ネットビレッジ株式会社 様のご厚意により,
Linux ディストリビューション,
"日本語対応版 Debian GNU/Linux 2.1" を
ソフトウェアレビューコーナーあて ご提供いただきました.
この製品のレビューをして頂くべく,
Linux Users ML
において公募を行い,
これにご希望頂いた方々より感想などをレビュー記事にまとめていただきました.
ここに, レビューアの方々に書いていただいたレビュー記事を公開します.
ネットビレッジ 様および レビューアの皆様のご厚意に感謝いたします.
- Linux の使用歴
- 2 年
- UNIX の使用歴
- 2 年半
- Linux Box の主な用途
- メールの読み書き. プログラミング. 気象観測
- Linux Box に載っている Linux 以外の OS
- Microsoft Windows 98
- Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
- Linux : Windows98 = 2 : 1
- 評価に利用した Linux BOX のハードウェア (ベンダ名, CPU, Memory, HDD, NIC etc.)
- 自作 (もと FMV DESKPOWER TE)
CPU:K6-266 (300MHz 駆動)
MEM:128MB (SIMM)
HDD:8GB
NIC:EtherlinkIII (3Com509)
まずはパッケージを開ける. CD-ROM が 5 枚入っている. うーん その他には CD-ROM ケースの 2 倍の大きさの紙に両面印刷された説明書がひらひらと… あっそーか 最近のは 電子化されているんだなぁと思ったが, やっぱ紙のマニュアルが欲しいなと思う. ひらひら紙には結局 CD-ROM 内の文書を読めということらしい.
CD-ROM を取りだし今動いている Linux で中をみる. 探してみると Debian JP プロジェクトによって和訳された文書がまんま入っている. ネットビレッジ独自のマニュアルは用意されていない. でもインストールに関する文書は豊富にはいっているのでインストールに不安はない. 難しいと評判の dselect も「初心者のための dselect 入門」という文書があり, おおよそ理解できた.
さてインストール. CD-ROM をドライブにセットし CD-ROM ブートする. インストーラは日本語化されているので指示に従って特別な困難はなくすすむ. Linux がすでにインストールされているので パーティションは切ってある. 基本システムをインストール後, 一旦再起動し問題のパッケージ選択になりました. 使用目的 (サーバ, 科学計算, デスクトップなど) を 10 くらいのなかから選べば, 直接個々のパッケージを選ぶ必要はない. なーんだ. 心配して損した (ちゃんと電子化インストール文書に書いてありました). パッケージが CD-ROM からハードディスクに展開され, 結果がその都度表示されていく. そして画面に何やら Y/n のような表示が現れて表示が止まった. 何か聞かれている. しかし表示されているのは英語… でも何とか読み答える. でも 次から次に聞かれる. 設定が必要なパッケージ毎にいろいろ選択を迫られる. ちゅぅても良く知らないパッケージもあるし答えに困る時もある. でも大抵は デフォルトの値があるのでリターンキーを押せば過ぎ去っていく. それでも不安だから一応英文を読んでから答えた. しっかしホントにたくさん聞いてくる. なんと質問攻めが終ったのは 2 時間位してからだった. もちろん 英文を読みこなすのに時間が掛かったこともあるのだが, それほど極端に時間が掛かったわけではないと思う. 私は多少なりとも GNU/Linux システムに親しんできたので 大体の質問の意味が分かる. でも まったくの初心者では対応できないだろう. 上級者には便利かも知れないが, 私には負担に感じた.
インストールが終了しても再起動が必要ないのにはびっくり. ログインするとホームディレクトリに設定ファイルがほとんどない. /home を使い回す時には便利だけど, 初めて Linux (UNIX) を体験する人はどうしたらいいんだろう. と思ったけど user-ja パッケージを入れれば bash,canna,csh,emacs,nvi,X に関しては作ってくれる. なかなか良い. 私は普段使っているドットファイル群をコピって使いましたが.
Netscape Navigator と TrueType フォントはひらひらマニュアルにあるとおりで 簡単にインストールできた. Netscape の方はいいとして TrueType フォントは品質に問題あり. 20 ドット以下ではつぶれがひどくって画面表示には使えない. 印刷に使う分には問題ないけど.
ノートパソコン (PCG-XR1G.SONY) にインストールしようとしたが, おそらく fdisk が古いので 10GB のハードディスクを正しく認識できなかったので, やめました. これは Debian 2.1 がでたのが
最後に, それなりのお金をとって売っているのだから, 設定に関してマニュアルを同梱するか, 「初心者お断り! 」って箱に書いておくかすべき. マニュアルもないのに, メディア代とフォント代あわせて 6,800 円は高い.
