株式会社アスキー様の
ご厚意により, 書籍
Walking Linux を
JLUG および JLUG Webmasters あて ご献本いただきました.
本 Web サイトおよび
Linux Users ML
においてレビューアの公募を行ない,
書籍への意見や感想などをレビュー記事にまとめていただきました.
ここに, レビューアの方々から寄せられたレビュー記事を公開します.
株式会社アスキー様および レビューアの皆様のご厚意に感謝いたします.
なお, 以下のレビューは初版を対象としています.
言わずと知れた, Run Run Linux, Networking Linux と並ぶ3部作の1つです. でもって, その中で一番古い本です. 奥付を見ると1996年6月初版発行となっていますから, 今から2年半も前の内容です(Run Run 第2版が96年11月, Networking が97年8月). はね ひでや氏自らが「obsolete でないか?」と疑義をはさんだこの本, 今では本当に役に立たないのでしょうか?
私がこの本のレビューを希望した理由は単純です. 今回の5冊の内, Run Run, Networking, 256倍の3冊はすでに持っていたので, 残りの2冊に応募したら, Walking に当選してしまったという次第です. なぜ3部作の内この本だけを買わなかったかというと, 正直言って, やはり内容が古いからです. 付属の CD-ROM は Slackware 3.0.0 ベースですし, 紹介されているノート PC も数世代前の機種ばかりです. ただ, ファン心理としては, これだけ持ってないのはやはり嫌だったので, レビューさせてもらえてラッキーでした.
閑話休題, なぜこの時期に ASCII が Run Run や Walking のレビューをさせたかというと, (決して不良在庫の整理ではなくて ^^;)きっと改訂版に向けて参考意見を集めるためだと思います. そこで, まずは情報の鮮度を度外視し, 内容の構成に絞って考えて見ます.
Linux のインストール本といえば何は無くとも Run Run ですが, 本書も対象がノートというだけで, 内容はインストール本に間違いありません. では, インストールする対象に合わせて, どちらかを選べば良いのでしょうか? そうではない, というのが今回の結論です. カーネルのコンパイルや X の設定(含 fvwm)など, Run Run では「とりあえず使えるようにする」程度に書かれていた部分が, より深く掘り下げて記述されています. 特に, PC-UNIX のもう1つの雄である FreeBSD に, 「FreeBSD徹底入門」というバイブルが出ている現在, Run Run + Walking の2冊セットで, それに対抗し得るインストール教本という位置付けができると思います. ですから, Run Run を買うときは, たとえデスクトップにインストールするつもりでも, 必ず Walking も買うようにしましょう (^^).
次に, 情報の鮮度についてですが, これだけはどうしようもありません. OS 自体もノートの環境も, 3年前とはすっかり変わっています. この辺は, 改訂版に期待しましょう. ただ最近のマシンでは, ノート特有の制約(ディスク容量や画面の狭さ)が次第に解消されているため, その辺の工夫に関する解説が無くなってしまうのではないかと, 少し心配です. ちなみに, 第6章「ユーザーの声」では, 以下のマシンが紹介されています:
東芝 DynaBook SS475 DynaBook SS-R575 DynaBook GT-R590 TOSHIBA T3400/120 T3400CT/120 T610CT T410CS DEC Hinote Ultra 450CS Hinote Ultra 475CT 富士通 FMV-BIBLO 475NL/S DELL Latitude Xpi SOTEC WinBookPro 100T Cannon INNOVA NOTE 575S-500P 日立 FLORA NS1 IBM ThinkPad 530CS(230Cs,701についても言及あり) Palm Top PC110
どうです, 懐かしい面々でしょう? しかもこいつらは, 決して当時の最新機種ばかりではありません. 貸与機でなく, 筆者達が実際に所有しているマシンの場合, その選択理由として, 本書発行時点においてすでに特売されていたから, というのが多いのです. 最新機種でしかまともに動かない Windows との違いがここにあります. 実は, 私も TP530CS を持っています. 購入した時期も, 本書で TP530CS を担当されている あべ ひろのぶ氏の1週間程前ということで, 当時を懐かしく思い出しながら読ませていただきました.
残念ながら私の 530CS にはすでに Linux が入っているので, 本書を見ながらインストールというわけには行きませんでしたが, これから Linux を始めようという方で, これらの機種をお持ちであれば, とりあえず本書でインストールして, 実際にいじりながら ML や雑誌で勉強し, 必要に応じて新しいバージョンや他のディストリビューションに挑戦されるのも良いと思います. さらに言えば, そのために上記の機種を中古で買うのもアリかも知れませんね. 今なら5万も出せば買えるでしょうから.
