TurboLinuxPRO 日本語版 4.2 レビュー記事

[ ソフトウェアレビューコーナー 目次 ]

ターボリナックスジャパン株式会社 様のご厚意により, Linux ディストリビューション, "TurboLinuxPRO 日本語版 4.2" を ソフトウェアレビューコーナーあて ご提供いただきました. この製品のレビューをして頂くべく, Linux Users ML において公募を行い, これにご希望頂いた方々より感想などをレビュー記事にまとめていただきました.

ここに, レビューアの方々に書いていただいたレビュー記事を公開します.

ターボリナックスジャパン 様および レビューアの皆様のご厚意に感謝いたします.


Reviewed by 溝口 直樹 (kgh07253@nifty.ne.jp) さん

「Applixware, ATOK12SE, Wnn6 が命」

Linux の使用歴
3 年半
UNIX の使用歴
4 年半
Linux Box の主な用途
仕事から趣味まで
Linux Box に載っている Linux 以外の OS
Windows95
Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
(記載なし)
評価に利用した Linux BOX のハードウェア (ベンダ名, CPU, Memory, HDD, NIC etc.)
Fujitsu DeskPower SX pentium 120MHz
memory 48M
HDD 8G

インストールについて

今回 Turbo Linux を使わせて頂くにあたり, 思いきって新しい HDD を購入しました. そして, そこに Windows, 今まで使っていた Vine, それに TurboLinux の 3 つをインストールしてみました.

最初, Windows95 用の fdisk がエラーを出したために, パーティションの設定でつまずいてしまいましたが, そこをなんとかクリアーして, Windows95 を正常にインストールしてからは, Vine も TurboLinux もスイスイとインストールできました.

それにしても, どうして Windows は何かやるたびに 「再起動してください」と言って来るのでしょうか. 再起動せずに次のソフトをインストールして不具合が生じるのも嫌なので, 言われるがままに再起動を繰り返したのですが, もう Windows のインストールはこりごりです.

TurboLinux vs. Vine

TurboLinux と Vine とでは, インストールの簡便さや親切度にそう大きな違いはないように思います. X, xdm, 日本語環境のどれもインストーラーの指示に従っていけば ちゃんと設定されます.

が, たまたま筆者の環境では, という条件が付きますが, どちらかと言えば, Vine の方が完成度が高いように思いました. 具体的に書くと,

  1. TurboLinux も Vine も 筆者が使っているディスプレイは選択項目の中になかったので, 1024*768 の標準的なディスプレイを選んだのですが, Turbo Linux は右端が表示されず, xvidtune による修正が必要でした.
  2. プリンタは, エプソンの MJ800C を使っているのですが, TurboLinux の turboprintcfg には, このプリンタ名がなかった. Vine の printtool には, MJ800C が登録されているし, 設定後にすぐテスト印字もできて, 便利でした.
  3. ファイルマネージャには mc を愛用しているのですが, TurboLinux では文字化けして使えない. 何か設定がうまくいっていないだけなんでしょうが, 筆者のレベルで, それを調整するのは大変です.
  4. Vine では, apm が正常に動いていて, システムをシャットダウンさせると, 電源まで切れたのですが, TurboLinux ではそれがうまく機能してくれない. 追加 FAQ に apm の機能を ON にする方法が書いてあったのですが, 文章が不正確でどう設定すればよいのか, それを読んでもよくは分からない.

などの問題点がありました. 完成度 80%程度と言ったところで, ちょっと残念です.

Applixware, ATOK12SE, Wnn6

おそらく, TurboLinux の売りは "Applixware", "ATOK12SE", "Wnn6" などの商用アプリケーションが付属していることでしょう. 例えば, 筆者が今まで使ってきた Canna と比較すると, さすがに Wnn6 は賢い. 結構長い文字列を入力してもほとんど間違えることなく, 漢字混じりの文章に変換してくれます. まだ, 十分カスタマイズしてはいないけれども, 日本語入力が楽になったと実感しています.

また, Applixware も, MS Word の文書を読めるだけではなく, 出力もできるというのはうれしい. MS Excel も読み書きできるし, Windows 上にその 2 つのアプリケーションを持っていない筆者にとっては, たまに扱わないといけない Word 文書や Excel ワークシートをわざわざ Windows 上の一太郎なんかで読む必要が無くなり, ありがたいです.

