馬場さんが 第 1 回のコラム「webサイトを分散管理する一つの手法」 で書かれているように, 「Webmasters メンバー間の意見交換の手段としては 基本的には管理用のメーリングリスト」を用いている.
が, 緊急に連絡を取りたい場合 (例えば, 1999 年 4 月 1 日未明の JLUG → JLA 移行作業)には, Mailing List (以下 ML) より即時的な連絡手段が必要になる.
それが IRC (Internet Relay Chat) だ.
ML と IRC の 2 種類の連絡手段を使いわけて, JLA のホームページ (現 www.linux.or.jp. JLA のホームページは jla.linux.or.jp に移管) の更新作業は行なわれている.
両者に共通するのは, 複数の参加者に対して情報の同報ができるという点だ. それ以外の部分は性格が異なる.
下に, ML ・ IRC それぞれの長所を挙げる.
両者は上記のように比較される. これをふまえて, ML と IRC のそれぞれにふさわしい使用局面を挙げてみよう.
上記のように大別できる. それぞれを使いわけて, JLA のホームページは日々更新されている.
IRC に参加するには, IRC クライアントがインストールされていて, IRC サーバ に接続されているマシンが必要だ. その他に, irchat-micro-howto v1.0 があると便利である.
なお, IRC がなにか知らなければ, 「IRC とは」 を見るといいだろう. 簡潔な説明がある.
Mule 上で使用できる IRC クライアント としては, ftp://ftp.kyoto.wide.ad.jp/IRC/irchat/ にある irchat-2.4jp24* が著名である.
また, irchat-2.4jp24g をベースに 便利な機能が追加された, irchat-pj 2.4.24.03 というものが開発されている. パッケージ同梱の README.irchat-pj には, 「なお, irchat-2.4jp24* から移行する場合, irchat-pj の拡張機能を利用しない場合は何の変更も必要ありません. 」 との記述がある. 現在, irchat-2.4jp24* を使用しているならば移行することをお薦めする.
Emacs で動く IRC クライアント は, irchat-jp, irchat-pj のほかにも, Lieceがある. 主要プラットホームごとの IRC クライアントは, 「日本語を利用できる IRC client」 にまとめられている.
また, The Internet に常時接続されている環境ならば, madoka や plum といった IRC 常駐ソフトを使うと, IRC クライアントと IRC サーバー間との中継を行ったり, ログをとったりといった, 様々な機能を享受することが可能となる. チャンネルは参加者がいなくなると消えてしまうので. The Internet に常時接続しているならば, 上記のようなソフトウェアを使用するとよいだろう.
インストールについては, irchat-micro-howto v1.0 に書かれているのでそれを参考にして行なってもらいたい. この HOWTO 文書は, irchat-2.4jp23a.tar.gz を例にとって説明されているが, irchat-pj 2.4.24.xx でも同じように行なえばよい.
インストール方法としては, 下の順番になる.
ここで, site-lisp ディレクトリの位置は distribution によって異なるので, それを調べなくてはならない. その方法とは, Mule で,
M-x describe-variable
最下行のミニバッファにでてきた Descrive variable: に
load-path
と入力して, 表示されたディレクトリがインストール先になる.
多数表示される場合は, 共通している部分を採用すればよい (例えば, "/usr/local/share/emacs/site-lisp/yatex1.64.2" "/usr/local/share/emacs/site-lisp/mew-1.93" と表示されたら, 共通する /usr/local/share/emacs/site-lisp を採用する).
よって,
Makefile の 「 EMACS = mule 」をアンコメント ( EMACS = emacs をコメント)
$ make
# install -c -s dcc /usr/local/bin/
# mkdir (表示されたディレクトリ)/irchat
# cp *.elc irchat-dcc.el (表示されたディレクトリ)/irchat
筆者の環境である Plamo Linux では, 下のように行なった.
(略)
# mkdir /usr/local/share/emacs/site-lisp/irchat
# cp *.elc irchat-dcc.el /usr/local/share/emacs/site-lisp/irchat
なお, 一般ユーザには /usr 以下のディレクトリへの書き込み権限がないため, この部分は root になっての作業となる. 万全の注意 を払って作業していただきたい. 万一, 重要な file を削除してしまっても筆者はその責を負えない.
irchat-PJ project のページには 設定方法の説明 がある.
下に, 必要な設定を列記した.
読者の便宜のため, ~/.emacs の該当部分を本項の最後に追加しておこう.
起動方法は, mule 上で M-x irchat だ.
irchat.el のキー操作は, irchat-micro-howto v1.0 に書いてあるので参考にしてもらいたい. irchat-pj も操作方法は変わらない.
