Linux とは

本文書は The Linux Resources のページ ABOUT Linux: What is Linux? を, Specialized Systems Consultants, Inc. の許可を受けて翻訳・掲載したものです.

Linux というのは自由に再配布することのできる, 独立した Unix 系オペレーティングシステム(OS)のことです. Linux を動かすことのできるアーキテクチャは x86, Motorola 68k, Digital Alpha, SPARC, Mips, Motorola PowerPC など実に多岐に渡ります. Linux は本来 OS の中核となるカーネル(kernel)だけを指す名称ですが, Linux カーネルベースのシステム全体をさして 「Linux」と表現することもあります. なお "Linux" は最初の音節にイントネーションがあり, 「i」は「イー」と発音します. Linux ではなく GNU/Linux と呼ぶべきであるという主張もあります.

Linux は POSIX 規格にしたがった実装がされています (「本当の」Unix はすべて POSIX に準拠しなければならないことになっています). 一方 Linux には AT&T などのソースコードが一切含まれていません. Linux は完全にスクラッチから書き起こされた OS であり, そのおかげであらゆる意味における「再配布」が可能なのです. 実際 Linux は Internet 上の数百もの FTP サイトから, あるいはたくさんのベンダが出しているフロッピーや CD-ROM から入手することができます.

一般に Linux の配布においては, カーネルだけでなく数多くのコマンド類がバイナリ形式で付属しています. これらをセットにして配布することによって, 実用に足る UNIX OS 環境を簡単に, そしてすばやく構築することができるわけです. こういったソフトウェアのまとまりのことを 「ディストリビューション(distribution)」と呼んでおり, 多くの編纂者(グループ)の手によって 規模の面でも全体的なソフトウェア配置の面でも さまざまな種類のものが広く配布されています.

Linux 上では多様なソフトウェアを利用することができます. X Window System, Emacs, TCP/IP ネットワーク(PPP や SLIP, ISDN などを使ったものも含みます)などはもちろん動作します. また Linux ベースの OS 環境で広く利用されているソフトウェアの多くは Free Software Foundation の GNU プロジェクトによって開発されたものとなっています. 多くの人々の手によって 80486 の Linux システムでの ベンチマークテストが行われていて, その結果から Sun や Digital のミドルクラスのワークステーションに匹敵する 性能を持つことも確認されています.

こんにち Linux は世界中で何 10 万人もの人々によって利用されています. ソフトウェア開発, ネットワーク利用(インターネット, イントラネット, SOHO などなど), そしてエンドユーザのプラットフォームとして Linux は高価な UNIX システムに取って代わりつつあるのです.

Linux の著作権

Linux カーネルはパブリックドメインなソフトウェアではなく, GNU Public License (GPL)によって保護されています. Linux カーネルのソースコードは常にフリーに入手可能でなくてはなりません. 望めば Linux に対して金銭をやり取りすることも可能ですが, その場合も Linux の再配布を制限することはできません.

オリジナルの作者である Linus Torvalds の指揮のもと, 世界中の人々が Linux の発展に力を合わせています. そしてすべての人が自分の書いたコードに対する著作権を保有しているのです.

Linux はどのように違うのか?

Linux と 他のOSとの違いとしてひとついえることは, 値段 -- つまりフリー(free)であることです. つまり, 誰にもロイヤリティやお金を払うことなく, コピーや再配布をする ことができるのです. しかしながら, 値段よりもむしろフリーであることに関して重要なことがあります. Free Software Foundation の General Public License により, Linux のソースコードは誰でも入手することができます. 過去 5 年の Linux の開発がこの自由(freedom)についての重要性を示しています, 1000 -- いやおそらくは何10万もの世界中の人々が, おどろくほどに Linux にかかわる結果となったのです.

この自由によって, 高価なソースコードライセンスや 非開示契約(NDA: non-disclosure agreement)の制約を必要とせずに, ハードウェアベンダーは彼ら自身の装置のドライバを書くことが可能になりました. また, リアルタイムなオペレーティングシステムを必要とする人々は, Linux カーネルを元にした小さなリアルタイムカーネルに移行することを可能 にしました. さらに, 世界中のコンピュータサイエンスを学ぶ学生にとっては, リアルな商用レベルの品質を持つオペレーティングシステムの内側を見ることが 可能となったのです.