- Linux の使用歴
- 1 年
- UNIX の使用歴
- 無し
- Linux Box の主な用途
- UNIX の学習
- Linux Box に載っている Linux 以外の OS
- MS-Windows98
- Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
- ほぼ半々 (日々のメールの読み書きは win, その他は Linux)
- 評価に利用した Linux BOX のハードウェア (ベンダ名, CPU, Memory, HDD, NIC etc.)
- 自作 AT 互換機
CPU: CyrixMII300
メモリ: 64MB
ビデオカード: ASUS AGP-V3000/TV (ST/nVidia RIVA128)
GNU を名乗っている Linux は現在のところ Debian だけである. それゆえに関心をお持ちの方も多いであろう. 「Debian は難しい」とよく聞く. 今まで評者も敬遠していたのだが, 今回幸いにも Debian 2.1 に挑戦する機会を得た. Linux 初心者としての使用感を報告することにする.
Debian が他の配布版と比べて特別インストールが難しいとは思えない. むしろ全体的にスッキリとしていて好感が持てる.
紙に印刷されたマニュアルは付属していないが CD-ROM 上に丁寧なインストール・マニュアルがある. インストーラも日本語を表示するので, 初めてでも心配ない.
パッケージのインストールの際に使われる dselect の評判は良くないのだが, 慣れるとたいへん使い易いものだ. ただし, すべて英語表記である.
パッケージによっては, インストールの途中に設定事項の入力を要求する. メッセージが英語である上に, ソフトウェアに関する知識が必要になるので, 初心者には難しいと感じられるかも知れない. 丁寧にメッセージを読み, よく分からなければデフォルトの設定のまま続ければよいだろう.
Debian のインストールが難しく感じられるのは, 英語のせいかもしれない. 繰り返すが, 丁寧にメッセージを読めば, 決して難しくない.
TeX は長く使われている, 非常に安定したソフトウェアである. 日本語版を謳った Linux 配布版の中には日本語 TeX が未調整のままで, 使えるまでに苦労した経験がある. しかし今回は杞憂であった. 収録されている日本語 TeX が NTT 版 JTeX であることは特筆しよう. DOS ではお馴染みの dviout/dviprt も収録されているのが嬉しい.
様々なウインドウ・マネージャが収録されているが, 流行している Enlightenment+GNOME を実現させてみた. どちらも開発途上のもので, 安定したものではないが, 将来性の高いソフトウェアであるといえよう.
今回, 短期間のうちに大量の英文ファイルに目を通した. ファイル・マネージャ gmc から gnome-help-browser にファイルを ドラッグ&ドロップし, 次々とブラウズする, という使い方で重宝した.
収録されている GNOME はα版である. 日本語には対応していない. 日本語環境の下ではメニューの英字の一部が化けるなど不具合がある. もちろん安定版や最新のものはネット上からダウンロード可能だが ダイヤルアップ環境では実際的でないだろう. その場合, 活発に開発されているソフトウェアは使いにくいかもしれない. Debian は他の配布版に比べてバージョンアップが遅いからである。
Debian の最大の特徴は収録パッケージの数の多さと幅広さである. なかでもドキュメント・ファイルの多さは他にない特徴であろう. 英文を読むことが苦でなければ, 多種多様な文書を利用できる. 全ての RFC ファイルがテキスト形式で入っているし, Hacker Jargon File のようなヒューモアに富むものもある. 英訳の聖書で古くさい英文も読める. 辞書も数種類あり, 自分の PC 上で自由に使えるのは感動的だ. これらの文書から UNIX やインターネットにおける文化の一端に 触れることが出来よう.
少し気になるのは, これらの文書が全て英語文化圏のものであることだ. Debian は国際化に力を入れているという. 今後, 他の文化圏の成果も収録して欲しいものだ. 国際化とは英語を多言語に翻訳することだけではないはずである. 商用の配布版ではない Debian ならではの可能性があると言えよう. プログラムのソースコードが読めないユーザーにも, 貢献できることがあるのではないだろうか.