そう言う意味で, 取り上げられているマシンが古いということは, 必ずしも本書の価値を下げるものではないと思います. できれば改訂版でも, これらの機種についての部分を, おまけとして CD-ROM に入れておいて頂けたらと思います.
まず最初に, ブックレビューに参加させていただけた事を感謝し, 本の提供を頂いた ASCII 様, そして JLUG の皆様に, お礼申し上げます.
そして, 打ち明けます. 私は本当の初心者です. ただ, ノートPCユーザーであったという事実だけで"WalkingLinux"のブックレビューに応募させて頂いたというウツケモノでもあります. これからの文章, 何かと初心者らしきお目汚し多数かと思いますが, ここに「あぁ, またタコが増えた」と笑ってお許しください.
まず本を読みました. せっかく頂いた本です. 隅から隅まで読破して, そして実践しようと思いました. 文体は軽く, 初心者でも読みやすい所から説明されていて, 非常に好印象でした. 一辺倒に固く無く, 欄外の注釈説明が砕けた文体で肩の力を抜いて読むには, とてもいい感じです. しかし, 技術的な文面になると, さすがに理解するのに疲れます. 読む努力をして, 眠くなったこと数回. 読破するにはなかなか時間がかかりました. 内容的にはインストール(日本語環境, Xを含む)の項目に, かなり頁が割かれている様です. この辺, 親切と思う方とそうで無い方に分かれると思われます. この本の性質上, 現状でLinuxを使われている方がこの本を読んだ時に「Linuxインストールの部分よりもっとノートPCに特化した情報」を求められるのではないでしょうか?
(私はちなみに「親切だな」と思いました. WalkingLinuxは, ある意味 "Linux初心者"がターゲットなのかもしれませんね. )
無論, PCカード, パワーマネージメントについても細かく説明がありましたが, あえて難を述べるとすれば, 取り上げられているノートPCの種類やハードウエアがやや現行の物より古い物で説明されている事でしょう. 現在, ノートPCを新品購入して, この本を頼りにLinuxのインストールを行おうとすると, そのハード自体の記述が無くて, 寂しい思いをするかもしれませんね.
本の方は, 読破できた事ですし, 早速手持ちのマシンにインストールしてみようと思います. 今回の実験台はPanasonicのPro note mini CF-11という機種です. VGA表示. 486DX4, メモリ24MB搭載というWindows環境では, 現役を退きつつある機種ですが, Linuxによって, 現役復活を目論んでおりました. DOS上でCD-ROMが読める環境があったので, SlackwareのインストールイメージをHDDにコピーし, DOS上からのインストールで, いよいよLinuxの世界へ! ・・・と思ったのですが, 試行錯誤をくり返している途中にハードウエア自体が昇天してしまいました. これはLinuxインストールが原因ではなく, 突如, HDDとコントローラが故障してしまったのです.
やむなく, 友人から別のノートPCを借りてきました. こちらもPanasonic のLet's noteという機種です. SVGA表示. MMXPentium166のCPUを搭載しメモリも64MBです. 環境も良くなった事ですし, 気を取り直してLinuxのインストールを開始します.
ところが, ここでも苦労が待っていました. まず, このマシンのDOSパーティションがFAT32で領域確保されていた事です. WalkingLinuxに添付してきたSlackwareのパッケージでは, FAT32がDOSの領域として認識されずHDDのDOSパーティションからのインストールは不可能. かといってLinuxブートディスクで認識できるCD-ROMの環境はありません. pcmcia-csが認識してくれるようなSCSIカードやNICも手元に無かったので, 今回は以下の様な方法でLinuxをインストールしました.
ここでLinuxに与えられた領域は100MB弱と, 非常に小さい物でしたが, 行ける所まで行こうという事で, 作業を開始しました. DOSの環境でFAT16領域にSlackwareのパッケージを落としこみ, LOADLINでMini Linux環境に入ります. (添付されていたMiniLinuxイメージ(?)である"PCROBO20"や"PCROBO22"は非常に秀逸だった事を付け加えておきます)ここからのインストールはWalkingLinuxを片手に行えば, 簡単に完了しました. 結果, 起動パーティションがFAT32の為, FDブートによるLinux環境の構築に成功しました.
