株式会社アスキー様の
ご厚意により, 書籍
データベース Linux - InterBase4.0 for Linux を
JLUG および JLUG Webmasters あて ご献本いただきました.
本 Web サイトおよび
Linux Users ML
においてレビューアの公募を行ない,
書籍への意見や感想などをレビュー記事にまとめていただきました.
ここに, レビューアの方々から寄せられたレビュー記事を公開します.
株式会社アスキー様および レビューアの皆様のご厚意に感謝いたします.
なお, 以下のレビューは初版を対象としています.
「Networking Linux」から約1年, 久々にアスキー出版局から刊行された Linux 本が, この「データベースLinux」である.
内容は, InterBase というリレーショナルデータベースの特徴と基本的な使用方法が前半にあり, 後半は InterBase と連携するデータベースアプリケーション (Delphi, Excel, CGI) の作成となっている.
InterBase のインストール自体は, 非常に簡単である. インストールについては, それ程多く割かれてはいないが, 分かりづらいと感じるところはなかった. 約5分程でインストールは完了できる.
では, 前半の InterBase の使用方法を見ていく. 第2章は,「InterBase の概要」ということで, 特徴が列記されている. 普段は, 他のデータベースを利用しているが InterBase の特徴を知りたい人には有益だと思われる. しかし, 私のような業務経験がまだ豊富ではなく, 特徴を知る以前にデータベースの操作方法を習熟しなければいけない者にとっては, 内容的に高度であると思われた.
第3章は, 「InterBase の使用方法」である. 内容は, 使用方法の説明に留まらず, SQL の基本も Sample 付きで網羅されており, InterBase で SQL を学習したいと考えている者にとっても, この章を熟読すれば十分通用する知識が得られると思う.
第4章は,「ネットワークでの使用方法」である. この章は, これ以降の章のための準備を整える, と言ったところか.
第5章以降は, 「データベースアプリケーションの作成」である. この本の最大の特徴は, この章以降にあると思う. 今まで, データベースの本ならば, 内容は当然データベースだけで, アプリケーションの作成にまでページを割いているものはなかったように思われる. データベースアプリケーションを作成したいと思った者は, プログラミング言語の本を買ってきて, それで学習したはずである. 当然, インプライズ監修だけあって, Delphi(Client/Server 版を持っているユーザー対象 )に1章を当てている. InterBase は, SQL Link ( Client/Server 版のみ付属 )と ODBC ドライバのどちらを使っても接続可能ということなので, professional 版しか持たないユーザーも参考になると思うが, やはりここは, ODBC ドライバの解説で埋めて欲しかったと思うのは, 私だけであろうか?
残りの2章は, Excel マクロと Python も用いた CGI データベースアプリケーションの作成となっている. Python は, 私にとってあまり馴染みのある言語ではなく, 世間的に CGI というと Perl を思い出してしまうのだが, 本著のようにアプリケーションの開発事例を掲載しているのは, 殆どないように思われ, 一読の価値はあるとおもう.
以上, 章ごとに感想を述べてきたが, InterBase の使用方法から, データベースアプリケーションの作成まで非常に内容の濃いものになっており, Linux でデータベースしたいと考えている者はぜひ一読することをお勧めする.
「ブックレビューする」といって本をいただいておいてなんですが, わたしは RDB も SQL も名前しか知らない人間ですので, ちょっと不適な人材だったかなあ, と後悔しています. というわけでこの文章は「Linux は多少使っていて, ちゃちなスクリプトくらいは書ける」RDBの素人が本書を読んでの感想文です.
まず, データベース関係の知識がまったくないひと(たとえばわたし)の場合には, この本一冊だけでは「それなりのきちんとした」データベースは構築できないのではないかと思いました. RDB/SQL を多少なりとも理解するためには別の書籍なりが必要なようです.
それから Linux に特化した内容はほとんどないようですから, 書名で「Linux」を強調する必要があるのかなあ, という気がします. まあ Linux で動くデータベースの話なのだから正しい書名なのですが, 本書を読むのに Linux 特有の知識はほとんどいらないです. 最低限必要なのは一般的なUNIX のユーザとしての知識(コマンドラインでの操作など)ではないかと思います. これがないとつらいでしょう.
といきなり文句をいっていますが, なんだかわからないけどとにかくデータベースを触ってみたいと思う方はこの本を購入するとお得だと思います. 5000円弱で開発環境が親切な解説つきでそっくり手に入るわけですから. あとは図書館にでも行ってデータベース理論の本でも借りれば資料としては十分だと思います.
逆にデータベースに造詣の深い方は, ネットワーク上で InterBase for Linux 4.0 を拾ってくるだけで十分かも知れないなあと推測しています.
インストールわたしの環境は Debian 2.0 なので動作確認はされていないようですが, 附属のCD-ROMを用いて説明とおりにすんなり導入できました. 導入先が /usr/interbase に固定なのでほんのちょっとだけDebian と整合性がないですね. なお Interbase を導入したらシステムをリブートせよ, という指示が書いてありますが, これは必要ないと思います(わたしの場合は不要でした). それから interbase.tar の ./ の owner/group が変でした.
drwxrwxrwx renee/gds 0 1998-04-17 09:18 ./ ^^^^^^^^^
まとめとしては「お買い得」な本だと思います. 「インストール本」やら「入門書」を何冊も買うよりは, こういう本を購入して使ってみるほうがずっとおもしろいですよね.
追記:http://iblinux.rios.co.jp/ の紹介が巻末にひっそりとあるので, これはもっと目立つところに書いたほうがよいかと思います. ここに紹介のある InterBase for Linux ユーザーズメーリングリストの説明もひとことあるとより親切かと思います.
Windows 上で DB の開発をしています. この度自前 WWW サーバーを立ち上げるに際して, 当初は WinNT を考えていました. Windows 上の Delphi での開発になれたものにとっては手っ取り早いからです. DB と WWW サーバーの連携開発ツールが揃っていて楽だからです.
しかし, セキュリティーに関して調べている中で Linux に方針転換しました. 「さて Linux での DB の開発をどうしようか」と思っていたとき, タイミング良く当書が目に留まりました.
内容についてDBの構築の経験のない人にとっても非常に分かりやすく, 要点をとらえていると思います. 特に SQL の説明は役に立ちました. 嘗てのdBaseを経験したものとして遅いと言うイメージがありました. そのため DB コンポーネントは TTable のみを使用して開発していました. ネットワークトラフィックも TQuery よりも TTable の方が良いものと思っていましたが, 本書 P141 をみて納得です.
ボーランド(インプライズ)の開発ツールを使用している人は是非目を通して欲しい本です. 筆者の経験が奥深く感じられる本でした.