Debian は決して難しくない. 上級者のみならず, 初級レベルの学習者にも勧めたい配布版である. ただし, パッケージ数が多いためか 必ずしも調整が行き届いているわけではないようだ. 初心者には荷が重いかも知れないが, 付属のドキュメント・ファイルや man page を丁寧に読めば, 使いこなせるだろう. 急がないのなら, 間もなくリリースされるでろう Debian 2.2 を 待つのもよいだろう.
- Linux の使用歴
- 8 ヶ月
- UNIX の使用歴
- 無し
- Linux Box の主な用途
- ファイルサーバ, 趣味
- Linux Box に載っている Linux 以外の OS
- Windows98, Windows2000
- Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
- 3:7
- 評価に利用した Linux BOX のハードウェア (ベンダ名, CPU, Memory, HDD, NIC etc.)
- ベンダ:自作
CPU:Pentium3 500Mhz *2
Memory:128MB
HDD:20GB (PROMISE Ultra66 に接続)
NIC:corega (10baseT)
ビデオカード:CREATIVE GB RIVA TNT -> DIAMOND VIPER2
このレビューによって "Debian GNU/Linux" を使用するまでは, はじめて使ったディストリビューション "Turbo" から "Red Hat" まで 全て rpm 形式でのパッケージ管理をしているものしか使ったことがなかったわけで, 今回のレビューでの一番の目的は Debian のパッケージ管理 ということになっています.
今回レビューに使用することとなった "NetVillage" の Debian パッケージが届いたところで中身のほうを早速箱から出してみたわけですが, 入っていたものは バイナリ CD-2 枚, ソース CD-2 枚, 追加のオプション CD-1 枚という構成だった.
この箱の中には マニュアル といったものは入っていず, インストール方法などは CD の中の Readme ファイルに書いてあるとの事だったが, やはり 簡単でもいいのでインストール, ネットワーク接続, パッケージ管理 (dselect,dpkg) の説明をしたマニュアルは つけてほしかった気がします. 特にパッケージ管理の仕方がよくわかっていなかったため 本を一冊購入ということになりました.
今回行った インストールの方法は, CD からブートさせて行いました. CD から起動して基本的なシステムのインストールから設定までは たいした苦労があるわけでなく終了, その後 リブートし HDD 内にある Debian が起動しました. しかしここからが多少苦労しなくてはならないところでした, というのも 基本的なパッケージ以外をこれからインストール, 設定するのですが, この設定というものが慣れるまでなかなか大変な作業ではないかと思われたところです.
Debian (slink) のインストール後とりあえず Xserver でも起動しようと思い XFree86 のバージョンを確認すると 3.3.2 ということは RivaTNT はまだサポートしていないわけで アップデートが必要ということで, さっそく XFree86-3.3.6 の Debian (potato) パッケージをダウンロードして dpkg コマンドを使用して行ってみたのですが, dpkg を使用したということが大失敗でありました. ここで失敗というのはアップデートにということではなく, その苦労によるもので, とりあえず自分で XFree86 のアップデートに この程度のパッケージを用意すれば大丈夫であろうと ダウンロードしたパッケージではぜんぜん足りなかったということが原因です.
dpkg コマンドを使用してパッケージをひとつずつインストールしようとすると, 依存関係に問題ありとしてまた新たなパッケージ, そして新たなパッケージをインストールするためにほかのパッケージが必要 という状態に陥ってしまったのです.
まあ先に書いたような状態からも 何とかアップデートを終了させることはできたのですが パッケージのアップデート, インストールするときは dselect コマンドを使用したほうがよいのでは? ということを知ったのはこの後のお話です.
ちなみに余談ではありますが, ここでアップデートした XFree86-3.3.6 では Savage2000 (SVGA) をサポートしているということだったので 交換したビデオカードですが, 順調に動作しています.
この dselect コマンドによるパッケージ管理が Debian を使用していく上で重要なツールであるようです. このコマンドを使用するとインストール済みのパッケージの新旧, 依存関係を自動的に調べ解決するようにインストールさせる ということが容易にできるため 自分が XFree86 で行ってしまったような面倒もなく安全な作業が行えます. さらに, インターネットに接続できる環境さえ整っていれば, ftp サイトからパッケージリストを取得しパッケージの選択, インストールも行える優れものです.
ただし, パッケージに含まれるファイルなどの詳細な情報がほしい場合には, dpkg コマンドのほうが役に立つようです.
今回使用したものは Debian2.1 だったのですがこれのリリースは ほぼ 1 年前であるため新しいハードは利用できないので (ここでは書いていませんが kernel なども入れ替えました), これから Debian を使い始めようかなという人は 次期 Debian (potato) のリリース (恐らく 3 月,遅くとも 4 月だと思う) を待ってから導入したほうがよいのではないかと思います.