Linux ディストリビューションとは ?

Linux がインターネットで自由に手に入るようになり, 多くのベンダーは "ディストリビューション" と呼ばれるパッケージ化されたバージョンの Linux を作りました. Linux カーネル, ネットワークサポートやたくさんのユーティリティプログラム, 開発用ソフトウェア, グラフィカルインタフェース, グラフィック・ユーティリティなど, 色々なものを含みます. さらに, これらのディストリビューションには, インストールするためのソフトウェアや, オプションとしてサポートをも含んでいます.

いくつかのディストリビューションのベンダーは, インストール用ソフトウェアを含めたディストリビューションを, インターネット上で無料で入手できるようにしています. 他のベンダーは, インストール用ソフトウェアを独特なものとして, わずかな料金(通常は100ドル以下)によるサポートを付けて売るという 方法をとっています.

このような入手方法そのものにはそれほどの意味はありません. が, 仮にあなたがソフトウェア開発者で, Linux を適度に効果的な開発プラットフォームに変えようとするなら, あなたは特に何も買う必要がないということを意味しています.

さらにひとつ一般的なことですが, 人々はインターネットにつなぎたいと思っているでしょう. インターネットにつなぐすべてのものは, Linux 上で無料で利用することができます. 実際, Linux をファーストクラスのWebサーバにしてしまう無料のソフトウェアもあるのです.

Linux はどのように他のOSと比較されるのですか?

Linux は, UNIXが"UNIX software laboratories" の製品であったころに由来する 「POSIX オペレーティングシステム標準」に基づいています. 現在, 各ベンダーのOS は一連のテストに合格してライセンス料を支払うことで, UNIX ブランド を手に入れることができます. Linux のベンダのひとつであるCaldera 社では, 彼らの Linux 製品に UNIX ブランドを取得しようとしているところです.

UNIX は Linux とシステムコールレベルで互換性があり, ほとんどのUNIXもしくはLinux向けに書かれたプログラムは, 最小限の作業で他のシステム上でコンパイルして実行することができます. 伝統的な UNIX を Linux よりさらに多くのタイプのハードウェア上で動かそうと考えるなら, それを可能とするのに 25 年以上の歳月に対する荷物預りへの支払いが生じます :-) それは, Linux は いくつかの同じハードウェアにおいては, Unix より速く動作するであろうことを意味しています. そして Unix は フリーではないという不利な点があるのです.

MS-DOS と Linux との類似点はあります. MS-DOSは階層型のファイルシステムを持っているということです. しかしx86ベースのプロセッサでしか動作せず, マルチユーザおよびマルチタスキングをサポートせず, フリーでもありません. 同じくそれは, 他のOSに対するインタオペラビリティ(相互協調性)が貧しく, Linux に含まれているネットワークソフトウェア, 開発プログラム, 多くのユーティリティプログラムをサポートしていません.

Microsoft Windows は, いくらかの Linux なみのグラフィックス能力や ネットワークの機能をもっています. しかし, MS-DOS の他のすべての欠点の影響を受けているのです.

Windows NT は x86プロセッサと同様に, Digital Alpha に利用可能です. しかしそれは Windows の多くの欠点の影響を受けています. フィールドにおける時間のなさ( すなわちバグのために割く時間のなさ )がはるかに足りず, いくぶん高い値札がつけられています.

Macintosh のためのAppleのOSは、Macでのみ動作します. これもまた他の開発ツールや他のシステムとのインタオペラビリティの欠如に苦しんでいます. (注意事項: Apple では, Linux をNuBus ベースの Power Mac に利用可能としており, PCI Bus ベースの Mac も同じようにしようと考えています.)

Linux はどこから来たの?

Linux はどこから来たのでしょう? たぶんもっとも重要なことは, Linux のルーツはインターネットにあるということです. Linux は, 世界中の知識も経験も様々な多くの人たちによって開発されたのです. この開発グループが共に働くためには, コミュニケーションのために迅速で効率的な方法が必要となりました. インターネットはまさしくこのためのツールであり, Linux はこの人たちにうってつけのシステムであったため, 早期のうちにインターネットを使うためのツールが Linux に登場しました. ツールはさらに発展し, Linux 開発と同様に磨かれています.