ただし, 筆者の場合, Word 文書にも Excel ワークシートにもほとんど縁の無い生活なので, Applixware は便利だとは思っても, 無ければ生きていけない, わけではありません (それに Pentium 120MHz では重くて使いづらい). ですが, 人によっては大変重宝する方もいらっしゃるのではないでしょうか. と言うことで, Turbo Linux を選ぶべきかどうかの一番のポイントは そこにあると思います.


Reviewed by 細野茂伸 (modula@d1.dion.ne.jp) さん

「便利な Turbo Tools だが, マニュアルにちょっと不満あり」

Linux の使用歴
1 年 2 ヶ月
UNIX の使用歴
15 年前に VAX-11 の端末で rogue 1 年
7,8 年前に MINIX1.5 を少々
Linux Box の主な用途
プログラミング, 学習, インターネット端末
Linux Box に載っている Linux 以外の OS
Windows98
Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
Windows 7: Linux 3
評価に利用した Linux BOX のハードウェア (ベンダ名, CPU, Memory, HDD, NIC etc.)
自作 AT 互換機
マザー ASUS TX97-E (BIOS Update)
CPU Cyrix 6x86MX-PR166
Memory 64MByte
HDD 10GByte
NIC EtherLink III 3C509B-TP
Video PowerWindow T64V S3 Trio64V+
SCSI PCI-SC200 53C810 互換
Sound Ensoniq Audio PCI
PCMCIA CardDock Cirrus logic PCIC 互換
MO MockingBird SMB-640WL
HUB 兼ダイアルアップルータ CMZ-RT-DP

はじめに (レビューの視点と期待)

私のメイン OS は Windows である. 気持ち的には Linux に移行したいのは山々だが, 仕事上 Windows のアプリケーション開発やドキュメントは ワードやエクセルを指定する客先もあるので, なかなか手放すわけにもいかない.

メーカー独自のフォーマットから標準のフォーマット (XML のような) が根付くまでは, Applixware などのデータは社内および個人データとしての利用しかできないだろう. 今後 Windows と同等の使いやすい Linux のツールが増えて行けば 徐々に Linux がメインマシンとなる日も来る事だろう. その 1, 2 番目に可能性のあるディストリビューションが Turbo Linux だと思いレビューに参加させてもらう事にした. Turbo Linux には他のディストリビューションには無い, 統合アプリケーションである Applixware をバンドルしていることが最大の強みであろう.

Turbo Linux の特徴

バンドルソフトの充実

Applixware, ATOK12SE, Wnn6, System Commander Lite, Open Sound System, リョービ TrueType フォント 5 書体 と 他のディストリビューションにはない豪華なバンドルソフト群である. 注目はなんといっても Applixware と ATOK12SE であろう. TrueType フォントは明朝, ゴシック, 丸ゴシック, 太ゴシック, 楷書の一般的な 5 書体である.

便利な Turbo Tools

Turbo Linux には turbo と名の付く CUI ベースの独自のツールがいくつかある. mount コマンドのオプションで悩む人には turbofscfg (ファイルシステム設定) が便利. AfterStep や GNOME, KDE など Window Manager を色々試してみたい欲張りな人には turbowmcfg が便利である.

インストール

インストールは, すべてのパッケージを選択して 4 倍速 CD-ROM で 30 分程度で完了. ブートの方法は, 仕事で使っているマシンとの併用なので 安全のためにフロッピーでブートするようにした. 今回は System Commander Lite は利用していない. System Commander は通常の製品版を使った事はあるが, やはりブートエリアをいじるツールはどうも危険な気がして なかなか利用できないのが現状である. フロッピーのブート切り替えは意外と快適である. 直接 HDD からブートする時とあまり時間は変わらない. 逆に LILO の OS 選択を忘れてデフォルトの OS が起動してしまうというミスは フロッピの方が少ないかもしれない. 私のパソコンには比較的たくさんの周辺機器が接続されているが インストールでのトラブルはなく, MO も PC カードも Linux から利用できた.

アプリケーションの使い心地

Applixware と ATOK12SE

Applixware はメニュー体系やアイコンになれるまでは戸惑う事だろう. ショートカットキーがカスタマイズできるので 使いなれたソフトに合わせればカット&ペーストも戸惑わずに使えるだろう. 変換効率が良い ATOK12SE との連携で文書入力は快適であった. ATOK12SE は Netscape や GIMP でも問題無く入力できた.