Debian の開発やサポートは ボランティアのグループが行っているのですが, こちらのほうは非常にすばらしいものであるので, 自分としてはこの Linux ディストリビューションを メインに使用していきたいと考えています.
- Linux の使用歴
- (触ってからは) 6 年程度
- UNIX の使用歴
- (386BSD も UNIX だとすれば) 9 年程度
- Linux Box の主な用途
- 家庭内サーバ, アプリケーションの検証
- Linux Box に載っている Linux 以外の OS
- Windows98SE, WindowsNT, OS/2, BeOS
- Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
- 4 対 6
- 評価に利用した Linux BOX のハードウェア (ベンダ名, CPU, Memory, HDD, NIC etc.)
- 自作機
MB : Abit BH-6 (BIOS,NV)
CPU : Celeron 300A/300 + SDRAM 128MB
SCSI HDD : Adaptec 2940U + Quantum 6.4S + Quantum 4.3S
IDE HDD : IBM DTTA-371010
NIC : Laneed LD-PCI2TL (10Base-T)
ATAPI CD-ROM : Plextor PX-W8432Ti + Pioneer DVD-113
SCSI MO : MATSHITA LF-3200
SOUND : SoundBlaster AWE64
GRAPHIC : MATROX G200 8M
初めまして, 松原といいます. UNIX との付き合いは 386BSD を PC-9801 に入れた頃から, Linux とは Slackware1.1.1 の頃からになります. おかげでインストール作業経験回数だけは豊富です. が, だからといって目をつぶって何でも出来るほどに腕が上がったわけでもありません. せいぜい vi と emacs が怖くないくらいの腕です.
Linux ディストリビューションは, 現在まで Plamo (現サーバ機), Vine (クライアント機), TurboLinux4.2J (ftp 版), MLD4 などを経験しております. そんな「一応 Linux を日常的に使ってはいるが, 実はかなり素人くさい面も多い」人間が, Debian に挑戦してみて, やっぱり苦労したレポートです.
実のところ, これまでの経験があればそれほど苦労は無いだろうと考えていましたが, かなりはまってしまいました. まず, インストーラの「日本語」に少々迷いました.
例えば, 「インストール方法の選択」の, 「システムのインストール方法を選択して下さい」 は作業内容の意味がちょっと分かりにくいです. 「インストール元の選択」とするか, あるいは「1 番目の FDD (A:) から」というように 全ての選択肢に「〜から」と付けるだけでも意味が分かりやすくなると思います. よく考えれば表示通りなのですが, 迷う人は迷いそうです.
また, これだけスマートなインストーラなのですから CD-ROM ドライブも自動検出してしまって良いと思います. 確かにユーザが使用したいデバイスを選択できる自由度も魅力的ですが, そうでなくても良いように思えます.
次に「カテゴリの選択」の位置づけ (重要度) が分かりづらかったです. この段階でこれから必要となる全てのデバイスを選択しておくべきなのか, あるいは何も選ばずともその後インストーラなりがプローブしてくれるのかがです. 過去の FAQ などを見ると, /dev/psaux など幾つかのデバイスは ここで選択しておかなければならないようでした. わたしはご丁寧にも, 必要とするもの全てを選んで先に進みました.
ここで Planex 9800-T がプローブ出来ませんでしたので, 安易に Laneed LD-PCI2TL に交換してしまいました. これだと ne2k-pci で簡単にプローブされます.
ところで, Debian に限らないのですが (Vine もそうです), 「起動フロッピの作成」で結局フォーマットしてしまうフロッピに対して 「空のフロッピを」という表現は, 常々変だなと思っています. 以前は中身のあるフロッピではダメだろうと, いちいちフォーマットしていましたが, ここは「中身の消えても良いフロッピを」などの方が適切ではないでしょうか.
再起動後の dselect で失敗しました. [A]ccess で普通に「 cdrom 」を選んだところ, multi_ cd を選んだときのインストールと全く違う状況になってしまい, あれこれ不完全なパッケージインストールとなってしまいました. このミスに気付くまで手間取ったため, おかげで何回も再インストールを試みました. これは「初心者のための dselect 入門」あたりを熟読しておけば 回避できるトラブルでした.