筆者がよく使用するキー操作を列記しよう.
Enjoy happy chat !
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;; irchat-2.4.24.03
;; IRC (チャット) クライアントの設定
;; M-x irchat で起動します
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
(setq load-path
(append '("/usr/local/share/emacs/site-lisp/irchat") load-path))
(autoload 'irchat "irchat" "GNUemacs IRC client." t)
;;; この load-path はインストール先のディレクトリを指定すること.
;;; IRC server の指定
;;; (いずれか一つをアンコメントします)
;;(setq irchat-server "irc.tohoku.ac.jp")
;;(setq irchat-server "irc.kyutech.ac.jp")
;;(setq irchat-server "irc.tokyo.wide.ad.jp")
;;(setq irchat-server "irc.kyoto.wide.ad.jp")
;;(setq irchat-server "irc.huie.hokudai.ac.jp")
;;(setq irchat-server "irc.cc.yamaguchi-u.ac.jp")
;;(setq irchat-server "irc.karrn.ad.jp")
;;(setq irchat-server "irc.kyoto.wide.ad.jp")
;;; IRC サーバのサービスポートが標準と異なっている場合は,
;;; そのポート番号を設定しておきます.
;;(setq irchat-service 6667)
;;; ポート番号は
;; (setq irchat-server "irc.server.jp:6666")
;;; のように IRC server 名の後に「:ポート番号」という設定方法もあります.
;;; ユーザー名とニックネーム
;;; (nickname は半角英数および []{}_\^ からなる最大 9 文字の文字列です)
(setq irchat-name "FAMILYNAME Firstname")
(setq irchat-nickname "nickname")
;; CTCP USERINFO で表示される情報. デフォルトは nil
;(setq irchat-ctcp-userinfo "E-mail: hoge@fuga.mogo.jp")
;;; デフォルトで参加するチャンネルのリスト
;;; (ここに書いたチャンネルには irchat の起動と同時に参加できます)
(setq irchat-startup-channel-list
'("#linuxjp" "%linuxjp" ))
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;; オプション
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;; ニックおよびチャネルのコンプリーションを
;; 自分自身が join しているチャネルおよびチャネルにいる人に限る
(setq irchat-global-names nil)
;; t : サーバに接続している全ユーザの nick および 存在する全 channel
;; nil: 自分自身が見える範囲での nick および channel
;; サーバとの接続がきれた場合, 再接続を試みる
(setq irchat-reconnect-automagic t)
;; チャネルごとにバッファを作る
(setq irchat-channel-buffer-mode t)
;; 各発言がどのチャネルでなされたものかの表示.
;; irchat-channel-buffer-mode と逆にしておくとよい.
;; t : >#ちゃねる:nick< がが…
;; nil: >nick< がが…
(setq irchat-display-channel-always nil)
;; 初期状態で, チャネルごとの発言バッファがスクロールするようにする
;; t: させない, nil: させる
(setq irchat-default-freeze-local nil)
;;; ベルを鳴らす文字 ^G が送られてきた時に実際にベルを鳴らすようにする.
;;; 自分が送る ^G に対しても反応させるには t の代わりに 'always とする.
;;; t: 鳴らす, nil: 鳴らさない
(setq irchat-beep-on-bells 'always)
;; ぬけるときのメッセージ. デフォルトは irchat exiting...
;; 終了時に C-u C-c q とすれば別のメッセージで終了することができる.
(setq irchat-signoff-msg "irchat exiting...")
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;; ここからは irchat-pj 独自の設定
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;; SJIS や EUC-JP を受け取ったとき, その旨 Minibuffer に表示する
(setq irchat-pj-code-verbose t)
;; invite されるとビープを鳴らす
(setq irchat-pj-beep-when-invited t)
;; バッファを作成していない人から
;; private message を受けたときにビープを鳴らす
(setq irchat-pj-beep-when-private t)
;; サーバからの private message の書き換え
(setq irchat-pj-rewrite-server-notice t)
;; モードラインの書式を変更: マイナーモードを表示する
(setq irchat-pj-chanbuf-mode-line-format
'irchat-pj-chanbuf-mode-line-format-minor-mode)
(setq irchat-pj-Commands-mode-line-format
'irchat-pj-Commands-mode-line-format-minor-mode)
(setq irchat-pj-Dialogue-mode-line-format
'irchat-pj-Dialogue-mode-line-format-minor-mode)
(setq irchat-pj-Other-mode-line-format
'irchat-pj-Other-mode-line-format-minor-mode)
(setq irchat-pj-Channel-mode-line-format
'irchat-pj-Channel-mode-line-format-minor-mode)