6.2. 従来の getty

従来実装されてきた getty には、 uugettygetty_ps があります。

従来の getty は、 /etc/gettydefs にあるセクション名で、 /etc/inittab に載っています。 このセクション名は、その getty の設定に用います。 Figure 6-2 の例では、 CON9600 というセクションを使いました。

標準の gettydefs には、 CON9600 はありません。わざとこうしました。 シリアルコンソールでは、若干ひねってみるのが必要なときがたまに あるのです。 DT9600 エントリをコピーして、 それを自分のモデルに使って下さい。

Figure 6-3. gettydefsCON9600 を定義する

# シリアルコンソール 9600, 8, N, 1, CTS/RTS フロー制御
CON9600# B9600 CS8 -PARENB -ISTRIP CRTSCTS HUPCL # B9600 SANE CS8 -PARENB -ISTRIP CRTSCTS HUPCL #@S @L login: #CON9600

各々の行は空行で区切って下さい。

各々の設定行の構文は以下のとおりです。

Figure 6-4. EBNF記法による、/etc/gettydefs のエントリ構文

<ラベル><初期フラグ> # <最終フラグ> #<ログインプロンプト>#<次のラベル>

<ラベル> は、 getty コマンドラインで参照します。

<次のラベル> は、 RS-232 のブレーク信号が送られたら使う定義です。 コンソールが使用する速度は常に 9600bps なので、 ここでは最初の ラベル をもう一度指し示すことになります。 gettydefs の中で、 CON9600 をもう一行書くつもりなら、 Section 9.9 を参照して下さい。

<初期フラグ>getty が使うシリアルラインのパラメータです。 これらの元になったのは、stty(1) のオプションと termios(3) のオプションですが、 このパラメータの完全なリストは、使っている getty の種類によって様々です。 Figure 6-3 のパラメータでは、 データが 8 ビット、パリティ無しの、 9600 bps で、確かに設定されています。

<最終フラグ> は、 getty が login を呼び出す前に設定する、 シリアルラインのパラメータです。 通常は、 9600bps のラインで、 端末の取り扱いは SANE 、データは 8 ビット、 パリティ無し、およびログインセッション終了後モデムはハングアップ、 という設定にする必要があります。

シリアルラインに対する伝統的な <ログインプロンプト> は、 まずマシン名、続いてシリアルポート、さらに login: という文字列、最後に空白を一つです。 マシン名とシリアルポートを挿入するマクロは様々ですから、 自分が使っている getty のドキュメントを見て下さい。