1. はじめに

DSL(Digital Subscriber Loop) は高速なインターネット・アクセス技術で、一般的 なメタルの電話線(電話会社の専門用語で、別名 "より対銅線回線")を 使います。DSL は、既存の電話会社のネットワークを使って、ISP にダイレクトかつ 専用で接続できます。米国の 80 % もの電話線で利用ができるように 設計してあります。DSL は、回線適応変調方式を使うことにより、 8 Mbps もしくは さらに高速な転送速度を実現できます。

DSL サービスは、家庭や小規模事業向け市場をターゲットにしています。普通 DSL は ISDN より安価で、T1 よりかなり劣ったサービスを提供します。しかし T1 に 見られるようなコスト高や面倒さ、利用しにくさといった問題を気にせずに、T1 より高速に利用できる可能性があります。DSL は"常時"専用で接続 するサービスなので、ISDN のように回線設置の遅れや使った分だけ料金がかかる ことはありません。この点が帯域不足で悩んでいる人々にとって魅力ある技術 となっています。

うれしいことだらけのように思えますが、DSL には欠点もあります。DSL の 信号つまり接続は、距離(より対銅線"回線"の長さ)やその他様々な 要因に依存しています。標準となる "DSL" もありません。様々な DSL が存在しており、DSL プロバイダは本当に様々な方法でネットワークを提供 しています。現状 Linux ユーザは、自分で何とかしなければいけない状況に あります。というのも DSL プロバイダは安易に"売れ筋の" オペレーティング・システムに対してだけ、対応しがちだからです。

この HOWTO で触れるトピックスは、適合試験や設置に当たっての事前作業、設置、 設定、トラブルシューティング、そして DSL 接続を安全に行うことです。他の 関連したトピックにも触れます。付録として包括的な DSL の概略FAQリンク集、そして用語解説も付けています。

電話会社や DSL プロバイダ側が速いペースで移り変わるので、このドキュメントが 最新版であることを必ず確認してください。現在、正式版は http://www.linuxdoc.org/HOWTO/DSL-HOWTO/ にあります。事前公開版は http://feenix.burgiss.net/ldp/adsl/ にあります。

1.1. ドキュメントの構成と読み進め方

このドキュメントでは DSL について広範囲に議論するつもりです。複雑にからみ あったネットワークやハードウェア、新しい流りの技術、そしていろいろな ベンダーが提供する様々なアプローチを扱ったトピックをあらゆる角度で解決して いくつもりです。このドキュメントの構成の中心は下記の通りです。

このドキュメントを読み進めるには、下記のガイドラインに従ってみてください。 まず必ず「はじめに」を読んでください。特に約束事と 利用方法、用語セクションは熟読してください。専門用語の中には別の 文脈において、多少異なる意味を持つものがあるからです。また、TA(電話業界の 頭文字)の世界で迷ってしまっても、用語解説が 用意してあります ;-)。

1.2. 最新情報

Version 1.3:付録の SpeedTouch USB HOWTO を更新。 PPPoE セクションを改訂し、Linux に好意的な ISP に 2 社追加。ドキュメントが 米国を中心とした記述にならないように、ほんの少し修正。その他多少の更新。

Version 1.2 には PPTP の設定に Alcatel のイーサネット・モデムを追加。 "チューニング"セクションに TCP Receive window と ADSL もしくは DMT の効率化 2 つを追加。Alcatel の USB モデムのドライバがオープン・ ソースで 2001 年 5 月にリリースされたというビックニュースを追加。Chris Jones 氏によって Alcatel SpeedTouch USB mini HOWTO を 付録 に追加。あちこちを更新。

Version 1.1 ではいくつかの訂正と更新と追加。新しい情報は実質なし。ついに Linux で利用可能な Xpeed の DSL PCI モデムが登場。カーネル 2.2.18 のソース コードにドライバが入った。

Version .99 はこのドキュメントのオリジナルである ADSL mini HOWTO が出てから 生じた数多く変更点の内のいくつかに対応。そもそも ADSL は最初に広まった DSL 技術ではあるが、他の DSL―IDSL や SDSL、G.Lite、RADSL―の特徴も反映 されている。このようにして "ADSL mini HOWTO" から "DSL HOWTO" に名称を変更した。また DSL 技術における数多くの進展も記述した。 PPPoE/A によるカプセル化は非常に多くの ISP で採用されてきており、主流に なってきている。

1.3. Copyright

DSL HOWTO for Linux (formerly the ADSL mini HOWTO)

Copyright 1998,1999 David Fannin.

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You can get a copy of the GNU GPL at at GNU GPL.

1.4. 謝辞

この HOWTO を手伝ってくれた方すべてに感謝致します。万が一のため、電子メール のアドレスは spam 避けをしてあります(私のものも!)。名前の部分から X を取って ください。

1.5. disclaimer

The authors accept no liability for the contents of this document. Use the concepts, examples and other content at your own risk. As this is a new edition, there may be errors and inaccuracies. Hopefully these are few and far between. The author(s) do not accept any responsibility for incorrect or misleading information, and would certainly appreciate any corrections. Also, this type of technology dates itself very quickly. What may be true today, is not guaranteed to be true tomorrow.

All copyrights are held by their by their respective owners, unless specifically noted otherwise. Use of a term in this document should not be regarded as affecting the validity of any trademark or service mark.

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1.6. フィードバック

このドキュメントへのどんなコメントも歓迎します。最新版をチェックしてから、 訂正を流してください! 宛て先は まで。

1.7. 約束事と利用方法、用語

これからする説明を理解しやすいように、このドキュメントで使っている用語 のいくつかを明確にしておきましょう。この用語はあちこちに登場しますので。 下記に登場する定義のほとんどは、技術的に 100 % 正確ではありません。 しかし、ここでの目的は充分にカバーしています。DSL のようにめまぐるしく 変化する技術では、"もし、しかし"といった言葉が頻繁に現れます。 それはその事柄がどの程度正確で、どの程度かっちりしているかを断定できない からです。加えて例外が常につきまといます。ここではできるだけ広く一般的に 扱うつもりですので、心に留めておいてください。