当初 Webmasters に対する献本のお申し出から始まった ブックレビュー企画 も 10 回を数えるまでになりました. これまでにのべ 60 名の方々に, 15 の書籍 をレビューしていただいたことになります, これまでに書籍を提供していただいた出版社各位, レビューをしていただいた皆さまへのお礼を兼ねまして, ブックレビューの現状や, 今後ブックレビューに期待したいことなどを書いてみたいと思います.
外部からは「公募」「決定」「公開」しか見えないブックレビュー企画ですので, 内部でどのような作業が行われているかについてちょっと解説してみます. これだけ回数が多くなってきますとさすがに我々の経験値も上がり, 最近の作業はかなりスムースに流れるようになってきています.
レビューアの選考は, 応募メールの文面を見ながら Webmasters による投票で行われると書きました. ではどのような人が, どのような応募文章が高く評価されるか, 今後レビューを希望される方のためにこっそり :-) お教えしましょう.
ブックレビューの作業をやっていての一番の楽しみは, なんといってもレビュー記事を最初の読者として読めることです. 一冊の書籍に対するさまざまな立場からの意見を読んでいると, その書籍の購入判断に役立つということはもちろん (ある記事を読んで,おもわず書店に走ってしまった Webmasters メンバーも過去に存在します(^_^;), その書籍が Linux 環境のなかで占める位置や, ひいては Linux の現在がほの見えてくるような思いを抱くこともしばしばです.
これまでに, ご年輩の方や中学生の方(!), 男女を問わず様々な方々からすばらしい記事を寄せていただきました. パワーユーザからの記事が嬉しいのももちろんですが, 特に Linux 初心者の方 (でも文筆のスキルは高い方) の記事は, 今 Linux に足りないものはなにか, Linux でどのようなプロジェクトをすすめるべきか 等々について非常に貴重な示唆を与えてくれます. まさに (失礼なものいいですが) 「タコは財産」 の好例といって良いでしょう.
ブックレビューは書籍プレゼントとは違うものではありますが, レビューアの方から「レビュー書籍のおかげで見識が広がった」, 「新たな発見ができた」という感想をいただくのも, こちらとしては大変嬉しいものです. またそのレビューア各人の「喜び」が反映された記事を読みますと, 思わず頬が緩み, 作業の苦労もふっとびます.
もうひとつ嬉しいのは, 献本していただいた出版社の方が 「今後の書籍制作に役立つ意見だった」と言って下さった時や, そのような方から次の書籍で再びレビュー依頼をいただけた時などです. 私たちが, またおそらくは本サイトを訪れる人たちが感じている 「レビュー記事の楽しさ」を書籍の企画に生かしていただければ, また Linux 書籍の出版に対するフィードバックの一部を ブックレビュー企画が担うことができれば, それは非常に素晴らしいことだと思います.
すでに本記事の執筆時点で 18 回分までの献本のご連絡をいただいています. とても嬉しいことですが, ちょっと最近人手の方が足りません(^_^; ブックレビューに関る作業に興味を持っていただいた方はもちろん, Webmasters へのご参加は常に歓迎しています.
ブックレビュー企画や記事に関するご意見もお待ちしています. 例えばですが, 「この人のレビューは良かった」というような反響が集まれば, そのような方々に常設書評グループ「book reviewers」を構成していただき, 一般公募分とは別の枠を用意すると言う試みも面白いかもしれませんね. また, 「amazon.com のような形式の, 献本をベースとしないレビューも考えてはどうか」という ご意見も以前いただいたことがあります. これも一考に値するアイディアだと思います. さらに現在, 初めての「ソフトウェアレビュー」の企画も進行しています. 今後はこのような書籍以外のレビューについても随時実施していきたいと思います.
先にも述べましたように, 現在ではブックレビューのスタイルはほぼ定まり, (供給量とのバランスはともかく) 作業の方には少し余裕ができてきました. しかしここで固定してしまっては面白くない. 新たな試みをどんどん取り入れていきたいと思いますし, そのためのアイディア, 作業ボランティアを いまこの記事を読んでいる皆さんに是非期待したいと思っています.
皆さんご存じのとおり, 最近は Linux 関係の書籍が数多く出版されるようになってきました. 書籍売り上げの ランキングでも Linux 関連書籍の人気ぶりがうかがえます. しかしそれゆえ, ユーザとしてどの書籍を選べば良いかについて 悩むことが多くなってきているとも感じます. 特に Linux 入門時においては, うまく自分にあった本と巡り合えないと, 「Linux ? あんなのダメダメ. 難しすぎ. 」といったことになりかねないでしょう. 率直な感想が満載のブックレビューコーナーをぜひ活用していただき, 自分自身にとっての良書を見つけ出していただければ...と, Webmasters 一同願ってやみません.
最後になりましたが, これまで書籍をご献本いただいた出版社各位, また素晴らしい記事を執筆して下さったレビューアの皆さんに 改めて感謝の意を表し, 結びに代えさせていただきます. どうもありがとうございました.