Windows のワードとエクセルで作ったファイルを Applixware で読みこんでみた. ワードの文章は FAX の送付状, エクセルの文書は見積書程度のものである. 結果としては, レイアウト枠を使っていたこととフォントの違いで, 共有することは無理な状態であった. テキストだけコピーしてきてレイアウトし直した方が早そうである.

TrueType フォント

マニュアルに Netscape で TrueType フォントを使う方法が書かれているが, 英字フォントと日本語フォントとのサイズが合わず今一つ見栄えが悪い. マニュアルに, もう少し上手く設定でできる方法が書かれていると良いのだが.

Nmail4 (メーラー)

私の場合, メールソフトは Windows の Becky! を使っているが, Nmail4 は違和感なく使えた. 操作性も Becky! と同等のフォルダの階層構造や 複数アカウント対応などの機能も備えている.

日本語化

1 年前の Linux に比べると数段日本語化が進んで 英語が苦手な私にも違和感無く使えるようになってきたが, Turbo Linux を使う前に Vine1.1 を使っていたために, Turbo Linux での日本語化は物足りない感じがした. GIMP の Tips は最初から日本語表示されているが, GNOME のユーザーガイドなどはまだ英文が多かった.

その他良かったところ

私のパソコン環境は 4 台のパソコンが HUB 兼ダイアルアップルータで接続されているが, インターネットの接続は turbonetcfg で DHCP を有効にする事によりあっさり完了. ちなみにこの設定方法はマニュアルの FAQ に書かれていたため, 悩まなくて済んだ. ダイアルアップルータはモデムや TA に依存しない為 PPxP の設定より簡単である. PCMCIA に PC カード (メモリスティック) を挿入し turbofscfg ツールでマウントしデジカメの JPEG ファイルを GIMP で読みこみ加工することができた.

改善してほしいところ

(1) マニュアルの充実

Turbo Linux には「INSTALL/REFERENCE GUIDE」,「APPLICATION GUIDE」, 「SUPPORT GUIDE」のマニュアルが付属するが, オンラインマニュアルに頼り過ぎで内容は物足りない. ネットワークや高度な設定は他の専門書に譲っても良いが, デスクトップへのアイコンの登録など一般的な操作は 添付マニュアルで説明して欲しい.

(2) プリンタ設定ファイル

turboprintcfg のプリンタ設定では国産プリンタ名が少ない. せっかく Applixware を添付していても印刷設定がこれでは寂しい.

(3) バンドルして欲しい商品

ビレッジセンターの XZ Editor が開発中であるが, 完成の暁には是非バンドルして欲しい製品である.

最後に

次期バージョンがアナウンスされているだけあって, 最新のディストリビューションに比べると若干古く感じるが, 全体的に非常によくまとまった製品である. 各種ツールのおかげで初心者にも使いやすい製品である.


Reviewed by 塚本 民雄 (tamio@mb.infoweb.ne.jp) さん (Web Page)

「オフィス付き Linux? それとも Linux 付きオフィス? 」

Linux の使用歴
約 3 年半
UNIX の使用歴
約 12 年半 (ボランティア的システム管理者 兼 エンドユーザ)
Linux Box の主な用途
職場では数値計算, 文書, 資料作成, 家庭では「高級文房具」として
Linux Box に載っている Linux 以外の OS
Windows95 (世間のしがらみの為のマシンのみ)
Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
Linux : Windows 95 = 99 : 1
評価に利用した Linux BOX のハードウェア (ベンダ名, CPU, Memory, HDD, NIC etc.)
Fujitsu DeskPower FMV5DS1 (5100D5 model DPS)
CPU:Pentium 100MHz --> Upgraded to AMD K6-2 366MHz
Memory: 64 Mbytes
Video Card: On board ATI Mach64 264CT with 2048 kbytes VRAM
CD-ROM: E-IDE 1 TOSHIBA CD-ROM XM-5302TA, ATAPI CDROM drive
Modem: Fujitsu 14400 / Fax Voice Modem
NIC:Acer ALN101T (NE2000 Compatible)
HDD:E-IDE
Master 2Gbytes for Windows95
Slave 2Gbytes for Turbo Linux Pro 4.2
周辺環境: 上記評価用マシンの他に家庭内 LAN 用サーバ (Linux, 外部へはこのサーバから ppp 接続) と Note PC (Linux)

