバに関しては記述が一切無く, クライアントとしての利用方法のみが殆どなのが残念です. ダイアルアップユーザでもローカルでメールサーバや WWW サーバを立ち上げることは往々にしてありますし, そもそもそういったものを試したいという理由で Linux を自宅で使うケースが多いと思います. ページ数の問題もあるとは思いますが, 各種サーバのセットアップ等に関して紹介して欲しかったと感じました.
また, init.d
と rcX.d
の関係や update-rc.d
等
Debian の起動に関する内容も殆ど紹介されていない事が残念です.
これらはシステムを管理する上で必須となる知識だけに次回是非盛り込んで欲しいと感じます.
色々不満も書きましたが, 本書はこれから Debian を使いたい人にとってうってつけの書籍であることは間違いありません. 情報は収集するために時間が掛かるものですので, 本書をポインタとして情報収集に励めば, Debian に即どっぷりはまることでしょう. なかなか potato の CD-ROM も雑誌に付きませんし, 本書と CD-ROM の組合せがあればすぐに Debian 信者になることが可能です.
私はまわりにいる他のディストリビューションを使っている Linux ユーザに本書を勧めてみたいと思います. 皆さんも一度 Debian を使ってみては如何ですか? Debian はかゆいところに手が届く, 本当にいごごちの良い環境ですよ.
私は前書の愛読者である. 前書での端的な解説は, Debian を導入し, Linux に親しむ上で大いに助かった. 前書に乗せられて, 漢字変換に SKK を使ってみたら, すっかり気に入ってしまった. しっかりとしたサポートページが Web で開設されているのも好ましかった. ファンである.
さて, 今回のレビューにあたって「ひょっとしてちょっとした加筆訂正に過ぎないかも知れない」との思いがよぎったが, そうではなかった. 全体的な (ややのっぺりとした) レイアウトイメージはそれほど大きく変わっていないが, ポイントになる部分を太い罫で囲んであったりと, ずいぶんメリハリがついている (デザイン的には前書の方が上品だと思う. 本書のデザインは野暮ったいと感じる).
インストールの説明は, ただ画面を追いかけるのでなく, 「はまりがちな」個所については注釈がつけられており, 前書に比べても大幅に充実している. たとえばパーティションの設定の際の基本パーティションと論理パーティションの設定や, LILO をどこにインストールするか, といったことも前書に比べて親切である. 加えてこれらの記述は, Debian GNU/Linux に依存するものではなく, 他のディストリビューションをインストールする場合も役に立つ. これは本書全般にわたって言えることであり, Linux の操作や設定一般の内容については, ディストリビューションを問わず「入門書」になり得ると思う. そしてコンソールでのコマンド操作や, Emacs などコンソールベースのプログラムを活用することに力点を置いていることからも, ベーシックな部分を押さえたい読者には, ぜひ, おすすめしたい. 私は前書同様に本書のファンであり, 以下はあくまでファンとしてイヤミな苦言を呈すれば, である.
ファイルシステムとマウントとの話は一ヵ所にかたまっていた方がわかりやすいと思う. ビデオカードの話もそうだし, dpkg もそうである. ひとつのテーマが分散して記述されていることが気になる. 本書を最初から 1 ページずつ丁寧に読み, インストールから始めて操作を覚えてアプリケーションを活用する, といった流れをつくる編集方針なのであろうが, リファレンス的に使おうとするとわかりづらい.
枯れているというのは失礼だが, 枯れているのは魅力である. 著者ならではの非力な環境とコンソール画面へのこだわり, Emacs+SKK, YaTeX 等への記述の豊富さは いぶし銀の味わいである. AF 一眼デジタルの世紀がやってくるという今日においてレンジファインダーカメラを復活させる試みに等しい. それならそれで徹底して欲しい. GNOME についての記述は 6 ページなど中途半端なことはせずに, task-gnome-* パッケージをインストールしましょうという 1 行で十分. MP3 関連ソフトの紹介も不要. そうすれば Linux 入門の古典的名著としての評判をほしいままにすることができるのではないだろうか.
逆に, 前書では商用ソフトウェアについての記述があったが, 本書では皆無になった. 一太郎 Ark の導入に苦労した私としては Debian で商用ソフトウェアを簡単に活用する方法を期待していたのであるが... また, apt 関連の新しい dpkg フロントエンドの紹介も欲しかった.
本書が届いたときにパラパラとめくって, まず目に入ったのが前書同様のイラスト, P.111 の「大砲の絵」と P.116 の「貝殻の絵」である. 失礼であるが「また載っている!」と笑ってしまった.
まず, 前者の大砲の絵は, 「ファイルシステムとマウント」の概念を説明するものであるが,
なぜ, 大砲が /dev/hda3
で大砲の台 (あるいは戦車のてっぺん) が /usr
なのだろう?
(前書では, /
と /usr
であった).
どちらかというと /dev/hda3
は物理的なものであって, /usr
は概念的なものというイメージが私にはある.
唯物論者の私としては, 概念的なものの上に物理的なものが乗っかるのが解せない.
よく絵を見ると, 大砲がクレーンで吊上げられているが,
なぜ /dev/hda3
をコマンドで吊上げることができるのだろう?
これはギャグ, いや逆ではないのだろうか?
私が概念的に間違えていたら失礼.
もう一方の貝殻は「シェル」の概念である. シェルの語源はまさしく貝殻であるが, なぜ水に沈んでじっと耳を傾けているのだろう? シェルの喩えは「覆ってシステムの中枢を意識しなくても済む」ということにあって, シェル自体はもっと動的なイメージではないか. 一方, UNIX のシェルが寡黙であるというのも真実ではある. しかし, 黙って泡吹いている貝の絵は不気味である.
ところで, 表紙「氷山からダイブするペンギン」の合成写真のコンセプトは一体, 何だろう?