各パッケージのインストール中の設問数は, これまで経験したどのディストリビューションより多く, こうした意味で Debian と付き合う (インストールする) には, まずある程度 UNIX 的な知識が必須であり, 他のディストリビューションのようにインストーラを起動したら, あとはしばらくそのまま, とはいかないようです. しっかりと向き合ってインストールに望む心構えが必要だなと思わされました.
同様に, 一度に全てをインストールしようとせず, ひとまず用意されたプロフィールを選択してインストール. その後動作が確認されてから, 必要なパッケージを dselect で入れていくのが早道だということも, 数回の再インストールから学んだようです.
今回は手持ちの MATROX G200 でどうしても X が起動しませんでしたので, Vine から XF86_SVGA サーバだけ持ってきて, 強引に立ち上げてしまいました. ちなみに Vine の XFree86 はバージョン 3.3.3 です.
当初, Debian がどんなものか色々覗いてみよう……, と思っていたわけですが, 結局はいつもと勝手の違うインストーラで躓く結果となり, 本体を使い込むにはあまり至ってない状態です. 例えてみればこれまで米国人と付き合ってきていて, 初めて英国人と会ったような印象です. 似て非なるもの, でした.
とはいうものの, 少なくともインストーラ (あるいは dselect) の強力さというか, 厳格さのようなものは感じることが出来ました. 最近の他のディストリビューションと比べ, むしろ UNIX (Linux) 的なインストール作業は大変興味深く, また楽しめました.
OS が起動してみると, 思いのほかシンプルで華美でない点が気に入りました. これからどうにでも好きなように変えられる, 色のないキャンバスに見えます. また, emacs20 が入っているのもインストールの際の面倒が無く, 嬉しかったりします.
ということで, あまり内容に乏しいレポートでしたが, 他のレポーターの人はきっとうまく行ってもっと楽しんでいるのだろうと羨みつつ, レポートを終了します.
- Linux の使用歴
- 3 年半
- UNIX の使用歴
- 10 年
- Linux Box の主な用途
- メールの読み書き. Linux を使ったソフトウェアの勉強.
- Linux Box に載っている Linux 以外の OS
- Microsoft Windows 95
- Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
- Linux : Windows95 = 30 : 1
- 評価に利用した Linux BOX のハードウェア (ベンダ名, CPU, Memory, HDD, NIC etc.)
- ベンダ:ノーブランド品 (米国 NCA Computer) をバージョンアップ
MB:FIC VA-503A (BIOS Award)
CPU:AMD K6-II 400MHz
MEM:PC100 64MB (Bufferlo VSJ-64MU)
HDD:12GB (IO Data UHDI-13GH/DV)
CDROM:Mitsumi FX400-02 (x4)
NIC:Farallon EtherWave ISA (3COM 3c5x9)
ビデオカード:Tseng Labs ET4000/W32p (1MB)
Modem:IO Data DFML-560E (外付け)
CMUCL を使ってみたいので Debian GNU/Linux をインストールしたいと思っていました. 評価には「インターネットに接続し, Netscape で Web をみる」 という目標を立てました.
インストールのしやすさは RedHat よりやや劣る程度. 初心者の妻にもやってもらおうと考えていましたが, この評価期間でそれが出来るほど簡単ではありませんでした. 一番の問題は Netscape です. プロバイダへの ppp 接続はスムーズに出来ましたが Netscape が動きません. 目標は達成できませんでした. CMUCL はインストールし, 起動出来ました. これから本格的に取り組むところです.
今回は特にインストールのしやすさを意識しました. というのも, 今まで簡単にインストールに成功した経験がないからです. また, 私は Linux のエンドユーザです. 半年前から Linux の勉強を始めたところです.
ネットビレッジ 日本語 Debian GNU/Linux 2.1 を含め, 今までにインストールした Linux は
しかありません. この限られた経験の中では, インストールのしやすさは平均です. ちなみに, RedHat は平均よりよいという順位です.
Music CD の表紙くらいの説明書に従うとインストーラのメニューにたどりつきます. この点は満足です. (元々私はマニュアルを読むのが苦手なもので…). すでに述べた通り, インストーラ自身は平均と思います. dselect に入る部分では select のステップはとばしてよいとメッセージが出ますので, 慣れない人やマニュアルを読むのが苦手な人も大丈夫でしょう. コンピュータ初心者の最大の難関はディスクの名称とパーティションですが, この点に関しては仕方ないと考えています. 既存の, お任せでパーティションを作る方法しか思い付きません.