【このレビューの視点】

つい最近まで, Slackware ベースのシステムに各種アプリケーション (商用含む) を加えて Linux を使って来ました. 第 21 回ブックレビュー のレビューアをした事を機会に, RedHat 系の Linux を使っています. RedHat 系のシステムに移行した時は, そのシステムの管理方法の違いに軽いカルチャーショックを感じました. TurboLinux は, rpm でパッケージを管理しているとはいえ 独自のシステム管理体系とアプリケーションがあるので, 先入観を持たずにレビューに臨みたいと思います. このレビューの構成は次の通りです.

【商用ソフトのライセンスについて】

TurboLinux PRO 日本語版 4.2 使用許諾契約書によれば, 商用ソフトとは

を指し,

「商用ソフトはお客様の保有する一台のコンピュータのみで 使用する権利を許諾します.」

と書かれています (注: LASER5 Linux 6.0 では ATOK12 SE for Linux は LASER5 Linux 6.0 でだけ使用できると明記されています).

【 3 冊のマニュアルについて】

○ INSTALL/REFERENCE GUIDE

「システムのインストール」, 「インストール後のガイド」, 「Window Manager」の紹介, 「TurboTools」の解説があります. インストール作業の説明は, 各ステップ毎に写真があってわかりやすいものです. インストール後のガイドには, Linux の基本コマンドの簡単な解説, インストール直後に行うシステム設定, オンラインマニュアルの見方, パッケージの追加や削除の方法等が書かれています. TurboLinux のシステム管理コマンドは独自の体系になっているので, TurboTools の解説は必読です.

○ APPLICATION GUIDE

バンドルソフトの解説が中心で大部分を Applixware に割いています. その他に nmail4, kterm, Netscape Communicator, Mule の解説もありますが, 正直言って申し訳程度という印象です.

○ SUPPORT GUIDE

第 1 章でサポートを受ける為の情報が書かれています. 第 2 章では 47 ページにわたって FAQ の解説があります. FAQ はトラブルが有無にかかわらず一通り読んでおくと良いと思います. 第 3 章の参考文献の紹介はもっと充実させて欲しいと思います. 第 4 章は全パッケージリスト, 第 5 章はトライアル版ソフトのリストとなっています.

【インストールについて】

マニュアルの記述に従って作業すれば比較的順調にインストールできました. インストール中に行う各種設定は, 実際には TurboTools という設定プログラム群を呼び出しているので, 後から設定の変更を行うこともできます. ただインストーラや設定ツール自体が, ハードウエアの検出に依存している場合がある為, 想定から外れたハードウエア構成の時は, 検出に失敗したハードウエアに関連した設定項目がスキップされる場合があります. またカーネルの再構築が必要な場合, 手順の記載がマニュアルに無いので, 経験の浅い人には対処は困難ではないかと感じました. ここでは, 私の遭遇したトラブルを簡単にご紹介します.

◎ハードウエアの自動認識/モジュールの組込み

私の使用している SCSI カード IFC-DP は, kernel ソースにドライバが含まれている (AM53C974 または Tekram DC390) にもかかわらず自動検出されず, 設定画面ではリストに含まれていませんでした. その為, とりあえず全てを 2Gbytes の E-IDE のハードディスクにインスールせざるを得ませんでした.

◎ディスクパーティションの設定

ハードディスクのパーティションの設定を自動にしたところ, / や /usr の領域が充分確保されず, デフォルトでは Applixware をインストールできなくなりました. これは Applixware のデフォルトのインストール先が/opt/applix となっている事, Applixware のインストールは TurboLinux のインストールを終了した後に, 別の CD-ROM のインストーラを必要とする為に 一貫性が失われている事が原因となっています.

【システム構成とアプリケーションについて】

TurboLinux を実際に使って見ると, この製品の基本方針が従来のディストリビューションと かなり異なっている事に気づきます. デフォルトでは全てのインストールクラスで TeX 関係はインストールされない事や, 一般ユーザのホームディレクトリに .emacs が無い事には驚かされました.

