Linux ハンドブック

Linux ハンドブック レビュー記事

[ ブックレビューコーナー 目次 ]

ナツメ社 様のご厚意により, 書籍 "Linux ハンドブック" を ブックレビューコーナー にご献本いただきました. この本のレビューをして頂くべく, Linux Users ML や本サイトにおいて公募を行い, これにご希望頂いた方々より感想などをレビュー記事にまとめていただきました.

ここに, レビューアの方々から寄せられたレビュー記事を公開します. (原稿到着順)

ナツメ社 様および レビューアの皆様のご厚意に感謝いたします.

以下のレビューは初版を対象としています. なお, 執筆をされた スタークラスター 社のサイトには, 初版以降の修正点や追加情報などをまとめたページが置かれています. 是非併せてご覧ください.


Reviewed by 峯 康尚 (dive@aay.mtci.ne.jp) さん

Linux の使用歴
1ヶ月
UNIX の使用歴
なし
Linux Box の主な用途
勉強のため
Linux Box に載っている Linux 以外の OS
Windows 98
Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
Linux : Windows98 = 1:9

第一章 Linux 概論 31 ページ

ここは Unix の歴史, Linux の生い立ちをはじめ, Linux の特徴, Mac や Alpha などへの移植状況と, Linux の情報源 (雑誌や Web ページ) が掲載されてます. やはり, どういう風に Linux ができたかというのは Linux をこれから使うにあたって, 知っていた方がとけこみやすいと思います. この本の歴史, 特徴の欄は Linux を最近使い始めた人にとって, 十分な内容にまとまっています. Linux のボランティア性や, 「タコは財産」という事とそれに対しての 「成長しないタコ」についての見解などは Linux 初心者にはよい話です. あと, Linux の情報源の欄ではどんな雑誌があるか, その雑誌の傾向, Web ページ, ショップ情報があり, とても分かりやすく有用です.

第二章 Linux のディストリビューション 24 ページ

Linux のパッケージとして, 特に普及している三つ (Red Hat Linux, Slackwere, Debian) を中心とした解説や, 導入のポイントが書かれていました. 各項目の解説は, それぞれの特徴から始まり, パッケージ管理方式, 日本語環境の状況, インストールのポイント, その系列のディストリビューションの種類と内容の順になっています. ここでは, 各項目の特徴がすっきりとまとまっていて, いろいろあるディストリビューションから, 自分にあったものを選択しやすくなっていると思います. それに, パッケージ管理の概念や, パッケージの種類がいろいろあるということ, それぞれの日本語環境の状態など知らないことがたくさんあって, 私にとって重要な個所でした. ここの章に書いてあるインストールの手順は, 少ないです. もともと, インストールするための説明書ではないので, これでいいと思いますが, 初心者がインストールするためにこの本を使用するのは, お勧めできません.

第三章 Linux の基本操作 164 ページ

Linux の基本操作部分に 164 ページ使われてます. それだけあって, シェルでの基本的なコマンド, プロセスのコントロール, パッケージの導入, カーネルの構築といろいろな分野が書かれています. ここは私にとって, かなり勉強になった部分です. 例えば, シェルの基本的なコマンドでも, ログイン, シャットダウン, ファイル操作 (移動, コピーなど) など最近 Linux を勉強しはじめた私には重要でした. マニュアルがあったとしても, それを見るためのコマンドも分からないので, ディレクトリの中身を見るコマンドを知っていたとしても, rwxr-xr-x や root root など, 意味のわからない文字ばかりだったと思います. 説明の仕方でも, 画面に表示されるイメージを説明文の近くに載せ, 分かりやすくなっていました.

その他,

など, 興味深いものがたくさんあります.

一つ, プロセスの意味も知りましたが, プロセスのコントロールの部分は少々難しく, こういったことも基本的なことでよく実行することなのかと 頭を抱えた部分もありました.

第四章 X Window System の導入 106 ページ

「X Window System とは」では, X Window System を知るため, 第一章のように歴史から始まっており, 勉強するのによい構成になっています. それに歴史だけでなく, X の由来という事も書いており, そういう面でも実のある話が書かれています. この後には Linux で X を使うための X 環境のことについて書かれています. セットアップの方法やバージョンアップの説明, それに必要なファイル, それを入手できる場所 (WWW) と, 細かなところまで配慮されています. 次に, いろんなウインドウマネージャが出てきます. それぞれのウインドウマネージャに特徴と入手先, インストールとカスタマイズ方法, イメージ画像が書かれていて, 比較するにはすごく見やすくなっています.