Linux カーネルは独立して開発され, 多くのアプリケーションは利用可能なソフトウェアの中から最高のものが選ばれました. 例えば C コンパイラの GCC はFree Software Foundation の GNU プロジェクトのものです. このコンパイラは, Hewlett-Packard 社のHP-UX, および Sun Microsystem 社の Solaris を 使う人々に広く使われています.

Linux には何が含まれているか

あなたが Linux を得るとき, あなたは "すべて" を得ます. すなわち, あなたが期待する OS およびそれ以上のすべてのものが含まれています. 各 Linux ディストリビューション は, ユーティリティ, 接続ツール, 開発環境といった, 豊富な数百ものパッケージを含んでいます.

ここに, ごく一般的なものをあげておきます.

あなたのオフィス, ビジネス全体をまかなうすべてのアプリケーションが Linux に含まれているわけではありません. しかしながらそれがLinux 自身 に含まれていない場合でも, 使うことはできるかもしれません. たとえば Linux 対応のデータベース, ワープロ, 表計算 や精錬された グラフィックスプログラムがあります. このような類のアプリケーションを探すとき, Linux 対応している Applixware, Corel や Empress といった名前に 触れることになるでしょう.

だれが Linux を使うのか

ドイツの Unix と ネットワークの雑誌iX が行なった 最近の調査結果では, びっくりするような結果が報告されています. 読者 の 45 パーセント が 仕事で Linux を利用しています. Solaris はバージョン 1.x と 2.x を合わせて 36 パーセント, HP-UX が 27 パーセント です. 最大 50 人 の従業員を持つ企業において, 56 パーセントが Linux を利用され, 1000人を越える従業員を持つところ では 38 パーセントが利用しているのです. さらに, 読者のうちで自宅で Linux を使っている人は 60 パーセントにも のぼります.

Linux はこの他に, 大学で選択された OS として, Web サーバとして, かなりの市場において浸透しています. また, 自身のキャリアを成長させるべく Unix について学習する必要のある 多くの人々が, 自宅のコンピュータ上の Linux をトレーニングツールとして 利用しています.

さらに Linux は ファイアウォールやルータ、POS システムなどの埋め込み型や 'turnkey' なアプリケーションの分野においてポピュラーとなっています.

Linux の歴史

当初 Linux はフィンランド Helsinki 大学の Linus Torvalds によって作成されました. そして Linux は多くのプログラマの助力により, Internet を通して発展してきました.

もともと Linus は個人的なプロジェクトとして カーネルのハックを始めました. そのきっかけとなったのは Minix という OS への興味でした (Minix は Andy Tannenbaum によって開発された小さな UNIX システムです). Linus 自身の言葉によれば「Minix よりも優れた Minix」を作るために 開発を始めたということです. そしてこのプロジェクトをしばらく独力で進めたのち, 彼は comp.os.minix に以下のような内容の記事をポストをしました.

Minix-1.1 のすばらしい時代, そう, 男たちが真の男たちで, 自分のデバイスドライバを自分自身で書いていた頃に憧れませんか? 良いプロジェクトに恵まれず, OS を自分の好みにあわせていじることもなく, ただぶらぶらしていませんか? Minix ですべてが順調に稼働している状態に, フラストレーションがたまっていませんか? かっこいいプログラムを動かすために徹夜するようなことも, 最近なくなっていたりしませんか? このポストはそんなあなたのためのものなんです.

一月ほど前にも言ったように, 僕は AT-386 コンピュータ上で動作する, Minix ライクでフリーなものを作ろうとしています. どうやらなんとか動くところまできたので (「動く」という言葉の定義はともかく), ソースをより広く公開したいと思っています. まだバージョンは 0.02 です… でも僕はこの上で bash や gcc, gnu-make, gnu-sed, compress などの動作を確認しています.

1991 年 10 月 5 日, Linus は Linux 最初の「公式」バージョンである version 0.02 をアナウンスしました. これ以降, 多くのプログラマが Linus の呼びかけに応え, Linux を今日のような機能の揃った OS へと作り上げる手助けをしていったのです.

Linux 自体について, またなぜ Linux を使うと良いのかについて もっと詳しく知りたい人は Linux Journal の 1997 Buyer's Guide の 「What Is Linux」 と言う記事を読んでみて下さい.


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