実は, 私の Linux マシンでは CDROM のブートに失敗しました. Disk 1 では boot: プロンプトに到らずハングアップ. bzImage ではブートできない場合かと思い Disk 2 で試しましたが, Uncompressing Linux で crc error が出ました. これは使っている CDROM が古すぎるせいでしょう. (2nd Master の設定は MB BIOS と CDROM ジャンパーの両方で行いました). 最後は通常の Boot フロッピーを作り, インストール出来ました.
Debian をインストールしただけでは, X は設定されていませんでした. インストールするタイプを間違えたかも知れません. (この部分はメモがもれてしまいました). でも, 慣れた XF86Setup の実行, 設定により X が順調に立ち上がりました. (初心者にも簡単とは言えません).
CMUCL (カーネギーメロン大学の CommonLisp) は, dselect でインストールしました. これはコメントがないくらいスムーズに出来ました. 余談ですが, CMUCL には Hemlock という emacs 風のエディタがあると聞いていました. ついにこれを試すことが出来たのですが, マニュアル苦手派の私には当分使えそうもない難しいものでした.
メールと Web アクセスの目的で Netscape を長く使っており, Netscape の使用が必須です. オプション CD に添付の Netscape に期待しました. ところが, オプション CD の Netscape をインストールしようとすると, 必要な libc6 のバージョンは 2.1 以上と言われて失敗します. この CD セットの libc6 は 2.0.7 です. わざわざオプション CD がついていただけに残念でした.
apt-get で libc6 や Netscape をアップデートしようとしましたが出来ませんでした. すでに最新版がインストールされているというメッセージがでます. Debian GNU/Linux 2.1 では libc6 2.0.7 が最新, libc6 2.1 は potato と呼ばれている Debian GNU/Linux 2.2 からのようです. ドキュメントや Debian の web を見たりして, Debian GNU/Linux では Netscape の tar ファイルを /tmp に置いてから, Netscape インストーラと呼ばれるパッケージをインストールすることがわかりました. Debian GNU/Linux 2.1 に合った Netscape をダウンロードすればよいようです. しかし, 時間がとれずまだ試していません. 従って Netscape はまだ使えません.
ppp 接続は pppconfig を使ってスムーズに出来ました. pppconfig で一瞬戸惑ったのは, ユーザ名より先にパスワード入力するところだけです.
ブート用の起動フロッピーを作成しましたが, そこからの起動に 5 分くらいかかります. Loading linux ..... が遅いのが原因です. 理由は分かりません. lilo で /dev/hda にブートローダをインストールしました. ここからは普通にブートしました.
ThinkPad 600X へのインストールも試しましたが, Debian GNU/Linux 2.1 のインストールは失敗に終わりました.
bzImage では起動しないので, Disk 2 を使用しました. しかし, HD の geometry に関する BIOS のアップデートをしないとインストーラが起動しません.
BIOS のアップデートをしても, HD の geometry の認識に失敗しました. ブートプロンプトで指定するとインストーラの作業は終了しますが, その後のリブートが出来ません. RedHat 6.1 でも試しましたが, やはり HD の geometry の認識に失敗します. 指定しても, 最後のリブートで失敗します.
ハードウェアが新し過ぎると考え, Debian GNU/Linux 2.2 になる frozen バージョンの potato をインストールしてみました. これは HD geometry も正しく認識し, インストール後のブートも出来ました. 一般論として当たり前ですが, Linux の版はハードウェアが出たあとのものを使うと問題がほとんど出ません. これはそのケースだと考えています.
参考ですが, Windows 98 では CHS=24928,15,63 となっていて, H を大きくするための換算をすると CHS=1558,240,63 になります. しかし, potato が認識した geometry は 1559,240,63 でした. 先の失敗はこれが関係しているかも知れません. RedHat 6.1 のインストールが出来たという web ページがあり, geometry は 1559,240,63 とありました.
簡単には成功しない例がまた増えました. (問題ない人も多いのになぜ?)
オプション CD の Netscape が動かないのが本当に残念でした. また, このような問題に遭遇した場合, インターネットアクセスなしで先に進むことは困難です. Linux が初めての人は, 例えば Windows のインターネットアクセスで得たファイルを Linux に取り込む方法を知っているなどの準備があるとよいでしょう.
そして, (使っていないのに) Debian ファンの一言. Debian GNU/Linux の魅力は, 豊富なパッケージと (ML を覗いた程度ですが) 開発の仕方です. インストーラはもっと便利になりそうなので, 期待しています.