第五章 X のツール&アプリケーション 44 ページ

ここでは, 題の通りアプリケーションの紹介がありました. 紹介しているアプリケーションの説明と画像, 入手先が書かれており, 探しやすくなっていていいのですが, Linux を使いこなせるように勉強することが最初の目的だったため, 今の私にはあまり興味がわきませんでした. ソフトは有名なのがあったりするので, 探している方にはいいと思います.

第六章 Linux コマンドリファレンス 152 ページ

シェルでのコマンドが 1 つに対し 1 ページ以上使われており, すっきりとして見やすくなっていました. コマンドの順番もファイル操作やシステム関連, 知っておくと便利なコマンドなどに分かれていていいです. アルファベット順に調べようとする場合は コマンド索引の部分でアルファベット順になっているのですぐ調べられます.

総評

各章の構成は順番としてよい工程で進み, 読みやすくなってると感じました. 全体がコマンドベースで流れているので, Linux をインストールしたが, 設定の変更や, コマンドが全然分からないというユーザの方にはいいと思います. それと, 所々にでてくるコラムが, 私にとってかゆい所に手が届く内容というか, Linux を使うにあたり, 補助的な内容が書かれており, いい内容でした. 1 つ残念なのがインストールや設定をする場所での事なのですが, 何 (どのディストリビューション) を使用してインストールをしているかが分からず, 自分で操作すると同じ場所に書かれているものがなかったりしていたので, ここを明確にして欲しかったなぁと思いました.

最後に本の内容ではないのですが, 「これは!」と思ったのがこの本のサイズです. ハンドブックというだけあり, 持ち運びやすいサイズで, 電車に乗っている時間がけっこうある私にとって, ベストでした.

Reviewed by 高橋紅兜 (kazuyuki@m-net.ne.jp) さん

Linux の使用歴
2 年
UNIX の使用歴
業務, 趣味
Linux Box の主な用途
サーバ, データベース
Linux Box に載っている Linux 以外の OS
Windows 95
Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
3:7

Linuxハンドブックを読んで

私のように永年のあいだ DOS を使い慣れたものが, Linux を勉強しようとして Linux 関連の書籍などを購入しようとして, しばしば気づくというのか感じるのは, いわゆるハイエンドなマニアックな UNIX 臭さとでもいうものでしょうか. このことは, 多分, UNIX を長年使ってきている人には, なかなか気づかれにくいものかもしれません. しばしば初心者ないし UNIX 部外者には立ち寄りがたく感じさせる 独特の頑なさというものを感じてきました. 今回この Linux ハンドブックに関心を持ち, これを読む機会をもったこと で, dos のハンドブック本が持っている良い意味の大衆性をもった Linux のハンドブックが出始めたのではないかとの思いを持ちました.

私がハイテク文房具としてのパソコンに触れだしたのは, 1985 年くらいでしょうか. いよいよ DOS の全盛時代が始まろうとしていました. 当時のコンピュータの書籍には, 今とは別の頑なさがありました. キーボードをあえて「鍵盤」とするような, いわゆるメインフレーム優越的な用語・文化がまだ残っており, もっと普通の自然な庶民性格をもつ パソコン書籍が求められていたように記憶しています. こうした大衆的要請に応えようという努力の結果が, 優れた分かり易い DOS の解説書籍, とりまとめ方が秀逸な長く手元に置いて役に立つハンドブック類を 数多く生み出したように思います. 今回, Linux ハンドブックを読んで, DOS にはこんな手頃で表現力が的確なハンドブックが いろいろ出ていたなと思いました. もちろん UNIX 関係でも以前から大衆的な書物や解説記事はいろいろありました. しかし, 体系的に Linux を学ぼうとすると, どうしてもマニアックな書籍の壁を破るものは少なかったと思います. Linux ハンドブックを読んで, ちょうどこのサイクルが Linux について, いま始まったように思います. こういう立場から, DOS を永年使ってきた人間の視点で, この本の評価をさせて頂きたいと思います.

DOS のブートプロセスといえば config.sys です. それに相当するものは, UNIX では rc (run command の略だそうです) ファイル群です. この本が Linux のブートプロセスを各ディストリビューションについて, 分かり易く説明しているのは, DOS 人間にとっては大きな良い特徴と思います. まず, ここの理解が進まないと前に行かないというのが, 正直なところです. RedHat の各 rc ファイルの段階的なブートプロセスが理解できたとき, 私は RedHat が自分のものになったなぁと感じた次第です.

