C.4. ネットワークインストール用フロッピーディスクを用意する

Red Hat Linux のウェブサイトには、 ネットワークインストール用の、フロッピーディスクイメージがあります。 Red Hat Linux7.1 用のイメージは、 ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/7.1/en/os/i386/images/bootnet.img です。

フロッピーディスクに、このイメージをインストールします。

bash# mkfs -t msdos -c /dev/fd0
mkfs.msdos 2.2 (06 Jul 1999)
bash# dd if=bootnet.img of=/dev/fd0 bs=1440k
1+0 records in
1+0 records out
bash# sync

次にそのディスクをマウントし、 インストール用のファイルが存在することを確かめます。

bash# mount -t vfat /dev/fd0 /mnt/floppy
bash# ls /mnt/floppy
boot.msg    general.msg  ldlinux.sys  rescue.msg    vmlinuz
expert.msg  initrd.img   param.msg    syslinux.cfg

このフロッピーディスクでは、 SYSLINUX ブートローダーを使用します。これについては、 Section 4.3Section 5.3 で説明しました。 まず最初に、ブートローダーの設定ファイル /mnt/floppy/syslinux.cfg を変更して、シリアルポートを使うようにします。 vi エディタを使ってこのファイルを編集するつもりなら、 スワップファイルをこのフロッピーディスクに書き込まないように、 -n オプションを使って下さい。

bash# vi -n /mnt/floppy/syslinux.cfg
serial 0 9600

次に、新しいブートオプションを追加します。 これは、このファイルにある、他のブートオプションを元にして作ります。 ここでは、 シリアルコンソールパラメータをカーネルに渡すようにします。 このパラメータは、シリアルコンソールを使っている、 普段の運用時に渡すパラメータと同じです。 ですから、"serial" というのは、 このブートオプションの名前に相応しいと思います。

label serial
 kernel vmlinuz
 append initrd=initrd.img lang= text serial expert devfs=nomount console=ttyS0,9600n8

textserial、および expert は、 Red Hat の anaconda インストーラに渡すパラメータです。 text を指定すれば、 グラフィカルなインストーラがスタートしないことが保証されます。また、 serial と指定すれば、 存在しないかもしれないビデオハードウェアは、 できる限りスキャンしないようにします。 ですから、実際にビデオカードがあれば、 手動で Xconfigurator を動かす必要があります。 expert を指定すると、 設定オプションのすべてが目に見えるようになります。 この場合は、汎用のフロッピーイメージを一つ用います。

3 番目に、この新しい設定を自動的にスタートさせます。 この例で使っているサイトには誰もいないので、 boot: プロンプトを出す必要はありません。

default serial
prompt 0

4 番目に、この新しい設定をフロッピーディスクに書き込みます。

bash# umount /mnt/floppy

そして、このフロッピーディスクでブートすることを確認して下さい。 もしブートしなかったら、 最新の SYSLINUX をダウンロードし実行して、新しいブートセクターを書き込んで下さい。

bash# syslinux /dev/fd0

最後に、 アップグレードする予定のコンピュータにコピーするために使う、 新しいブートイメージを生成して下さい。

bash# dd if=/dev/fd0 of=bootserialnet.img bs=1440k
1+0 records in
1+0 records out

この新しいブートフロッピーを、 シリアルコンソールが付いたマシンでテストすれば、 短いですが、 SYSLINUX がブートしているのがわかります。

SYSLINUX 1.52 2001-02-07  Copyright (C) 1994-2001 H. Peter Anvin

それから boot.msg ファイルが現れて、そして Linux カーネルがロードされます。

Loading initrd.img..............
Loading vmlinuz............. ready.

そして、実行開始です。

Linux version 2.4.2-2BOOT (root@porky.devel.redhat.com) (gcc version 2.96 200001

次に init システムがパッと通り過ぎます。

Greetings.
Red Hat install init version 7.0 starting
mounting /proc filesystem... done
mounting /dev/pts (unix98 pty) filesystem... done
Red Hat install init version 7.0 using a serial console
remember, cereal is an important part of a nutritionally balanced breakfast.
checking for NFS root filesystem...no
trying to remount root filesystem read write... done
checking for writeable /tmp... yes
running install...
running /sbin/loader

これは anaconda というインストール用アプリケーションがスタートする前です。

Welcome to Red Hat Linux
+----------+ Devices +-----------+
|                                |
| Do you have a driver disk?     |
|                                |
|    +-----+          +----+     |
|    | Yes |          | No |     |
|    +-----+          +----+     |
|                                |
|                                |
+--------------------------------+
<Tab>/<Alt-Tab> between elements  | <Space> selects | <F12> next screen

ファンクションキーにアクセスする方法がないように思えます。でも幸い、 このユーザーインタフェースでは、ファンクションキーを使う必要はありません。

これでフロッピーのテストは終りました。 フロッピーディスクを抜き、マシンをリブートして、 通常動作に戻して下さい。