従来の「UNIX での読み書きソロバン」は全く眼中にない
なぜなら Applixware があるから

という事でしょうか.

Applixware 日本語版 for TurboLinux は, 「TurboLinux 上で動作する」オフィスソフト群 (Words, Spreadsheets, Graphics, Presents, Mail, Data) で, このディストリビューションでは特別な位置付けにある様です. TurboLinux の OS 本体をインストールする時には TurboLinux PRO 日本語版 4.2 使用許諾書にあるシリアル番号は必要ありませんが, Applixware をインストールする時には TurboLinux の使用許諾書にあるシリアル番号の入力が求められる事も それを象徴しています.

私自身は日頃は emacs で文書を書き, Tgif で図を描き, LaTeX で整形/印刷し, emacs から mew を使ってメイルを読み書きしています. 世間のしがらみで作成した, 数少ない Microsoft Word97 と Excel97 のファイルを Applix Words や Applix Spreadsheets で読み込んで印刷したり, 逆に Applixware で作成したファイルを Word97 や Excel97 で読み込んでみましたが, 罫線を多用した表でも問題なく変換できました. ただし, Word97 で高速書き込みで保存したファイルや, 画像を張り込んだファイルは Applix Words ではエラーが出たり一部読み込めないものがありました. Mail は mbox 形式のファイルの読み書きも出来ますが, 標準では 1 通のメイルに対して 3 個のファイルが格納されたディレクトリが 1 つ作成されるというディスク喰いなシステムです. MH 形式もサポートして欲しいところです.

【まとめ】


Reviewed by 炭屋悦緒 (sumiya@ymg.urban.ne.jp) さん

「Install は楽だが Packaging に工夫が欲しい」

Linux の使用歴
1 年
UNIX の使用歴
12 年
Linux Box の主な用途
個人のメール環境, Internet server (Linux で構築) のメンテナンス端末 ソフトの調査
Linux Box に載っている Linux 以外の OS
Windows98, Windows95
Linux と Linux 以外の OS の使用頻度の比
Nifty の巡回をするのに依然 Windows のアプリを使っていますが, 個人的な使用ではメールと web が中心なので Linux で事足りています. 一方, 業務では Windows の開発環境, document 作成環境は必須なので, 仕事用にはWindows 95 の動く別の PC を用意しています.
評価に利用した Linux BOX のハードウェア (ベンダ名, CPU, Memory, HDD, NIC etc.)
DELL Dimension XPS R400, Pentium II 400 MHz, 128MB E-IDE 8GB, Diamond Fire GL 100 Pro 8MB, 3Com 3C905B-TX)
評価の目的
Turbo Linux に付属の Apprixware でどこまでできるのかを評価したい. 加えて VMware がどの程度のものか評価したい.
評価時間
約 20 時間
(仕事が忙しいためじっくり触る事ができず, よい評価レポートが書けませんでした. 申し訳ありません).

Turbo 4.2 Pro の Install について

  1. 評価に使った PC には Windows 95 が既に install 済みであるため, scandisk を使い, まず, Windows 95 の disk を整理する所から始めた.
  2. FAT32 に対応した fips の FD を作り, disk 3G を Turbo 用に割り当てた.
  3. BIOS 設定を変えて CD-ROM から boot できる設定とし, Turbo の install CD を使い installer を起動.
  4. 設定はすべてデフォルトで行なう. 既に Plamo Linux で何度か PC には install を行なっているので install の作業では戸惑う事はなし.
  5. 懸念していた X の設定もすべて自動認識で設定が終った.

Install 後の設定

Install にはほとんど手を煩わせる事なく終了した. Plamo と違っている点は X の設定も自動でやってしまう事くらい. が以下の問題がある.

そういえば, install する時に 操作を間違えて設定を途中で終了させてしまったような気がする. 設定を変えようと XF86Setup を起動するが, "=X11TransSocketUNIXConnect; Can't connect: errono = 111" となり起動できない. そういえば, Turbo では turbo で始まるコマンドで設定するんだったと思い出した. locate コマンドで turbo を検索してみる. すると turboxcfg というプログラム名が分かった.

turboxcfg を何度か起動して a-d の問題は解決できた. でも, e. はできない. XF86Setup ではできるのだが... X Window System を起動した状態で XF86Setup を起動する. そして, 無事 CAPS LOCK と Ctrl キーを入れ換える事ができた.