1999 年初頭という時点での Linux 配布状況というふうに割り切っている点も, 良いと思います. Redhat 系と slackware 系と debian 系の説明が, かなりバランスが良いと思います. どうしても特定の配布系の説明が中心となり, その他の配布系は付け足しとなってしまうことが多いのですが, このハンドブックでは, RedHat 系をメインに据えながらも, 内容項目を調整して, 分量的にもうまく各配布系の差異・特徴を説明しています. また, ハンドブックにありがちな知識・事実の羅列だけにとどまっていず, ステップ教育法的な手法を感じた部分が見られます. これは意図して執筆されたのかどうかは分かりませんが.

少し本書に対する注文に移りたいと思います.

カーネル再構築を 2.0 安定系だけに絞ったのは, 99 年初頭という出版時点として止むを得なかったとは思いますが, ハンドブックとしてはやや残念と思われました. 既に 98 年末には, 99 年半ばにはほとんどの配布系が 2.2 に移っていることは一般にも予想できたし, 2.1 実験配布系で新しい再構築の情報は十分にあったはずだし, 30 ページ近い分量を再構築の各部のパラメータの説明に投入していることでもあり, 2.0 の情報だけに限ったのはやや惜しい気がしました. この Linux ハンドブックのデスクトップの説明では かなり新しい gnome や KDE について, 有益な情報に触れているため, 余計そのように感じたのかもしれません.

欠点というか, 本書に不足していると思ったのは, 索引です. ハンドブックでは索引が命という面が強いわけです. 例えば source コマンドについて p145 で説明がありますが, 索引からはこれを引くことができません. 最近は索引作りもかなり機械的に, 階層的なインデックス化できる時代でもあり, 多少冗長になってもよいですから, 倍くらいのページ数の索引があったほうが良かったと思います.

これは欠点ではありませんが, ネットワーク関係のコマンドは詳細な説明を省き, 簡単な解説に止めている点や, デスクトップの設定やカスタマイズ関係を重視した編集とした点は, 本書に特徴を与えていると思います. 実際, 最近の Linux の初心ユーザは Netscape は使うけれども, telnet も ftp も直に使わないことがあるようです. インストール段階をなんとか乗り越えたデスクトップに関心をもつ, 初中級ユーザをターゲットにしていることからも この編集方針は的を射ていると思います. Windows ユーザにとってはネットワークといえば Netscape のようなブラウザ作業が大部分であることは事実であり, この程度の説明に止めたのはひとつの見識であると思います. ただ欲しかった点は, 初中級者が次にどのような書籍やネットワークサイトに進めば, さらに進んだ段階へ進展できるかということに触れてもらえると, ハンドブックとしての価値が高くなったと思います.

UNIX 系の書籍は端末を叩きながらでないと, 理解が難しいものが多いと思いますが, このハンドブックは, まず一通り, ざっと読み通すことができるという点では, 優れた書き手の方々の構想力と力量を感じます. いわゆる B6 型ハンドブックとしての出来栄えはまずまずのものでしょう. いつでも手軽に持って歩ける役立つ情報を 手頃なサイズのなかに網羅しているという点で, 初級から中級の特に DOS/Windows から Linux に入ってきた方々に お勧めしたいハンドブックです.

Reviewed by 菅家 淳一 (junichi_kanke@ihi.co.jp) さん

Linux の使用歴
1ヶ月
UNIX の使用歴
7 年
Linux Box の主な用途
仕事では接続端末として, 家ではメール用として使用.
Linux Box に載っている Linux 以外の OS
Windows 95
Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
Linux 50%
Windows 95 50%

はじめに

私の UNIX 使用歴を説明しておきます. 大学で初めて UNIX をさわりました. 研究室には news,sun (solaris) があり, その管理者もやっていました. また FreeBSD を自分のマシンに入れて使用していました. 当時 slackware に手を出そうとしたのですが, インストールできませんでした. 会社に入ってからは, ほとんど Windows 95 のみとなっていしまいましたが, ホストコンピューターが UNIX で, 多少は触っているという状態でした. 最近 (99 年 4 月) になって, なんとなく自分のマシンに Linux を入れてみる気になり, Vine をインストールし, 使いはじめて 1 ヶ月ぐらいになります.