本を読み砕く時に, ハードウエアの知識を多少必要とする所があります. それ故に, 各機種別のHowToは役に立つ情報だと思います. (が, やはり機種がやや古い)
実践!の, その後JEによる日本語環境のインストールをした後, 時間 切れで友人にノートPCを返却してしまった為, 私のLinuxインストール記 (?)は, ここまでなのですが, この本のおかげで, Linuxへの垣根が少し 低くなった様に感じられます. それまで, 2度3度とデスクトップへのインス トールを試したものの失敗続きで, どうもDOS/V機でのUnix環境構築は 大変だなぁというプレッシャーと言うか, 恐怖感みたいな物があったのです が, この本はその恐怖感を取り除いてくれたと言っても過言では有りません.
「古いノートPCを持て余していて, Linuxで復活させてやりたい. でもLinux(しいてはUnix)の事は何も知らない. 」
こういう人に"WalkingLinux"は, 最初の第一歩にうってつけの本だと思います. ただし, インストールして環境が整うまでが, この本の役目なのでしょう. Linux, Unix全般の知識に関しては, 他の書籍を頼りにする事となりそうです. すべてを一冊の本でまかなうというのは, 贅沢な話なので, この本でノートPCにLinuxの環境を作り, そしてLinuxの勉強をはじめるというのもいいのかなと思います.
最後に, 新しいノートPCの情報や最新カーネルを集めたCD-ROMを添付した改定版"WalkingLinux"が出版される事を望みたいと思います.
この本は, ”持ち運べるUNIX環境”のノウハウを集めた本だそうです. ノートPCにSlackwarをインストールして, Linuxの環境を構築するための本です. Linuxの日常的な使用法については書いてありません. まったくの初心者がこの本からLinuxを始めるのは難しいと思います, 自宅などでLinuxを使っていてこれからノートPCでもLinuxを使いたい人の本でしょう. 基本的なコマンドやViなどのエディタについての説明はありませんのでその程度の知識は必要でしょう. ただ, 初版発行が1996年6月11日なので, 内容が少し古いかなと感じる所があります. CD−ROMが付属していますが, Slackware-3.0.0やJE-0.9.7zなどですので, 最新版のSlackwareを入手し, この本を参考としてインストールすればもっと簡単に環境が構築できると思います.
順をおってみてみると,
TOSHIBA DynaBook SS475 TOSHIBA DynaBook SS-R575 TOSHIBA DynaBook GT-R590 TOSHIBA T3400/120 TOSHIBA T3400CT/120 TOSHIBA PORTEGE 610CT TOSHIBA T410CS DEC Hinote Ultora 450CS DEC Hinote Ultora 475CT Fujitsu FMV-BIBLO 475NL/S DELL Latitude Xpi SOTEC WinBookPro 100T Canon INNOVA NOTE 575S-500P HITACHI FLORA NS1 IBM ThinkPad 530CS IBM Palm Top PC110
以上のような構成になっています.
記述内容に古さを感じるところがあるとは言え, サスペンド機能, レジューム機能, PCカードなどノートPCの機能に重点を置いた説明は, 本の記述をそのまま使用とは行きませんが最近のノートPCやSlackwareを使っての環境設定にも十分参考にはなると思います.
まず最初に, ブックレビューに参加させていただけた事を感謝し, 本の提供を頂いたASCII様, そしてJLUGの皆様に, お礼申し上げます.
自分は今年の夏にノートパソコンとしてVAIO505/EXを購入したために, この Walking Linuxというタイトルに惹かれ, ブックレビューに参加させていただく事になりました.
ノートパソコンと言うデスクトップマシンとは違う環境において Linuxを導入するのには誰にも戸惑いがあると思います. なぜならばノートパソコンにはそれぞれを開発したメーカー独自のシステム等があるために(例えば, ハイバネーション等の)はたしてLinuxは使えるのかしらん?と戸惑っている人には最適な本であると自分は思います. さらに, LinuxのノートPCへのインストール方法も詳しく書かれていたために, 「ノートPCにLinuxを入れようとしている誰もが一度は読んでみる価値がある本」ともいえると思います.
本書の内容は基本的にはLinuxの初心者向けの本であると思います. しかしながら, 「ノートPCのために」と言う風に特化されているので誰もが読む価値がある内容だと思いました. 以下に良かったと思う点と悪かったと思う点を列挙いたします.
良かったと思う点最近のLinuxの爆発的な利用者の増加により「Walking Linux」のような何かに特化したいわゆる「良本」が今後ますます出版されていくと思われます. 今後もこのような本がどんどん出版されていく事を期待しています.