GNOME は奇麗だ. デザインが洗練されている. これまで twm→fvwm→afterstep と使ってきたが, そのデザイン面での変化には驚かされる. デフォルトの色合いも落ち着いていて長時間使っても疲れない配慮がなされている.

驚いたのは install するだけで 1.3G も disk を使う事. Window manager には GNOME を選択したが, rpm の依存性により数珠繋ぎ的に package が入った結果だろうか? 少なくとも mule と xemacs の両方はいらない. 漢字変換機能も複数入っているし起動もされている. 色々な人が満足する packaging を目指している結果かも知れないが, もう少し, 整理した方がよい気がする.

Applixware について

これについても時間が十分とれておらずしっかり評価できていない. マニュアルが基本的にないので短期間で使いこなすのは難しいと感じた. かな漢字変換に ATOK を使用しているが, "On the spot" による漢字変換を使っていると, 改行で確定を必ず行なわないと文字の挿入位置が正しくない. この問題の解決方法はあるのだろうか? 時間がなくて調査ができないままである. "On the spot" を使わない設定で漢字変換を利用したが, 使いにくいので急激に評価する気が失せた.

VMWare

仕事上, Windows を使わない訳にはいかないし, 社内の文書は MS Word, Excel で回ってくる. Word, Excel の文書をファイルに保存し, 他の PC に持っていったりして中身を確認するのはおっくうである. 何とかこれを改善したいと思っている.

UNIX MAGAZINE 10 月号を参考に install を試みる. vmware の install は無事終了. 既に install 済みの Windows 95 を Guest OS として設定して起動してみる. EMM386 関連のエラーが起動時に表示されるので, (Windows 98 固有の問題と記 載してあるが,) 雑誌に書いてあるように EMM386 の設定を config.sys でコメントにする. 性能的には問題があるものの何とか, Windows 95 が起動する. これで, multi boot の呪縛から逃れられるかと一瞬喜んだ.

vmware-tools291.exe を install し, display の設定を行なうが 何度やっても設定が反映されない. 設定を行ない再起動を行なうと display の設定が正しくないので Hardware wizard を起動するとメッセージが表示されてしまう. Word も Excel も起動するが, 640x480 の 16 色では使いにくい. Developer studio 6.0 が 起動しないし, 時間もない事から vmware の設定もあきらめた.

課題

GIMP を使いたいと思い起動する. フォントロゴを試しに起動してみるが フォントが install していない旨のメッセージが出て起動しない. X Window の設定をしている内に "GIMP can not get enough colormap to boot." というメッセージが出て起動すらしなくなった. これもそのうち時間を見て調べたい.

rpm による packaging 管理はこれまで使った事がないので man を見ながらの操作になる. 確かに便利だけれど, あんなにいっぱい package が入ったのでは何が入っているのか調べるだけでも時間がかかる. 加えて, これまで Slackware のディレクトリ配置に慣れている自分には Turbo のディレクトリ配置には少し戸惑った. 便利な rpm package の使用法は 最初は minimum の package を入れて必要なものを少しずつ入れていく事だと思う. 近い内に再 install を行ないたい.

マニュアルについては残念ながらあまりよいとは言えない. ある程度 Linux を触った事がある人や, コンピュータの知識がある人でないと読んでも意味が分からないと思う. せっかく, インシデントサービスが付いているし, 商用 distribution なのだから, もう少し初心者に分かり易いマニュアルを作成して そういう利用者を取り込める努力をしたほうがよいのではないかと思う. これでは非商用 distribution との差別化が少な過ぎると思う.

ping は通る事は確認したが, LAN, ppp, Internet 関連サーバ, printer の set up は時間がなくて行なえていない. また, Kernel の再構築もそれにあわせて行なわないといけないがやっていない. 今後, このあたりの設定をして環境を整えていきたい.

最後になりましたが, このようなレビューの機会を与えて下さった関係各位に感謝致します. 時間がとれなくて満足に評価ができませんでしたが, 私のレビュー記事が今後の Turbo Linux の商品開発に役立つ事と Linux という OS の評価が高まる事を期待して記事を終らせていただきます. ありがとうございました.


Reviewed by 池田光太郎 () さん

(評価中)
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