本書について

著者が述べているように, 「Linux を使いはじめた初心者から中級者へのステップアップを意識した」 構成になっています. 私としては, 現在の Linux を知るのにちょうどよい内容でした. また, 初心者の人に対して知っておいてほしいこと, GPL,GNU,UNIX の歴史なども書かれていて好感が持てました. では各章ごとの感想を述べます.

第 1 章 Linux 概説

UNIX の歴史とそのバージョン, また Linux について, 各プラットフォーム (IBM 互換機, MAC など) ごとに存在する ディストリビューションの説明があります. UNIX の歴史についてはよくまとまっていて, 初心者の人に UNIX のこれまでと Linux の関わり等を理解してもらうのに ちょうどよいと思いました.

第 2 章 Linux のディストリビューション

RedHat, Slackware, Debian の説明があり, また, Vine, TurboLinux, MLD, Plamo などの 派生ディストリビューションの説明もあります. 広く, 各ディストリビューションの紹介をしており, Vine などの最新のものも紹介していることから, これから Linux を選ぶ人には役にたつと思いました.

第 3 章 Linux の基本操作

ログイン, ログアウト, ファイルのコピーからユーザー管理, カーネル再構築, パッケージの導入, ログの管理までを説明しています. 各説明は実例をもとにわかりやすく説明しています. UNIX 初心者の人はここを読めば, 一通りの必要なことはできるようになるでしょう. 私としては後半のシステム管理系の説明が参考になりました.

第 4 章 X Window System の導入

X の歴史, XFree86 のインストール, セットアップ, 各種ウィンドウマネージャの紹介があります. セットアップは X 上でのセットアップと コンソール上でのセットアップの両方を説明しています. また, ウィンドウマネージャは FVWM から最新の KDE, Enlightenment までかなりの数を説明しています. ウィンドウマネージャの最新の状況が分かり, 参考になりました.

第 5 章 X のツール & アプリケーション

X アプリケーションとして, X の標準アプリケーション類から KDE, GNOME, GIMP, X11AMP などの最近のものまで一通り紹介しています. これも, 最新の状況が分かり, 参考になりました.

第 6 章 Linux コマンドリファレンス

各種コマンドをマニュアル形式でまとめてあります. コマンドは基本的なものを一通り書いてあり. また, その使用例があるので, 初心者の人には良い内容だと思います.

まとめ

本書は Linux をインストールしたけど, この先どう使っていくのかわからない初心者の人, 及び, Linux の現状を把握したい人にとって, よい情報源となると思います. また, 本書ではツールなどの最新情報がたくさん紹介されていますが, そのほとんどに参照すべき URL を明記しており, そこをたどって更なる知識を得ることができるようになっています. そういった点で, 本書は初心者向けのハンドブックまたは, 中級者向けの Linux 情報ポインターとして活用できる内容であると思いました.

Reviewed by 狩野 靖 (kari-p@bc.iij4u.or.jp) さん

Linux の使用歴
Linux は 1 ヶ月ぐらい. Vine Linux が出て FreeBSD から Linux に移行して来ました.
UNIX の使用歴
FreeBSD を 1 年半ぐらい.
Linux Box の主な用途
ファイルサーバー, Internet 端末, 趣味 (^^;
Linux Box に載っている Linux 以外の OS
LinuxBox は 2 台あって, 1 台は Linux のみ, もう 1 台は Windows98 も一応入ってます.
Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
WindowsNT4.0WS : Windows98 : Linux = 5 : 1 : 4

はじめに

僕は仕事で WindowsNT4.0WS を使用しておりますが 趣味と勉強の為に FreeBSD を使うようになって 1 年ほどになります. が, ここに来て Linux がメジャーな存在になり, 更に Vine Linux の出現でいやがおうでも Linux に興味を持ちはじめ, Linux の世界に移行して来ました. 家には 3 台の PC があり 2 台の NotePC に Linux を導入, うち 1 台はサーバー 1 台はクライアントとして FreeBSD との違いにとまどいつつも "楽しく" Linux と格闘ちう. そんな感じなので 本書に関して FreeBSD から移行して来た僕がつまずいた部分を 本書で解決出来るかという観点で読んでいるため 他のかたと多少違うレビューになるかもしれません事を予めお断りしておきます.

