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Webmasters コラム(2000/1/23)

gimp-1.1 インストールのあらすじ

注意:これはあらすじである. ある程度の UNIX に関する知識と 経験を仮定した解説であり, 細かいステップの説明は省略されている. また, 実際の作業はインストールする環境によって, 大きく異なる場合があり, このとおりにやればインストールできるとは 限らない. 実際にインストールするときは, インストールするプログラムの付属文書や 各プロジェクトのサイトを参照して, その指示に従うこと.

インストールは, 今のバージョンならばそれほど大変ではない. さっきああ書いたけれど, 初心者も気合いがあれば十分インストールできると思う. ソースからコンパイルするのはちょっと時間がかかるけれど, 基本的には アーカイブを展開したら

./configure && make
といういつものアレでコンパイル可能だ.

必要なライブラリなどがインストールされていない場合は, configure が その旨エラーを返して来るので, エラーをよく見て必要なものを インストールしよう. 使うライブラリやプログラムは沢山あるので, その全てをここでフォローすることはできないが, 主なところをあげると

このへんだろう. パッケージ付属文書のインストールガイドは更新されていないので, 使うライブラリのバージョン番号なんかは あまりアテにならないかもしれない. でも, そんなの configure のコードをみれば判るから, それほど心配することもない. だいたい, 最近のディストリビューションなら極端な設定にしてないかぎり 大抵必要なものは既にインストールされているはずだから, 本体のインストール前に自分でインストールせねばならない プログラムは, それほど多くないはずだ.

configure のエラーメッセージにしたがって必要なものを インストールしたのに, あいかわらず configure がエラーを返す場合は config.cache を削除してから configure を実行しよう. configure に関連してエラーが出た場合などについては, パッケージ付属文書 "INSTALL" に詳しい.

ヘルプブラウザがプラグインとして付属しているが, これをコンパイルするには gtk-xmhtml が必要だ. このライブラリは gnome-libs に含まれているので, GNOME を使っていれば 問題なくコンパイルされるだろう. そうでなければ, configure が help-browser のチェックのところで エラーを返すかもしれない. GNOME をインストールするのはうざいけど, このライブラリだけ別に欲しい という場合は, ftp://metalab.unc.edu/pub/Linux/X11/gtkbuffet/libs/gtkxmhtml/ からダウンロードできるようですが, ちょっとバージョンが古いので, 最近はうまくいかないようです.

そこで, hypercore で運営されている GIMP 日本語メーリングリストで紹介されていた GNOME 迂回の解決策は, とりあえずわりと新しめの(gnome-1.2 付属のものなどが 良いかも) gnome-libs に含まれる gtk-xmhtml だけをビルドして インストールするというものだ. たとえばこんなステップが考えられる.

  1. gnome-libs を展開したディレクトリで ./configure
  2. 多分, ORBit が無いと configure が正常に終了しないので, configure.in をカイザンして autoconf を実行し, configure を生成しなおして ORBit をチェックしない configure を作るか, とりあえずその場しのぎで ORBit だけインストールする.
  3. gnome-libs のサブディレクトリ gtk-xmhtml に行き, make && make install

おそらく gtk-xmhtml だけがインストールされるでしょう. これで ヘルプブラウザのプラグインをコンパイルできるようになるはず. 他にもいろいろな迂回方法が考えられるので, 各自工夫しよう.

configure が あるプラグインの箇所でエラーになった場合は, そのプラグインがコンパイルされない だけで, 本体のコンパイルには支障はない(多分ね). ここから先はインストールするユーザの見識に依存するわけだが, 「このプラグインは, 使わないからいいや」と割り切る手もある. ところで, GIMP では xcf フォーマット以外の読み書きは, 全てプラグインとして 実装されており, あるフォーマットの画像を扱うには, そのためのプラグインが必要だ. jpeg や png の使えないグラフィック プログラム ってのも 役に立たないから, 最低限, 画像ファイルフォーマット関係のライブラリは 揃えて, それらのプラグインがコンパイルできるようにしよう.

既に gimp-1.0.x を使っていて, それを壊したくないという人も 居るだろう. そういう場合は, 本体のコンパイル時の configure に

./configure --prefix=/usr/local/unstable

みたいにオプションをつけて, 指定ディレクトリ(この例なら /usr/local/unstable) 以下に インストールすることもできる. この場合は 必要に応じて 環境変数 PATHLD_LIBRARY_PATH を設定しよう.

推奨環境

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(藤田裕二 yuji@wl.me.titech.ac.jp)

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