本書の構成

本書は以下 6 章構成になっております. 巻頭の Index, 各ページ上部に色分けされた章タブ, 巻末には用語索引/コマンド索引/逆引索引と, とても読みやすく調べやすいものになってます.

Index
第 1 章Linux 概説
第 2 章Linux のディストリビューション
第 3 章Linux の基本操作
第 4 章X Windows System の導入
第 5 章X のツール&アプリケーション
第 6 章Linux コマンドリファレンス
索引

また, 本書の「はじめに」に 「本書では, Linux を使い始めたばかりの初心者から中級者への ステップアップを意識した構成にしたつもりです」と書かれており, 更にありがちな Slackware を基本にした書籍と違って 其々のディストリビューション毎の解説がされているかもと思わせる章の構成, これが僕の本書をブックレビューしてみようと思わせた一因ともなってます.

各章について

第 1 章 Linux 概説

例にもれず "Linux とはなんぞや" が書かれておりますが, PC/AT 互換機・ Macintosh ・ Alpha ・ SPARC ・ FM-TOWNS ・ PC-9800 等々に関しての移植情報があったり, なかなか読めるコラムがあったり (本書のコラムはなかなか面白い), いつもは読み飛ばす様な章でしたが楽しんで読めてしまいました.

第 2 章 Linux ディストリビューション

ここでは表題のとおりに各 Linux ディストリビューションに関しての情報と 其々の簡単な比較等が書かれております. ちょっとした参考程度という感じです.

第 3 章 Linux の基本操作

Linux の起動から基本的な操作, カーネルのカスタマイズ等に関して書かれております. ただし本書では各ディストリビューションへの配慮もなされており Slackware/RedHat/Debian それぞれに関しての違いも書かれている場面もあります. この辺りは僕のような他の PC-Unix から移行して来た方には なかなか便利なのではないでしょうか. 少なくとも僕は便利でした. FreeBSD から RedHat 系の Vine Linux に移行して来て 細かいところの違いにとまどった時に本書のこの章で解決出来た部分が 少なからずありました.

第 4 章 X Window System の導入

XFree86 の設定を主として主要ウィンドウマネージャの設定迄解説されており なかなか充実していると思います. 新刊と言うこともあり WindowMaker0.50 ・ Enlightenment ・ KDE の解説も 現状を踏まえた解説になっており, 少なくとも僕には便利でした. 某 X Window System パーフェクトガイドという書籍も僕は所有しておりますが, 既に内容は古く参考にならない部分が多かったのでなおさらそう思うのかもしれません.

第 5 章 X のツール&アプリケーション

えーと・・・ (^^;;; 47 ページを割いて X のツールとアプリケーションが紹介されているのですが 本書の「はじめに」にあった様に「初心者から中級者へ」と言うなら いらない章だったのではないでしょうか? また「入手先」に「X 導入時に標準でインストール」とあるものについてですが, Vine Linux ではあてはまらない物が多く ? でした. どっちにしても中途半端な感じがする 今ひとつ存在意味の解らない章となった様な気がします.

第 6 章 Linux コマンドリファレンス

基本コマンドと知っておくと便利なコマンド, vi ・ mule の簡単な使い方と区分けされなかなか充実した, 便利なポケットリファレンスになっていると思います.

まとめとして・・・

全体として読んで面白く 為になるコラムと補足として主要な Web ページの URL が記述されていたりで その辺の気配りが感じられる, 好感の持てる作りになっている本です. FreeBSD から移行して来た僕は その違いを埋められる書籍をちょうど探していたこともあり Just タイミングでした. 他の同様の書籍は Unix 全般だったり, Slackware を基にしていたり, 記述が古かったりしている中, 本書は各ディストリビューションの違い迄を考慮に入れて書かれている点でも 評価できると思います. 一方で第 5 章は (僕だけかもしれませんが) とってつけた様な感じがして 浮いているような気がします. このページを第 3 章なり第 6 章なりに割り当て充実させるとか, もしくは本書ではあえて書かないと「はじめに」で書かれていた ネットワーク関連の概要などをディストリビューションの違いを踏まえて書く, とかだったほうが, 読み手としてはありがたかったと残念でなりません. どのあたりが「初心者から中級者」なのかがよく解らなかったのも残念です. がしかし, 最新の情報が書かれた, 自分のディストリビューション用に読替作業の少ない, ハンドブックを探しておられる方にはお薦めの一冊では無いでしょうか.


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